ストレージセキュリティ会社 Kasten Chase が事業閉鎖へデータセキュリティの草分け的存在 Kasten Chase は5月31日、破産申請と事業運営停止を発表した。
同社は、遠隔データアクセスのセキュリティソリューション『RASP』から、ストレージセキュリティ製品に主力事業の移行を図ったものの、ストレージセキュリティ事業が十分な勢いで成長しなかった。同社が4月に発表した第1四半期決算は、売上が10万ドルで、純損失が110万ドルという内容だった。また、同四半期末時点の現金保有額は60万ドルとなっていた。前年同期の業績は、売上70万ドルで、純損失200万ドルだった。したがって、損失幅はかなり圧縮できたものの、売上の大幅な落ち込みが目立つ決算内容となっていた。 カナダのトロントを拠点として30年の歴史を誇る Kasten Chase は昨年、業績回復に向けて好位置についたように見えた。それは、データ満載の磁気テープ紛失やデータベース漏洩といった事件が起き、ストレージセキュリティの問題が最前面に浮上したためだ。しかし、同社 CEO の Michael Milligan 氏は3月に行なった電話会見で、ストレージセキュリティ市場の成長が鈍かったことに対して失望感を表明した。 ハイテク業界の分析会社 Enterprise Strategy Group の情報セキュリティ担当上級アナリスト Jon Oltsik 氏は、次のように述べている。「Kasten Chase は、まだストレージセキュリティ市場の売上規模が非常に厳しかった時期に参入してしまい、事業を継続できるほど、直接販売や OEM 契約の売上を得ることができなかった。同社が事業をたたむのは実に惜しい話だ」 ストレージ分野の分析やコンサルティングを手がける StorageIO Groupe の創設者兼上級アナリストの Greg Schulz 氏は、ストレージセキュリティ市場について、まだ「初期段階」にあるとし、次のように述べた。 「(ストレージセキュリティ) 市場は存在する。同市場が拡大し、本格的な需要と購買活動が生まれ始めるのは時間の問題だ。Kasten Chase に関しては、資産整理でどの企業が同社の知的財産を拾い上げるか、興味深い」 Schulz 氏は、まだ複数の専門企業がストレージセキュリティ市場に存在すると指摘した。たとえば、CipherOptics、Innovation Data Processing、Luminex、MaXXan Systems、NeoScale Systems、Vormetric といった会社だ。また複数大手も同市場に参入している。 こうしたストレージセキュリティ製品を手がける企業が、軒並み業績不振に苦しんでいるわけではない。Network Appliance は昨年 Decru を買収し、直近の第4会計四半期 (4月30日締め) 決算で約900万ドルのストレージセキュリティ売上を計上した。そして同社のストレージセキュリティ売上は、事業全体の成長率に比べ、かなり高い伸び率を示した。 関連記事 最新トップニュース
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