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2008年10月6日
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Webファイナンス2004年9月21日 00:00

エコノミストの評価

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出来の悪いファンドマネージャーほどエコノミストを頼りにする。もっとも神々の確率とも言われる相場を相手にするのだから、己の限界を知り、専門家の話に謙虚に耳を傾けるというのは確かに大事なことだ。しかしものには程度と言うものがある。相場から見放され始めると、それこそ溺れるものは藁をも掴むが如く、片っ端からエコノミストに電話を掛け捲り、魂の救済を求めるのがファンドマネージャーという生き物である。

当たり前のことであるが上手くいっている時は違う。それこそ罰が当たりませんように、と高慢を戒めてはいるのだが、その実エコノミストなど頼りにはしない。自分の目が良く見えているものだから、はずれて何も見えなくなっている連中や、焦点の合っていないエコノミストが馬鹿に見えてしょうがないのだ。

しかし世の中と言うのは皮肉なもので、この相場に関しても、あたっている人と外れている人の数を比べれば、これが圧倒的に外れている人のほうが多い。選挙でもすれば間違いなく外れている人達を救済する措置がまかり通ってしまうに違いない。典型的な、資本主義vs民主主義という構図だが、最近これが思わぬ事態を引き起こしている。

ファンドマネージャーと違いエコノミストにはトラックレコードと言うものがない。だから厳密に判断すれば、彼らは自分の言説に金銭的責任がないのは周知の事実だ。くるくると宗旨替えをしても一向に恥じることなく、全て自分の予想した通りと動じなければ良い。

では何が彼らの評価を決めるかと言うと、これが先ほどのファンドマネージャー達の人気投票なのである。大手新聞社とそのグループによる機関投資家向けアンケートと言うのがそれで、毎年恒例のこの調査結果次第で並み居るエコノミスト達の年俸が駆け上がる。人によってはこれを機会にもっと自分を高く売ろうと転職の材料にする始末である。

だがここで冷静に考えてみてもらいたい。投票するファンドマネージャーのうち、大多数を占めるのはあたらない人達である。彼らのお気に入りのエコノミストは、外れた自分を慰めてくれ、一緒になって顧客への言い訳を考えてくれる人である。こうして人気投票が進むのだが、誰もその結果の責任を取らないところでこの品定めが行われているのだから恐ろしい。こんなやり方でエコノミストの淘汰が進んでいるとしたら、リサーチ分野での将来は暗い。

事実、ここ数年のエコノミスト達の予測力の低下は甚だしい。彼らに言わせればそれなりにもっともらしい原因を見事に説明してくれるのだが、それで何か進歩したかと言えばレポートの体裁が奇麗になったことぐらいである。

ただこれには訳がある。長年彼らが得意としてきた“景気循環”と呼ばれる経済現象がなくなったのである。そもそも景気循環とはかつての大規模な公共投資や、企業の調子に乗りすぎた在庫投資のツケなどから発生する代物だが、それがここ数年おきてはいない。

それもそのはずで政府はもう金輪際公共事業をやりたくないし、数々のバブルに懲りて企業の在庫は売り上げに関係なく低下する一方である。これでは循環も発生しようがない。

ところがこの循環がないとエコノミストは日々の仕事がない。変化なし、とレポートに書いていては自分の存在意義が疑われる。かくして彼らは無理矢理にでも小さな変化を誇張し、大袈裟に表現することで市場の関心を呼ぼうとするのである。目的とするのは人気投票で1位をとること。そのためには分かりやすく斬新なキャッチフレーズが必要となる。

どうやらエコノミストは経済分析のコピーライターと呼べる時代になってしまったようである。

(記事執筆:岡崎良介)

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