オープンソースコマースの光と影:パート3の1数値の考察
前々回、 前回と2回にわたってグローバル IT 市場の特性を見てきた。 そこから、Linux ベースのビジネスには、これまで成功を収めてきた一方で、 まだ測り知れない大きなチャンスがあることも確認された。 今回は、このチャンスについて掘り下げていく。 Linux の功績を明確に理解するには、 OS のマーケットシェアの変遷を見ればよい。 ここでは、同じメディアから入手した複数の Linux インストレーションを含む予測値と、 IDC の2002年の予測値を用意した(表1および図1参照)。 後者は、IBM の Sam Dochnevich が2003年11月にマサチューセッツ州で開催された Desktop Linux Conference で示したもの。 Linux サーバー市場の成長は、 NetWare や UNIX サーバーの減少分を上回っている。 また、Microsoft Windows Server のインストールベースが相変わらず成長し続けている点に留意することも重要だ。 確かに、 Linux 企業(Red Hat や Novell)が UNIX 市場に重点を置いたのは見当違いだと考えるべきだ。 Linux はこの市場で確固たる地位を獲得したが、 「Windows NT/200X サーバーに取って代わるべく、 そこに同程度の力を入れていたら、 今日の Linux はサーバー OS 市場でもっとシェアを拡大できていたのでは?」との疑問が湧くからだ。
IDC の Jean Bozman 氏は、 2004年のサーバー市場は、 金額ベースで全体的に10.9%増加したという。 Windows ベースのサーバーは、金額ベースで14.3%、 台数ベースで10.9%の伸びを見せた。 一方、Linux サーバーは金額ベースで45%、台数ベースで32%増だった。 しかし、UNIX サーバーの売上高が2%増であるのに対し、 出荷台数が8.7%減だったことは興味深い。 2003〜2005年にかけては、 Red Hat も SUSE も、 業務インフラソリューションで SMB/SME 市場を特にターゲットにしてるわけではなかった。 両社がもしそうしていたら、 Linux プラットフォームは、 コンフィギュレーションが簡単でパワフルなインストレーションや管理システムを、 もっと早い段階で実現していたことだろう。 Novell SUSE YaST2 は大幅な進化を遂げたが、 Windows Server 2003 のコンフィギュレーションウィザードにはまだ遠く及ばない。 2005年10月の NetcraftWeb サーバー調査では、 世界中にある7440万台の Web サーバーの約70%が OSS の Apache Web サーバーを使っていることが分かった。 また、Apache のインストールベースのおよそ半分が Linux で運用されている。 ここから計算すると、Linux Web サーバーのインストールベースは2,640万台になる。 個人的な予想では、Samba サーバーが約1,600〜1,800万台あり、 そのうちほぼ1,100万台で Linux が動作している。 また、これらの Linux/Samba サーバーの大部分は、 小規模企業やホームネットワークで利用されている。 大企業では Samba を Sun Solaris、IBM AIX、 あるいは HP-UX で運用している可能性が高い。 SMB/SME 市場は Samba サーバーを相当数導入しているが、 この市場で稼働中の Linux/Samba サーバーの台数に関する信頼性の高い統計は存在しない。 手元の統計では、 IDC が2006年の Linux サーバーのインストールベースをわずか990万台と予想しているが、これは極めて疑問に感じられる。 これだけ多くの Apache Web サーバーが Linux 上で稼働しているという事実からは、 Linux が圧倒的なシェアを持つプラットフォームとなり、 有力な選択肢となった市場の存在が明らかになる。 Web サービスに重点を置く企業は、 ソフトウェアとサービスの適切な組み合わせさえ見つけることができれば、 世界が宝の山であることに気付いたのだ。 もし Linux ベンダー各社が SMB/SME 市場にもっと力を入れていたら、 Linux と OSS に関しては、 OS のマーケットシェアが今よりはるかに大きなものになっていただろう。 ベンダー各社の努力が足りなくても Linux がここまでうまくやってこれたのには、 誘因がある。 Linux ベンダー各社が市場に参入していなくても、 市場が Linux を追い求めてきたように見えるのだ。 さらに、どのような形であれ Linux が大企業への対応力を証明しようとするなか、 動きの大半は大企業市場の外で起こったようにも思える。 Linux は、その並はずれた導入率が証明するように、 最も安定し、最も魅力的な技術製品/プラットフォームになった。 Linux の採用率に低下の兆しは全く見えない。 Linux のほうが同等の Microsoft Windows 製品よりはるかに導入が難しい事実があるにもかかわらず、 顧客が明らかにこちらを渇望しているのは驚異的だ。 現在利用中のものに代わるソリューションを懇願する SMB 市場に、 非常に大きなチャンスがあるのは事実なのだ。 市場を特定できても、適切な製品とサービスの有無の判断には役立たない。 さらに、 法人客に提供する経済的な手法がなくては、これらの製品やサービスも役に立たない。 既存の IT 市場を見ることで、 既存の製品やサービスがどのように顧客に提供されているのか学ばなくてはならない。 IT 市場は以下の4つに大別される。
各市場特有の購買行動を考えることは参考になる。 今回のシリーズでは、 一部の VAR が貴重な時間を割いてフィードバックとコメントを提供してくれたことに感謝したい。 各 VAR の関係者に連絡を取り、各事業所の有力意見について質問した。 各 VAR の事業所に勤務する従業員数は1〜11人だった。 最初のインタビューは匿名で回答を集め、 次に、ほかのフィードバックに対するコメントを各自に求めた。 その結果を、以下の3つのセクションにまとめる。 次へ 大企業市場 »
![]() 図1:サーバー市場における Linux の成長
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