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EC×SNS の本命か、好調アパレル EC サイト「ZOZOTOWN」スタートトゥデイ代表取締役社長の前澤友作氏は異色な経歴を持つ。メジャー2枚、インディーズ4枚の CD を出し、しばらくはバンド活動と会社経営の二足のわらじを履いていた。「会社経営の方がクリエイティブだったから」と、本格的にビジネスに乗り出した後オープンしたのが、アパレル系オンラインショッピングタウン「ZOZOTOWN」である。
同社が先月発表したファクトシートによれば、10月の流通高は過去最高の11億円、今期の流通高は100億円に届く勢いだ。同サイトは2004年12月にオープンして以来、急成長を遂げている。 取り扱いブランドの8〜9割は、ZOZO でしか購入できない原宿や代官山を拠点とする人気ブランド。すべてメーカーと提携し、公式に取り扱う。ショップ数は現在81店舗、ブランド数は600にものぼる。毎日500点以上の新商品がサイトにアップされ、2、3日中には売り切れるという。 店舗が横方向に並ぶ ZOZOTOWN に加え、今年9月には縦にスクロールする塔のようなショッピングタワー「ZOZOTOWER」をオープン。同時にサイト内でのコミュニケーション促進を狙い、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)も開設した。 ■ リアルに近づけたサイトで魅せ方にこだわり トップページの街並みに店舗が軒を連ね、その頭上には時間帯によって青空や夕空、夜空が浮かぶ。サイトの特徴はリアルの“かっこよさ”をそのまま再現したインターフェイスだ。出店する各店舗のアイコンは、一つ一つ個別のデザイン。アパレルメーカーのブランド感をネット上にそのまま持ち込んだ。店舗のアイコンをクリックすると、それぞれのショップの店内をイメージした背景が表示されるというこだわりようだ。
ただ効率的に商品が検索できればいいというわけではない。ロングテールという言葉が聞かれるようになって久しいが、ことファッションアイテムとなると、商品の魅せ方も大きなポイントとなってくる。ブランドイメージを最大限に詰め込んだリアル店舗を運営しているアパレルメーカーや、そのようなショップを訪れた経験のある若者は、商品が羅列されているだけのサイトには物足りなさを感じるだろう。 前澤氏はこう語る。「CD や本はメーカーさんもどんなサイトに置かれようとあまり気にしないと思いますが、洋服になってくるとメーカーさんの売り場に対する意識は強いです。ただ並べるのではなく、そのブランドの価値観をなるべく前面に出していきたい」 ZOZO のオープン以前から、7年かけて出店を説得したブランドもある。以前は、売れないと決め付けられ、笑われたことも。「ようやく徐々に動きだしてきた。変わってきたのはこの2、3年くらい」と前澤氏。ブランドに支持される理由はシンプルで、「本当に好きなスタッフが営業に行けば気持ちが通じる」と言い切る。出店ブランドを選ぶ基準も「好き」の一点。バイヤーが自分の目についたブランドに声を掛けている。 会員数は非公開だが、購入者は先月で20万人を超えた。ユーザーから支持される理由について、広報の安田氏は、「一番はお客様と取引先と弊社の価値観が共通していること。皆いいと思うものが同じで、お客様に一番近いところで商品を販売することができている」と述べる。 購入者の年齢層とスタッフの年齢層が一致していることがその証拠かもしれない。スタッフの平均年齢は24.5歳、特にバイヤーと呼ばれるスタッフには25、6歳が多い。それに対し購入者の平均年齢も26歳であり、バイヤーが自分の好きなものを仕入れてくれば、同じような目線のユーザーがそれをニーズとして認める。これが購入リピート率54.6%の背景だ。 ■ ファッションアイテムの口コミが集まる SNS 「ZOZORESIDENCE」 洋服が好きなユーザーが多数集まれば、コミュニティの構築は当然の流れ。9月にオープンした SNS 「ZOZORESIDENCE」は完全招待制で、その名の通り、マンションのような居住型 SNS だ。
同サイトは日記やコミュニティ、メッセージといった一般的な SNS の機能のほか、自分の趣味趣向をアピールできるクローゼット・シェルフ機能が特徴。気に入っている洋服や最近聴いてる音楽などを、マイルームと呼ばれる自分の部屋の中にディスプレイすることができる。これらのアイテムを使って自分だけのコーディネートを作成したり、レビューを書くといった利用も可能だ。他人の部屋を訪れるとその人の趣味趣向がだいたいわかるようになっている。
部屋に置いてあるアイテムはリンク先で購入できる。洋服関連の商材についてはすべて ZOZO のデータベースを利用、CD や本はアマゾンの API を使っている。ZOZORESIDENCE の住人の多くが自分の部屋に好きな洋服を飾っており、それを経由して購入する住人も多いという。要は顔の見える口コミである。 部屋数が限定されているため、現時点で第1号棟に空き部屋はない。招待されながら第1号棟に入居できなかったユーザーは、ZOZORESIDENCE とほぼ同等の機能を持つ「プレルーム」というスペースで第2号棟の完成を待っている。「ZOZORESIDENCE によって新規会員を獲得しようとは考えていない」と前澤氏が語るように、最近の SNS にしては登録のハードルが高く、闇雲にユーザーを増やす気はないようだ。 今から ZOZORESIDENCE に入居するには、第1号棟またはプレルームにいるユーザーからの招待状が必要となる。今後は携帯電話にも対応させていく予定だという。 購入した商品の口コミや、サイトに対するロイヤリティ向上、滞在時間の増加など、EC サイトと SNS の相性は抜群に良い。特に ZOZO の場合、主な顧客層である若者は SNS に対する認識も高い。ZOZORESIDENCE で商品を認知し、ZOZOTOWN または ZOZOTOWER で購入、そしてまた ZOZOREIDENCE で情報共有を行うことになれば、ネット上の購買モデルとしておなじみの AISAS を同一サイト内でカバーすることになりそうだ。 今後 CGM を始めとした Web2.0の恩恵を享受するのはこのような EC サイトだろう。広告収入以外に自社サイト内でマネタイズできるのは大きな強みである。ハイエンドなアパレル EC サイトとしての成功例のみならず、今後は EC×SNS の急先鋒としても目が離せない。
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