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2003年2月3日 00:00

ネットで繁殖するガセネタ

 ウェブマスターにとって、感度の高いアンテナを張り巡らせて最新情報を収集することも重要な任務の一つである。インターネットを活用していれば、情報を集めることはそれほど難しいことではない。しかし、情報量が増えるに伴って、内容の真偽を判断する能力が問われるようになった。要するに、インターネット経由で得られる情報には「ガセネタ」も少なくないということである。

 ガセネタという言葉からすぐに想像するのは、チェーンメールの類だろう。ウイルスの警告など、もっともらしい内容を「知人みんなにすぐ教えてあげてください」と転送を勧めるのが典型的な例。中には、必要なシステムファイルを削除するよう、わざわざファイルの検索方法まで記したものもある。親しい知人だけには念のために、と会社のパソコンからシグネチャ入りで転送したりすると、尾びれがついて情報の発信元かのように広がってしまう危険性がある。これらのチェーンメールは、いわば「愉快犯」的なものがほとんどで、無視するのが一番いい。

 私のサイトも、ある意味でガセネタの対象になったことがある。1997年のことのなので、もう5年以上も前の話になるが、思いつきでプレゼントクイズを実施した。二者択一のクイズ5問を出題して、全問正解者の中から人気だった若者向け腕時計を抽選でプレゼントするというもの。ひっかけ問題が仕組まれていて、全問正解率は開始後しばらく5%前後と期待以上に低かった。

 事件は締切直前に突然起きた。応募数は尻すぼみ状態だったのに、応募が急に増え出したのである。しかも、不思議なことに、みんな同じ間違いの回答である。誰かが流したガセネタを真に受けて、そのまま応募してきた人が結局300人もいたのである。おかげで全問正解率は3%台に急落した。当時、これがネットでの情報伝染力か、といささか驚いたことを記憶している。

 やっかいなのは、特定の企業を中傷したり、攻撃するような内容のガセネタである。株価の操作を狙った風説の流布だったりすることもあるが、利害に絡む人が多ければものすごい伝染力を発揮する。少々古い事例ではあるが、ある大手パソコン量販店が倒産寸前なので、カード会員はためているポイントをできるだけ早く使いきったほうがいい、というガセネタがネットで広がったことがある。もちろん、その企業は倒産することなく今も健在だが、会員でなかった私のところにも複数ルートから情報が入ってきたところをみると、相当のリーチだったはずである。

 この種のガセネタは、刑事事件にでも発展しない限り、情報発信元を特定するのは難しいだろう。しかし、企業としては、犯人を捕まえることよりも、風説による被害を最小限に食い止めることのほうが重要である。先ほどの例でも、そこまで広まるまでに、企業側としてもっと打つ手はあったように思う。

 ガセネタが繁殖するまでには、インターネットの掲示板で話題になったり、複数の顧客から事実確認のメールが届いたり、いくつかの前兆がある。ウェブマスターとしては、これらの前兆を早期に捉えるための努力が求められるだろう。そのためには、地道に顧客とのコミュニケーション機会を広げるのが、遠回りのように見えて一番の近道かもしれない。

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