インターネットによる宅配サービス開始から5ヶ月もしないうちに、
Food.com はシアトル支社閉鎖を決定した。社員の半数をリストラし、オペレ
ーションをサンフランシスコ本社に統合、CFO 及び COO も退任する。有力企業を株主に持つ同社は、コンサルタント
の
助言を受けながら、失敗に終わった Kozmo まがいのビジネスモデルから足を洗い、より儲かるビジネスを発掘しようと
している。
設立間もないベンチャー企業の Food.com は、
Kozmo や
UrbanFetch などの当日配達のビジネスモデルをひねり、オンライン最
大手のテイクアウト宅配サービスを目指していた。
オンライングローサーの Webvan
(
NASDAQ:WBVN) や Peapod.com
が主に食料品の宅配を、Kozmo がインスタント食品やフィルム現像の宅配を取り扱う傍
らで、Food.com はレストランのテイクアウトの宅配を手掛けようとしていたのだが、この同社のレストラン事業参入
に
拍車をかけたの
は、今年3月に同意書を取り交わした、レストランの全国宅配サービスを行っている
Takeout Taxi の買収案件だった。
しかしその一ヵ月後、本案件は不問に付され、買収は実現されることはなかった。現在 Food.com は計画の練り直しを
始め、新規案件を模索している。同社にこうしたやり直しが効くのも、つい3月に受けた8千万ドルの出資のおかげだ。
このラウンドでは、リードインベスターの McDonald's
(NYSE:MCD) をはじめ Kraft Foods、
Blockbuster (NYSE:BBI) などの大物が、未
踏の地であるオンライン宅配サービス事業にこぞって参加している。中でも Blockbusterは、Food.com の全米展開を
利用
して、レンタルビデオ宅配の相乗りも狙っていた。
Food.com は、Takeout Taxi 買収劇において、12,000軒以上のレストランの宅配サービスをインターネットで利用可
能にするという計画を、土壇場になって、レストランのサイト構築、ホスティングという計画に変更したのだった。
オンラインリテーラーからオンラインコンサルタント、B2C から B2Bと、何も確立しないうちから盲目的にトレン
ドを
追い続けている同社だが、まず実績を証明することが先決であろう。
しかし、ビジネスモデルを変えたからといって、同社の外食産業ポータルは失敗したという訳ではない。事実
Food.com は、今も国内17,000軒以上のレストランとインターネットユーザーを繋ぎ、宅配なしのオーダーサービスの
提供を行っている。同社は今後 B2B 転換に向けて、メニューも注文サービスもオンラインで完備したレストランの
Web サ
イト構築に専念するつもりだ。
Food.com の不採算の原因の一つとなったのは、元レストラン支配人でフードジャーナリストの Brad Johnson 氏によ
る全国のレストランの感想などを書いた大量のコンテンツだった。同社のフルタイムの編集チーム24人や大勢のフリー
ランスライターも、100人以上のレイオフの対象になっているかは、定かでない。
全米に散らばるレストラン産業で完全なサービスを行うのは、到底無理な話しだ。Food.com が、行き詰まった挙句土
壇
場で難なく方向転換できるのも、現金に余裕があるおかげだ。
レイオフも、Takeout Taxi 買収案件のお流れの報道からすると既に予見的で、突然解雇された従業員にとっても大し
た驚きではなかったようだ。