国内外のインターネット関連株価の急下落問題に関係者、各種メディアおよび一般のユーザー
が
高い関心を寄せている中、東証マザーズなどのインターネット銘柄をいくつか取り上げ、通常
と
異なる視点で分析してみた結果、あることが明らかになった。
急落が一番激しいのが
サイバーエージェント
である。その下落ぶりはすさまじく、株価は公募価格の3割まで下落している。他も
軒並み安でオン・ザ・エッヂが37%、クレイフィッシュが51%と続く。
サイバーエージェントの数字を分析してみると、現在の時価総額208億円は
資金調達した225億円より少ないことに気づく。実際に会社に残る資金は、証券会社に対する
手数料(約18億とみられる)などを考慮しても、直近の四半期決算の数字の180億円の
現金および23億円の保証金、投資有価証券4億円などを合せた207億円と時価総額が
ほとんど同額になってしまう。
(株)サイバーエージェント
(マザーズ:4751)
株価 460万円(公募価格の30.6%)
時価総額 208億円
公募価格 1,500万円
2000年6月20日終値ベース
(資金調達額は公募株数 X 公募価格の単純乗数) |
公募株数 1,500株
公開時主幹事:大和SBCM
資金調達額 225億円
(株)オン・ザ・エッヂ (マザーズ:4753)
株価 220万円(公募価格の36.7%)
時価総額 287億円
公募価格 600万円
公募株数 1,000株
公開時主幹事 大和SBCM
資金調達額 60億円
|
(株)クレイフィッシュ (マザーズ:4747)
株価 672万円(公募価格の51%)
時価総額 683億円
公募価格 1,320万円
公募株数 1,000株
同時に米国市場で24.5ドルで435万株を売却$1.07億調達
資金調達額 250億円
|
(株)リキッドオーディオ・ジャパン(マザーズ:4740)
株価 239万円(公募価格の79%)
時価総額 311億円
公募価格 300万円
公募株数 1,000株
公開時主幹事 日興ソロモンスミスバーニー
資金調達額 30億円
|
(株)インターネット総合研究所(マザーズ:4741)
株価 980万円(公募価格の83%)
時価総額 1,295億円
公募価格 1,170万円
公募株数 1,000株
公開時主幹事 野村證券
資金調達額 117億円
|
バリュークリックジャパン(株) (マザーズ:4759)
株価 3,200,000(約7%の上昇)
時価総額 50,672百万円
公募価格 300万円
公募株数 1,000株
公開時主幹事 野村證券
資金調達額 30億円
|
楽天(株) (店頭:4755)
株価 636万円(分割を加味すると約54%の上昇)
時価総額 6,278億円
公募価格 3,300万円
公募株数 1,500株
公開時主幹事 大和SBCM
資金調達額 495億円
|
このサイバーエージェントの調達額と株価の逆転は、現状の事業価値
(エンタープライズバリュー)に対する市場の評価が、ゼロもしくはマイナスであることを
意味している。この算定方法は会社をM&Aする際によく使われるが、簡単に述べると
現在の株価でサイバーエージェント社を買収できるならば、彼らの調達したお金で
その買収資金を支払ってもお釣が来るという図式なのである。
これとは正反対な動きを示したのは高株価を維持している楽天である。彼らのサービスに対する評価というよ
り
、優秀なビジネスマンが社長であることが評価されての株価と思われるが、
極端な例だが従業員15,000人以上の富士重工(5300億円)や
三菱自動車工業(3800億円)よりも高いのである。
この株価を維持できればひところのソフトバンクや光通信の様な高株価で成長し、
その成長で高株価を維持する図式が可能だと思われるが、現状彼らの業界での位置から
すると、厳しいかも知れない。今月、同社はインフォキャスト社の19.4%を
2.1億円で投資(11億円のバリュエーション)して多角化を急いでいるように
見えるが、大型買収などを行わないかぎり、株価を正当化するのは難しくなってくると思われ
る。
このような歪んだ市場になっているのは、必ずしも当該会社の責任だけとも言えない。
証券会社(新規公開会社の市場調達額の7〜8%を享受している)が目先の手数料を得るために、
高株価で放出し、長期の市場育成を阻害する、あるいは、市場での株価の上下だけを
気にするような業界の体質に問題がないとは言えない。
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