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2006年3月10日 14:00

Apple の新たなコンテンツ販売形態は、期間契約型か否か

著者David Millerオリジナル版を読む海外海外発
Apple Computer が、音楽/ビデオコンテンツ販売サービス『iTunes Music Store』(iTMS) で、新たにサブスクリプション型 (期間契約型) のコンテンツ販売形態『Multi-Pass』を導入した。ただし、一般的なサブスクリプション制とは多少異なる。

メディア大手 Viacom 傘下のコメディ専門放送ネットワーク Comedy Central が Apple と提携し、iTMS 内で番組を販売するのに合わせ、Multi-Pass の提供が始まった。Multi-Pass で購入できるのは、風刺のきいたニュース風コメディ番組『The Daily Show with Jon Stewart』と、その関連番組『The Colbert Report』だ。

発表によると、Multi-Pass によって、翌月放送分にあたる16本を購入できるという。iTMS 上の説明では、最新話1本と今後放送する15本を購入するものとなっている。価格は9.99ドルだが、Multi-Pass をサブスクリプション型の販売モデルと考えるなら、この金額が「契約料金」だ。Multi-Pass を「契約」した場合、対象期間 (本数) のエピソードが iTMS 上に登場次第、自動的にダウンロードする。もちろん1本単位でも購入でき、その場合、各エピソードの価格は1.99ドルだ。

iTMS では、これまでもテレビ番組について「シーズン」単位のパック販売を行なっている。Multi-Pass もこうしたパック販売の一種と考えられるが、iTMS 上で未提供分を購入するという点が従来のパック販売とは異なり、サブスクリプション型の要素を備えているといえる。

「シーズン」単位のパック販売と同じく、Multi-Pass も1本単位より割安価格で購入できる。単価1.99ドルのエピソード16本を9.99ドルで購入すれば、22ドル近く割安で、かなり大きな値引率だ。Multi-Pass には、こうした消費者メリットとは別に、コンテンツ販売側、すなわち Apple と Comedy Central にとってもメリットが存在する。それはサブスクリプション型の販売形態全般に共通するが、単品販売のみの場合、1本購入したからといって、同じ消費者が今後提供する分も続けて購入すると見込む訳にはいかないのに対し、サブスクリプション型で販売すれば、売上の見通し性が良くなる。

Apple の CEO (最高経営責任者) Steve Jobs 氏は長い間、デジタルコンテンツ販売で競合する NapsterRealNetworks の『Rhapsody』サービスなどが力を入れてきたサブスクリプション モデルについて、批判的だった。そしてコンテンツ1本単位の売り切り制を用いる iTMS で、大きな成功を収めている。

一点触れておかねばならないのは、Multi-Pass と一般的なサブスクリプション型契約モデルとの違いだ。通常デジタルコンテンツ販売サービスで、サブスクリプション型の固定料金契約を結んだ場合、契約を解除した後はダウンロードしたコンテンツを利用できない。つまり、一定期間内のコンテンツ利用権を販売するという考え方だ。一方 Multi-Pass は売り切りのため、ユーザーは購入したコンテンツを、現物購入した CD や DVD と同じように「所有」できる。

Apple がサブスクリプション制を導入するのではという噂は、かねてより出回っていた。Microsoft のサブスクリプション制オンラインゲームサービス『XBox Live』を手がけた Julia Miller 氏の Apple 移籍が、噂のきっかけだった。

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