非営利法人におけるオープンソースの課題営利法人との差はわずか
教育機関、政府、あるいは宗教団体などの非営利法人で技術関連製品の購入判断を下す人々にとって、オープンソースには多くの障害があるようだ。 しかし、この議論で興味深いのは、非営利目的の法人であれ、営利目的の法人であれ、ビジネスニーズは同じだという点だ。結局のところ、どのような組織であれ何かをするためには銀行に現金がなくてならない。それには、寄付金を集めるか、製品やサービスを売って対価を受け取る必要がある。 本稿では、同じビジネスの世界でも、非営利団体がオープンソースで直面する問題を調査していく。 組織間で最も大きく異なるのは利益の処分方法だ。非営利組織では、社員や株主ではなく、組織の目的に応じて利益が使われる。 「利益はビジネス継続のための未来原価」だという経営学者の Peter Drucker の言葉を覚えておきたい。つまり、その設立形態にかかわらず、どのような組織であれ、現在そして未来の費用に対して支払う資金が必要になる。どのような組織でも健全性を維持するには利益が絶対不可欠なのだ。 技術についても同じことがいえる。組織のニーズには、生産性の向上と技術がもたらす利点が必須だ。技術の購入および導入において最大の要因となるのは、コストメリットもしくは売上メリットだ。つまり、技術はコストを削減するか売上高を向上させる必要がある。 オープンソースはこのような環境で、市場のその他のプロバイダと競争を繰り広げている。もし、前述のようなビジネス分析が正確であるなら、オープンソースでは考慮すべき点がふたつ考えられる。 最初が基盤技術自体だ。Linux プラットフォームは、どのような会社においてもライセンス料を大幅に節約してくれる。組織が大きくなればその額は数千ドルにのぼる。 ところが、組織がそのコストメリットを活用できないことがあまりに多い。なぜだろう? その利点を活用できないのは、リスクを抱えずにコストメリットを得る方法を分かるように説明する人がいなかった、というのが答えのひとつだと思う。 コンスタントに維持費がかかる OS に慣れてしまった IT 部門があまりに多い。それが彼らの世界なのだ。それがあるから失業もしない。購入コストのほかに保守費用まで大幅に削減する製品でこの枠組みに切り込むことは、多くの人に問題を提起することになる。最初が疑念だ。Linux は本当にライセンス料を削減するのだろうか、と考えてしまう。この疑問に対する答えは簡単だ。 しかし、Linux は本当に保守費用を削減してくれるのだろうか、という2番目の疑問はやや難しくなってくる。ほかの OS は本当にこの分野のコストを削減できるのだろうか? これは、経験したものしか確証を持てない。 技術インプリメンテーションを幅広く見渡せば、ベースはアプリケーションだ。結局のところ、NT や Linux サーバーを購入するのは、それが必要なものだからではない。まずアプリケーションソフトウェアを購入し、それから対応するプラットフォームを探すのだ。 オープンソース市場で差し迫った必要性があるのはアプリケーションだ。確かに選択肢もあり、優れたものもある。しかし、それらを除けば、オープンソースの開発者は市場の需要に後れを取っている。 これがオープンソース問題の根源だ。つまり、利益を出すことである。無償提供するソフトウェアを開発しなくてはならない場合は、開発/保守管理コスト回収のために何らかの手段を用意する必要がある。オープンソース市場では、その手段がサービスしかない。しかし、これではおそらく投資家にとっての回収期間が長くなってしまう。売上からすぐに現金を得られない場合は、サービス契約によるコスト回収に余分な時間が必要になる場合がある。 これはうまくいくのだろうか? 多くのオープンソースプロバイダが気づいているように、その見通しは明るい。楽な道のりではないが、ひとつひとつの成功の積み重ねがオープンソースアプリケーションの市場投入をどんどん楽にしているのだ。 オープンソースで成功するには、きわめて重大な問題をいくつか覚えておく必要がある。多くの企業では、ビジネス判断が業務系ではなく技術系の人々主導で行われるという問題もある。 この問題を解決するには、企業がそのニーズに対してオープンソースソリューションを検討し、応用できるような魅力的な業務事例を用意することだ。これさえあれば、ビジネスニーズが IT 部門の不安や不確実性、そして疑念に勝ることになる。 オープンソースのサプライヤーや開発者に投げかけられる重要な質問を以下に示す。 ・オープンソースアプリケーションはどのようにしてビジネスニーズを満たすのか? ・オープンソースアプリケーションはどのようにしてライバル製品と差別化するのか? これらの質問に答えられないようでは、購入者のオープンソース市場への移行を期待することが妥当とは思えない。質問に答え、提供できるビジネスソリューションの存在を納得させたら、プラットフォームの話に入ればよい。 技術者は、ここから関与することになる。彼らが Linux に疎いのならば、彼らを啓蒙する必要が出てくる。技術関連の保守費用削減による失業を恐れているようならば、彼らを支援するためのソリューションを用意しておいた方がよいだろう。 ビジネスを営むことが簡単だったら、もっと多くの人が自分たちでビジネスを始めていただろうし、生活のなかのストレスも少なかっただろう。問題解決に立ち上がる人と、リスクを避ける人の分かれ目が挑戦なのだ。 このような状況でオープンソースアプリケーションの市場投入を判断するには起業家精神が必要になる。だが、それは決して不可能ではない。 関連記事 関連テーマ 最新トップニュース
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