ハートビート:日銀が株式購入【上】【日銀政策決定会合で決定】 米国同時多発テロから1年たった先週の11日をはさんで、世界的に重要なニュースが相次いでいる。対イラク戦に向けたブッシュ大統領の国連演説、日米首脳会談、週明けの日朝首脳会談となって、18日は日銀の政策決定委員会が開催された。大方の見方では、日銀はこれまでの金融政策を維持するだけの内容にとどまるだろうとの見方が強く、さしたる注意を払っていなかったというのが事前の予想ではあった。しかし予想に反して、東京株式市場は急激に値を戻した。大引け間際に流れた各ニュースによると、日銀が金融機関の保有株式の削減を円滑に進めるべく新たな施策の導入を検討することを決定した。金融市場の調節目標は、当座預金残高を現行の10兆円から15兆円程度に据え置いており、現行維持のままであった。景気対策、貸し渋り対策はそのままにして、株式市場への直接的に関与する方向性だけが明らかにされた。 【マーケットの見解は否定的なものが多い】 日銀による大胆な政策転換に対して、さっそくエコノミスト各氏の見解が各種メディアによって盛んに伝えられている。それらをまとめてみると以下のようなものに集約される。量的緩和を導入した昨年3月以降、日銀は当座預金残高の拡大や長期国債の買い切りオペ増額を続けていた。しかしこれらの政策はほとんど効果がないことが日銀内部でもコンセンサスとなっており、ここにきてついに日銀は大きく方向転換を行うことになった。 日銀は今後、RCCへの資金供給など、政府の不良債権処理を資金面からサポートすることを政策目標にしてゆくものと考えられ、「景気刺激のための金融政策」よりも「金融システム対策」を重視する姿勢をより鮮明にするものと見られる。 しかしここでの問題は、これまで銀行サイドにあった株式保有リスクが日銀サイドに移されることがある。銀行からすれば期末の株価に一喜一憂しなくて済むようになるわけだが、日銀が保有する資産の健全性という観点からみれば、今後は日銀そのものが銀行に代わって市場リスクに大きくさらされることになる。このリスクを日銀はどうやって管理してゆくのか、現時点では判明していないが、おそらく政府サイドからも何らかの措置が発表されることになり、それとの政策パッケージとして機能することになるのだろう。
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