| Webファイナンス | 2002年10月28日 00:00 |
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ハートビート:2つの対極的なニュース【上】 著者: 鈴木一之 オリジナル版を読む ▼2002年10月28日 00:00 付の記事 □Stockcampus発のコラム 【トヨタ・日産と銀行株、どちらを選ぶか】 先週24日の日本経済新聞1面には2つの大きなニュースが踊った。 まず6段ブチ抜きのトップ記事で「金融・産業再生策の竹中案全容 不良債権、別勘定に分離」が掲載されており、同時にその隣にはやはり5段ブチ抜きで「トヨタ経常益7600億円 9月中間 日産も倍増3230億円」が大々的に取り上げられている。かたや大手銀行を生きたまま解体する案が竹中チームから提示され、もう片方では日本の産業史上初めて一企業の中間利益が7000億円突破を伝えている。これほどまで両極端な内容が同じ日に同じ目線で報じられることも珍しいが、まさにこれこそが今の日本経済の断面であるように思える。 アメリカの消費拡大の恩恵を全面的に受ける日本の自動車メーカーは、昨年に続いて今年も猛烈な利益を稼ぎ出している。売上の拡大とコストカットを同時に進めた結果、トヨタの中間期の連結経常利益は7600億円、同じく日産自動車も3230億円に達する。日産は、日産にとっての「失われた90年代」を猛烈な勢いで取り返しており、国内第2位のホンダを急追。最悪期となった98年3月期には営業利益で日産840億円:ホンダ4620億円と5.5倍の水を開けられていたものを、今期目標は7200億円まで引き上げてホンダと同額を狙うまでに至っている。 【日産自動車がまたまたサプライズ】 今回の決算発表で注目すべきは日産の配当政策である。筆頭株主にルノーが44.3%保有していることもあり、日産は当初の8円配当の予定を年14円配当に引き上げ、さらに2005年3月期にはこれを24円配当にまで高めてゆく計画である。利益は出ても「記念配」でわずかな増配にとどめている多くの上場企業を見慣れている投資家にとっては、この日産の政策はきわめて異例に映る。本日の日産自動車株は+6.0%の990円まで買われたが、下期で10円配当が取れるのならこの水準でも十分に利回り採算に乗る。 配当を出して利益を社外に流出させるか、内部留保にとどめて財務基盤を安定させるかは、経営判断ひとつにかかってくる。外国人経営者だからこそできる「過去のしがらみ」との決別によって、系列取引を崩し工場を閉鎖して大胆なコストカットを断行する。その上でマツダから大量の若手退職者を技術陣に受け入れて、ヒット車の開発に投入する。そして利益が上がってくるや否や、大胆な増配計画を発表する。 東証1部上場企業の中で、株式の売買単位が1株のものを除いて、今期20円以上の配当を予定している企業は173社あるが、それらのほとんどが花王、武田薬品、富士フイルム、キヤノン、セブンイレブン、イトーヨーカ堂のように株価が2000円から5000円台の銘柄である。1000円以下の株価で年間20円を越える配当を出しているのは、昭和シェル石油、東急リバブル、イエローハットなどほんの数社だけである。 【問われるべきは経営者の質】 カルロス・ゴーンCEOによって進められてきた日産自動車のリストラ成功物語は、幾度となく繰り返し語られてきた。それでも改めて、企業は経営者によっていくらでも変わるものであり、しかもいまだに驚きの連続である。今年5月、日産自動車を調査対象としてカバーするアナリスト諸氏から出された目標株価は1200円から1400円に集中していたが、今後の利益成長次第ではさらにその上の大台替えを狙うことも可能と思わせるサプライズである。
本情報は、投資判断の参考情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的にしたものではありません。銘柄の売買判断は必ず自己責任において行ってください。 |
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