NTT の Verio 買収は、日本における通信料金の引き下げが条件通信最大手、日本電信電話株式会社(NTT)
(NYSE:NTT)のグルー
プ会社、NTT コミュニケーションズ株式会社が、米国のウェブホストプロバイダー Verio 社
を現金55億ドルで買収する案件について、米国外国投資委員会(CFIUS) が調査を開始した。
本件は「特別扱い」として処理されているものの、このような場合、動機に裏があるのが常であ る。このようにヒントを辿っていくと、興味深い真実が見えてくる。 1988年の Exon-Florio 修正案によると、CFIUS は、海外からの投資が米国企業に対して行わ れる際、案件を詳細に審査したり却下する権限を持っている。 当委員会の調査で、海外からの 投資が国家安全保障上脅威になるとみなされた場合、米国大統領に報告し、投資案件は中止にな ってしまうこともある。しかし、困ったことに、ここでいう「国家安全保障」とは、Exon- Florio によって明確に定義されているわけでないので、CFIUS がゲシュタポまがいの性格を色 濃く残してしまっていることだ。 今回も、不自然なほど急に買収審査が行われたが、ここにも、必然的な経緯が見え隠れする。 日本政府に大半を所有されている NTT は、日本の地上通信の大半を支配している。米国は、 NTT が 独占している通信料金の引き下げ問題で、長期に亘り交渉を重ねてきた経緯がある。 連邦議会は、Verio 買収と接続料金引き下げを飴と鞭で使い分けるよう米国政府に圧力を かけている。立法関係者はせめて NTT の通信料金の40%を値下げするよう求めているが、長年 の独占状態から抜けきれない NTT は、値下げは4年間で23%と当然のように反撃している。 NTT コミュニケーションズ事業は、親会社の NTT から独立して運営されているにも関わらず、 同社の運営は、今や NTT と同形態になっている。NTT コミュニケーションズは今回の Verio 買収案件で人質としてとられており、CFIUS の調査は難航した米国側の政治的カムフラージュ であることは明らかだ。 しかし、この効果はてきめんだったようだ。CFIUS によって Verio 買収の調査を受けたこと で、NTT は、その一時間後に 記者発表を行い、接続料金引き下げ交渉を早めることに異論はな いと発表したのだ。 これを受けてか Verio の株価は下落し、ニュースの影響でリテール投資家には10%のカットが 余 儀なくされ、今でも回復基調に至っていない。 今回の事件は、巨象が争うと草が踏みつけられることになるということを、我々に教えてくれた と言えよう。 関連記事 最新トップニュース
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