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2007年12月3日 09:00

LPIC は Linux 技術者認定のデファクトスタンダード

国内 LPIC(Linux Professional Institute Certification)受験者数が10月末日現在で8万4,000人を突破、 また、国内各レベル別認定者は10月末現在で、 Level1 が2万2,000人を突破、 Level2 が5,300人を突破した。

そこで、これを機に、 LPI-Japan 理事長の成井弦氏にお話を伺った。 以下はその要約である。

■LPIC、Linux 技術者認定のデファクトスタンダードに

LPIC は、 現在では Linux 技術者認定のデファクトスタンダードになっている。

NEC、富士通、日立などの企業においては、 社内技術者が取得すべき認定としてまたは推奨資格として認知されている。 またこれらのグループ企業の中には、新卒者が4月入社から数か月以内に Level1 の取得を義務付けているところもある。

これらの企業の関連会社にも、 LPIC は認知の裾野を広げており、 日立システムアンドサービス、 ウェブテクノロジー、 協和エクシオ、 NSISS、 NTT コムウェア西日本などでは、 企業 Web ページで LPIC 取得者数を公開している。

今年9月の受験者数に関して言うならば、 単月で昨年より20%増加している。 Linux ベースのシステム構築、ソフトウェア開発が増加していることが、 受験者数増加の要因だろう。

■新たに開始された Level3 はまだまだ難関

1月に発表した Level3 は、 Linux、UNIX、Windows という混在環境での技術力をチェックする試験だ。

これは、 企業で現実に使用されている大規模サーバー環境には、 この3つの OS が混在していることが多いことから、 特に日本の企業ユーザーの希望を入れたものだ。

しかし、 Level3 に関する参考書はまだ存在していない。 Level3 の合格者数がまだ2桁台にとどまっていることからわかるように、 現時点ではかなりレベルの高い技術者でないかぎり、合格できないようだ。

Level1 では、 基本的な操作とシステム管理、 Level2 では Linux サーバー上でのシステム構築とネットワーク構築、 Level3 Core では、 Linux による大規模システム構築と踏み込んだ用途向けのシステム構築、 および Linux による認証システムの構築、キャパシティプランニングなどが求められる。

さらに、 Level3 の Specialty Mixed Environment では、Windows、UNIX、Linux の混在環境の構築が求められる。

■他のベンダーによる認定試験と LPIC との関係

アプリケーションベンダーで見ると、 主に Oracle や Sun(Java 認定)は補完の関係にある。 OS に関しては Linux の LPIC をもっており、 その上で動く Oracle DB の認定や Java の認定も持っている、というように。

Red Hat やターボなどの OS ベンダーが行っている資格認定は、 認定資格者が何人いないと各 OS の代理店になれなかったりするので、 そのような観点から資格をとるユーザーが多いと思う。

LPIC では現在、組み込み系に特化した認定試験は行っていないが、 組み込み系であっても Linux の基本的な部分は同じなので、 LPIC を受験している組み込み系の技術者は多数いる。

■Linux 普及を阻む教師不足

最近では、 山形県寒河江工業高校の例のように、 これまで Linux 教育を行っていなかった高等学校でもLinux 教育を開始し、 最終目標として Leve1 の受験と合格を設定しているところがある。 ここでは3人の学生が合格した。

これに触発されて、 山形県の他の学校や他県でも同様のことをやろうとしているようだ。 認定資格を持っていれば就職には有利だろう。

一方4年生の大学は、 工業高校や専門学校との違い、実利的な教育はあまり行わないので、 たとえば東海大学などでは LPIC を講義の中に取り入れつつあるが、 全国の大学に普及し始めるかというと、なかなかそうはいかないのが現状だ。

大学において Linux の普及が思うように進まない要因のひとつには、 現在の大学には コンピュータの OS を教えることができる教師が非常に少ないこともあるだろう。

情報工学系の講座のある大学でも、 Linux を教えたいのに教師がいないので教えられないという大学は結構ある。

1960年代にベル研で UNIX が開発された後、 DEC のコンピュータは AT&T の UNIX をソースコードとともに販売されていたので、 東大、京大、阪大などの日本の各大学は、 UNIX のソースコードを簡単に入手できた。

したがって1970年から1990年代の中ごろまでは、 情報処理学会誌には、 UNIXのソースコード分析や、 それぞれの使用目的に合わせた改良の文献が多数掲載されており、 日本の大学や大学院では、 UNIX ソースコードを使い、 学生に OS を教えていた。

ところが、 Sun が Sun OS をクローズドソース化してさまざまな機能を取り入れ始めたことから、DEC、IBM、HP などが OSF (Open Source Foundation) という団体を作り、対抗したが、オープンソース化の観点からはうまく機能しなかった。

そこで IBM は AIX、 HP は HP−UX、DEC は Digital UNIX と、 各社がそれぞれ独自の機能を付加し始めたので互換性が失われ、 そのうえ、すべてクローズドソースになってしまった。 Windowsが発売されたが最初からクローズドソースであった。

その結果、 日本の教育関係者が教育に使用できる OS がなくなってしまった。 それ故、教えることができる人間も育てられなくなってしまったのだ。

しかし米国の場合は事情が違う。 Windows にしても、HP−UX にしても Solaris にしても、 国内で開発しているわけだから、OS 開発に携わるを技術者がいるし、 教えることもできるわけだ。また OS の分野における産学協同も盛んだ。

最近になってようやく、 Linux を教材として使った教育の動きが出てきたが、 それでも、カーネルのレベルを含めて、教えられる人は非常に少ない。

■Linux 教育者を育成する登録インストラクター

LPI の主な活動は Linux 試験の配布を通じての Linux の普及だが、 日本の OS 教育のレベルアップに貢献すべく、 Linux 教育をできる教師をの育成にも力をそそいでいく。 現在は、LPI-Japanアカデミック認定校のインストラクターを中心にメーリン グリストでの情報共有や、インストラクターの勉強会の開催、LPIC受験を目指 す方むけに技術セミナーの開催などを行っている。登録メンバーは40数名ほ ど。

多くの専門学校では Linux 教育を行いたいが、 教師がいないという現実に直面している。将来的には、そういったところをサポート出来るような制度にしていきたいという。

OS 教育のレベルをアップするには登録インストラクターが何千人というレベルにならないと無理なので、 事務局としては早急にインフラを整備する必要がある。

LPI-Japan 事務局長 成井弦氏
さまざまな企業に支えられている LPI-Japan
LPI-Japan 理事長 成井弦氏
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