japan.internet.com
LinuxTutorial2002年8月1日 00:00

Linux における DB サーバーの可用性向上

この記事のURLhttp://japan.internet.com/linuxtutorial/20020801/1.html
著者:NTTコムウェア株式会社システム本部 村中孝
国内internet.com発の記事
近年のインターネットサービスの普及に伴い、 新たなビジネスモデルのひとつとして EC サイトが増加している。 EC サイトでサービス提供する上で、システム停止は大きな損失を招き、 顧客の信頼を失うことになる。 これを防ぐ技術のひとつにクラスタリング技術がある。

クラスタリング技術とは、 複数台のサーバーをひとつにまとめ、信頼性や処理能力の向上を図る形態である。 EC サイトで扱う多様なデータのうち Web サーバーのような静的コンテンツは、 比較的容易にクラスタ技術が適用できるが、 DB サーバーのように動的に更新されるデータは、 各サーバー間でデータを同期することが重要であり、 留意点がいくつか上げられる。

今回は、システムの中心とも言える DB サーバーにおけるクラスタリングの適用形態の特徴と、 今後期待される技術について説明する。

データミラー型クラスタ

各サーバーのローカルディスクにあるデータを、 サーバー間でミラーリングを行う形態である。 対象データの更新が発生した場合に、 レプリケーション機能を使用し他のサーバーにあるデータを更新する。

クラスタリングの適用にあたり、 新たな設備を必要としないので、低価格で実現可能である。 しかし、DB がサポートしていない場合が多く、 大量のデータを扱う場合や更新頻度が高い場合は、 ミラーリングすることがボトルネックとなる。

共有ディスク型クラスタ

サーバー間のデータ同期を、 共有ディスクを用いて実現する形態である。

各サーバーからは SCSI ケーブルやファイバーチャネルで接続されるが、 共有ディスクの同一ファイルシステムを複数のサーバーからマウントして使用すると、 各サーバーのキャッシュ情報と共有ディスク上のデータに矛盾が生じ、データが破壊される。 そのため現用系/待機系といったバックアップ構成となる。

サーバーは現用系に故障が発生した場合、 業務に必要なリソースを待機系に引き継ぎ、切替えを行う。 その際のデータ同期は、現用系でマウントを解除し待機系がマウントを実行することで実現する。

安全にデータを引き継ぐことができ、 またデータ同期がボトルネックになることはないが、 比較的高価な共有ディスクが必要となる。 またサーバーには、 予想されるピーク時の処理容量をカバーする高いスペックが求められる。

並列分散型クラスタ

共有ディスク型クラスタで、 各サーバーの同時稼動が可能となったクラスタ形態。

各サーバー間のメモリ上にあるデータキャッシュをファイル I/O と比較し、 サーバー間で高速にデータ同期をとることで実現した。

これまで共有ディスク型クラスタの弱点であった、待機系サーバーが必要なくなり、 クライアントからは複数のサーバーにアクセスが可能になる。 しかし、現状では特定の DB に特化した特殊なファイルシステムに限られており、 そのファイルシステムを管理するには専門の技術が必要とされる。

今後期待される技術

現状で最も拡張性、 可用性の優れたクラスタ技術は、並列分散型クラスタである。

このクラスタ技術での更なる向上には、 ファイルシステムを DB に依存しないこと、 また管理に専門の技術を必要としないことが望まれる。

言い換えると、 Linux で一般的に使用されているファイルシステムと同様のインターフェイスを持つと共に、 データの同期による性能劣化が生じないファイルシステムが求められる。 この様なファイルシステムが実現されれば、 動的データを扱うシステムにおいても、 容易にクラスタリング技術が適用できると考える。

記事提供:


japan.internet.comのウエブサイトの内容は全て、国際法、日本国内法の定める著作権法並びに商標法の規定によって保護されており、その知的財産権、著作権、商標の所有者はインターネットコム株式会社、インターネットコム株式会社の関連会社または第三者にあたる権利者となっています。
本サイトの全てのコンテンツ、テキスト、グラフィック、写真、表、グラフ、音声、動画などに関して、その一部または全部を、japan.internet.comの許諾なしに、変更、複製、再出版、アップロード、掲示、転送、配布、さらには、社内LAN、メーリングリストなどにおいて共有することはできません。
ただし、コンテンツの著作権又は所有権情報を変更あるいは削除せず、利用者自身の個人的かつ非商業的な利用目的に限ってのみ、本サイトのコンテンツをプリント、ダウンロードすることは認められています。

Copyright 2013 internet.com K.K. (Japan) All Rights Reserved.