サブネットをまたいだ Samba ファイル/プリントサーバーの共有:パート1――1
サブネットの俗説
Samba の共有フォルダにはサブネットをまたいでアクセスできない、というのが一般的な認識だ。しかし Samba は、実際はサブネットをまたぐことが可能だ。Linux ホストでは簡単だが、Windows クライアントではそれほど簡単にはいかない。しかし、わなや落とし穴を避ける方法を本稿でお教えするので心配は無用だ。 今回のシリーズでは、有線と無線の2つのサブネットにサービスを提供する Samba サーバーの設定を行う。これは、ホームネットワークでも一般的なシナリオだ。次に、設定方法を説明するために3つめのサブネットを接続する。設定方法さえ分かれば、サブネットをいくらでも好きなだけ拡張することができる。パート1では、まずシンプルな匿名のファイル/プリンタサーバーから説明する。 あるいは、有線/無線サブネットをブリッジさせればいいのにと思われているかもしれない。それも可能だし、小規模ネットワークならうまくいく。だが、イーサネットのブリッジ設定はブロードキャストトラフィックが大量に発生するためスケーリングに限界があり、サブネットを追加していくと、いずれは無意味な状態になってしまう。 ブリッジするのなら、分割するよりも1つの巨大アドレス空間を用意する方が良くなるのだ。ルーティングの方が効率的で、トラフィックの流れもうまくコントロールできる。ルーティングされた効率的なネットワークと、集中管理され、ネットワークセグメント全体にサービスを提供する Samba サーバーがそろい、すべて思いどおりになるのだ(さらに、CUPS を使えばプリンタもサブネットをまたいで共有することができ、CUPS + Samba で Windows クライアントからもこれらを利用できるようになる)。 以下のように、考えられるシナリオはいくつかある。 ・Samba をドメインコントローラにする ・Samba を Active Directory ドメインのメンバーにする ・Samba サーバーを複数設定する ・Samba を平凡なファイル/プリンタサーバーにする では、Linux と Windows の両方のユーザーが読み書きできる簡単な匿名の Samba ファイルサーバーを作成する。機能はファイルの共有だけで、ログインサーバーにはならない。これはあまり安全性の高くない設定だが、ここでは故意にシンプルな設定にしている。匿名サーバーがうまく共有可能になれば、アクセスコントロールや制限付き共有フォルダは簡単に追加できる。まず最初に以下の作業が必要になる。 ・ネットワーク全体のルーティングがうまくいっていること。すべてのホストがサブネットをまたいで ping をやりとりできること ・任意であり、できているならなお良いことだが、ローカルのネームサービスが機能しており、ホスト名でも ping が通るようになっていること ・Windows クライアントに TCP/IP と Client for Microsoft Networks(CMN)がインストールされ、機能していること ・Windows クライアントに IPX がインストールされていないこと。IPX と TCP/IP の両方がインストールされていると、パフォーマンスが大幅に低下する。大昔の Novell Netware を使っているのでもない限り IPX は必要ない。また、もしこれを使っているなら筆者の出番ではない 次へ:匿名 Samba サーバー »
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