Microsoft (NASDAQ:MSFT) は21日、次期クライアント OS『Windows Vista』の消費者向け版について、今年のホリデーシーズンに間に合わず、2007年1月の発売になると爆弾発表を行なったが、これに関連して、Windows 担当部門の幹部人事が行なわれるとの報道が流れた。Microsoft はこの件について、コメントを拒否している。
一方専門家たちは、Windows Vista のスケジュールにまたもや遅れが生じたことで、一般消費者と企業にどのような影響が出るか分析を進めている。
Microsoft の一般消費者向け版 Vista 発売予定延期発表から明けて22日、同社 Platforms Products & Services 部門共同社長 Jim Allchin 氏の異動を示唆する複数の観測記事が流れた。
Allchin 氏の後任を、『Office』担当副社長の Steve Sinofsky 氏が引き継ぐという『Wall Street Journal』紙の報道について、Microsoft 広報は否定も肯定も避けた。
Microsoft 広報の Jessica Crozier 氏は取材に対し、「現時点で提供できる情報は何もない」と述べている。
Microsoft の口は重いが、アナリストらは幹部交代の憶測が流れていることについて、当然との見方を示している。調査会社 Gartner のアナリスト David Smith 氏は、今回のような重要な期限に間に合わない場合、幹部交代は予期できると述べた。同氏は、一般消費者向け Vista 発売延期の発表について、失望感を呼ぶものと評している。
ハイテク業界のコンサルティング会社 Enderle Group 社長の Rob Enderle 氏は、「これは明らかに (Microsoft) 固有の問題だ」と述べた。Microsoft は開発コード名『Longhorn』で Vista を発表した当時、2005年には発売する予定でいたが、結局間に合わなかった。Enderle 氏によると、今回の失策には社内の刷新が必要という。
Microsoft の技術に関する分析誌を刊行している Directions on Microsoft の調査担当ディレクタ Rob Helm 氏は、「Microsoft も痛みを感じることになる。デスクトップパソコンで稼働している Windows の80%以上が、パソコンの新規購入によるものだからだ」と語った。同氏によると、Vista 発売待ちのため、パソコンの販売数が減少しつつあるという。
Microsoft が受ける「痛み」とは、どの程度のものだろうか。金融分析会社 S.G. Cowen は、今回の遅れの結果 Microsoft が2007年に負担するコストについて、総額8億4500万ドルに及ぶ可能性があるとの試算を示した。
一方、最も悪影響を被るのは小売業者とするのは、IT 情報分析会社 Pund-It のアナリスト Charles King 氏だ。小売業者はホリデーシーズンの売上に大きく依存しており、今年の目玉は Vista と見込んでいたためと、同氏は語る。
Microsoft は21日の発表で、企業向け版 Vista の方は予定通り進んでいると強調したが、アナリストらは、実質性の伴わない話と切り捨てた。それは、多くの企業が新製品導入にかなりの時間をかけるためだ。
Microsoft は、1月まで一般消費者が確実に待ってくれるよう、どんな手を打つだろうか。
同社が多大な宣伝と優待を展開するだろうと、Enderle 氏は語る。パソコン購入時に Windows Vista が無料で付属したり、さまざまなバンドル提供や懸賞など、一連のプロモーションを実施するとの見方を、Enderle 氏は示した。