しかし、カンファレンスの参加者からは、
金融業界では外部の想像以上に Linux のインプリメンテーションが進んでいるとの声が聞かれた。
Information Builders(IB)のパートナーマーケティングマネジャー、
Adam E. Cohen 氏は、
カンファレンス終了時に行われた IBM 主催の顧客/報道陣向けイベントのなかで、
IB の顧客では、
金融サービスよりも行政機関のほうが、
特に州や市のレベルで Linux 導入が進んでいることを明かした。
Cohen 氏は、行政機関で Linux の採用が進んでいる理由として、
コストと使いやすさの2つを挙げた。
だがその一方で、IB ユーザーによる組織全体レベルでの Linux 導入については、
金融サービスが行政機関に次ぐ第2位であることも指摘した。
CiRBA の営業担当者も、
金融業界で Linux の利用拡大が進んでいるとの感想を明かした。
実際、同社製ソフトウェア全体の60%が Linux 上でインプリメントされているという。導入例は、Red Hat と Novell SUSE Linux がほぼ半々だという。
「われわれのソフトウェアの大半は Linux 上で動作しているが、
これは(RISC ベースの)Sun や HP のサーバー上での変更に対応する目的でも利用されている。
しかし、(RISC ベースの)UNIX のほうがプラットフォームとしての歴史が長い」(CiRBA の営業担当者)
しかし参加者らによると、
銀行などの各種金融機関では Linux の利用を公言したがらないようだ。
「本当に必要なのは、(主力銀行が)『当行は Linux を利用している』と積極的に名乗り出ることだ」(Cohen 氏)
一方最近では、
ロンドンの Lloyd’s が Linux ではなく Windows を導入する判断を下した問題や、
SCO の顧客が提起した訴訟は、
同社が AutoZone の追求に踏み切るまで Bank of America が被告だったという疑惑に焦点を当てた報道もいくつか見られる。
主要ベンダーが金融サービスでの Linux 導入に大きく期待していたのは、
わずか2年前のことだ。
この業界は有望技術を早期導入する、というのが従来の見方だった。
たとえば2002年には、
Reuters Market Data Services が Linux に移行するとの計画を、
HP、Intel、そして Red Hat が発表していた。
その年 IBM は、
マンハッタンのオフィス内に Linux Center を開設している。
一部のアナリストは当時、
金融業界による Linux 導入の最大の障害として、
スケーラビリティとアプリケーションを挙げていた。
Wall Street カンファレンスのあるセッションでは、
BMC Software の Virtualizer Products Group ディレクター、
Bruce Talley 氏と、Scalent Systems の共同創業者兼 CTO(最高技術責任者)、
Chandy Nilakantan 氏が、
両社のソフトウェアが Linux 上で動作することをそろって言及した。
導入の妨げがまだあるのだろうか?
Linux とオープンソースの法的問題に対する懸念が新たな障害になっているようだ。
また、技術サポートの問題もあるかもしれない。