Finance
ファイナンス
「バカの壁」を読んで
以前「灯台下暗し」というコラムで、
矛盾した考えた方が同時的に並立している状態こそ、
投資やトレーディングにとって最も大切だとお話いたしました。
しかし実際には、
「これぞ究極の投資法!」といった「何か正しい方法がある」という文脈での議論や書籍を多く目にします。
出版もビジネスですから、
やはり「売れ線」を狙うというのは常套です。
同じように、 マスメディアの一元的な議論に閉口して、 すぐにテレビの電源を切ってしまうのは何も私ばかりではないでしょう。 ステレオタイプな道徳観やナショナリズム、流行など、 全体主義を背景にしたコメントにはうんざりしてしまいますが、 彼らも商売ですから、 大多数にアピールする論法を取ることは至上命題なのでしょう。
ところで近頃、 爆発的に売れている『バカの壁』(著:養老猛司)という本を読みました。 この一元論を徹底的に蔑んだ本が記録的に売れるということは、 やはり多くの人が一元的な世界観にうすうす限界を感じていたのかもしれません。 誰かが指摘してくれるのを待望していたといった感じで、 まさに「裸の王様」を指摘した子供を見るような爽快感が、 読後に残りました。
さて、ここまで来ると察しの良い方はこの先が読めてしまうかもしれませんが、 投資も同じく一元論で語れるものではありません。 高校時代の教科書に登場するアダム・スミスの「神の見えざる手」といった美しすぎる価格理論には、 真理のある一面しか含まれていないはずです。 しかし一元的な経済教育を受けてきた我々にとって、 こうした理論を軽視することは容易ではありませんし、 第一何が一元的なのかさえ見分けるのが困難でしょう。
一元論を捨てて市場を見ると、 ありとあらゆる事象が、ありとあらゆるレベルと時間で相互に関係し合っていて、 市場の変化が発生している複雑な状態が自然な状態に思えてきます(市場の相互作用性)。 投機の巨人ジョージ・ソロスは、 この「相互作用性」を市場の認識の根底に据えているということです。 富の獲得を目的とする投資にとって、 一元論否定の受け入れは死活問題です。
投資は富獲得を前に真剣に考え抜くことで一元論が排除されますが、 現代の社会全体においても、 同様の思考のパラダイムシフトへの関心が高まっていることは、 筆者の指摘を待つまでもなく、 社会全体も同じように死活問題を意識せざる得ない状況にあるように思えます。 果たして、一元論の衰退の先には何があるでしょうか。 愚鈍な私には予想もつきませんが、 ここに大きなビジネスチャンスがあるのは確かなように思います。
(記事執筆:桜井信一郎)
同じように、 マスメディアの一元的な議論に閉口して、 すぐにテレビの電源を切ってしまうのは何も私ばかりではないでしょう。 ステレオタイプな道徳観やナショナリズム、流行など、 全体主義を背景にしたコメントにはうんざりしてしまいますが、 彼らも商売ですから、 大多数にアピールする論法を取ることは至上命題なのでしょう。
ところで近頃、 爆発的に売れている『バカの壁』(著:養老猛司)という本を読みました。 この一元論を徹底的に蔑んだ本が記録的に売れるということは、 やはり多くの人が一元的な世界観にうすうす限界を感じていたのかもしれません。 誰かが指摘してくれるのを待望していたといった感じで、 まさに「裸の王様」を指摘した子供を見るような爽快感が、 読後に残りました。
さて、ここまで来ると察しの良い方はこの先が読めてしまうかもしれませんが、 投資も同じく一元論で語れるものではありません。 高校時代の教科書に登場するアダム・スミスの「神の見えざる手」といった美しすぎる価格理論には、 真理のある一面しか含まれていないはずです。 しかし一元的な経済教育を受けてきた我々にとって、 こうした理論を軽視することは容易ではありませんし、 第一何が一元的なのかさえ見分けるのが困難でしょう。
一元論を捨てて市場を見ると、 ありとあらゆる事象が、ありとあらゆるレベルと時間で相互に関係し合っていて、 市場の変化が発生している複雑な状態が自然な状態に思えてきます(市場の相互作用性)。 投機の巨人ジョージ・ソロスは、 この「相互作用性」を市場の認識の根底に据えているということです。 富の獲得を目的とする投資にとって、 一元論否定の受け入れは死活問題です。
投資は富獲得を前に真剣に考え抜くことで一元論が排除されますが、 現代の社会全体においても、 同様の思考のパラダイムシフトへの関心が高まっていることは、 筆者の指摘を待つまでもなく、 社会全体も同じように死活問題を意識せざる得ない状況にあるように思えます。 果たして、一元論の衰退の先には何があるでしょうか。 愚鈍な私には予想もつきませんが、 ここに大きなビジネスチャンスがあるのは確かなように思います。
(記事執筆:桜井信一郎)
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