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比較のためのレーティング ウェブアンケートで EC サイトの利用実態を調査すると、過去に一度でもインターネットで商品やサービスを購入した経験のある人は90%に近い数字が出る。
個人的な印象では、メールマガジンやクチコミをサイト選びの情報源として活用する人が増えているように思う。サーチエンジンの重要性が低下しているという意味ではない。玉石混交の膨大な情報を自分で一から整理するより、その分野に詳しい人間の目でふるいにかけてくれた情報を参考にしたほうが楽に決まっている。たとえば、リアル店舗の場合、こちらの店の方がより混んでいるから、という基準で選ぶことがよくある。まさに「他人の判断」を参考にしてことになる。ネットでも簡単に比較できる指標があれば、それを参考にしたいという人も多いはずだ。 利用したことのない EC サイトを探す際に、利用価値があると思われるのが、サイトの総合力を星の数などで格付け(レーティング)する、いわゆる「評価サイト」である。独自の基準で専門家によって評価されるものや、主に利用者からの投稿や投票によって評価されるものなどがある。前者では、特にオンライン証券会社など金融サイトの評価に定評がある Gomez などが典型的な例だろう。 細分化された項目について、厳しく比較・採点されているので、各サイトの相対的なセリングポイントや弱点などがよくわかる。サイトの利用目的が明確であれば、自分にとってのベストチョイスを見つけ出せる可能性も高くなる。ただ、Gomez を含めた前者のタイプでは、幾多の共通項目を厳しく比較するため、どうしても評価の対象は大手の有名サイトに限られる。 一方、利用者からの投稿や投票によって格付けを行うサイトでは、マイナーなサイトを網羅している点が特徴だが、マイナーなサイトほど評価の公平性について疑問に感じる面もある。マイナーサイトを評価する人は、評価サイトに投稿したり投票することで、サイト運営者を応援しようという気持ちが強いので割り引いて聞く必要がある、という意見がある反面、あまり知られていないサイトをひいきにしているということは、これまで多くのサイトを利用してきた「オンラインショッピングの達人」と思われ、そのような人の言葉にはむしろ重みがある、とする解釈もありそう。 レーティングと聞けば、チェスの棋力判定方法を連想する人も多いかもしれない。相対的な実力を示す指標として優れている点も多く、最近では将棋や麻雀のほか、オンラインゲームでもレーティング形式が採用されるケースも増えている。 チェスのレーティングは、もともと賭け金の公平なオッズを算出することが原点になっている。対戦相手との持ち点の差から、予想される勝率を計算して期待値を等しくしようという考え方である。つまり、持ち点=棋力が上位の者は、下位者との対戦では勝率が高い代わりに、負けると多くの点を失う。対局ごとに持ち点は変動を繰り返すが、30局くらいこなすと、おのずと持ち点は実力をほぼ正確に示すようになる。 チェスのレーティングの仕組みを、そのまま EC サイトのレーティングに適用することはできないが、たとえば、購入する際にどのサイトを比較検討の対象にしたか、サイトを知るきっかけが何だったかなどを評価の対象に取り入れることができれば、ユニークな指標が作れるのではないかと、無責任に想像してみた。いずれにしても、サイトの格付けについては、専門家の分析に加え、利用者の行動や満足度も加味した上で、他のサイトと数値でシビアな比較ができてこそ意味があるように思う。
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