Twitter を本格的に活用している企業は予想以上に多い。弊社独自調査では「世界のトッププランド100社」※1 のうち56社は運用を開始し、うち36社は複数アカウントを立ち上げている。実際に、販売促進や顧客応対での成功事例も目立つようになってきた。
しかしながら、Twitter の成長スピードがあまりにも急速だったため、企業サイドの受入準備はできておらず、また運用サービサーを称する企業にも実績やノウハウはほとんどないのが現状だ。
例えば企業が Twitter を運用しようとすると、即座にこんな疑問が浮かんでくる。
・企業アカウントはユーザーをフォローすべきか否か?
・どんな Tweet をどのぐらいの頻度ですれば効果的なのだろうか?
・フォロワーの集客はどうすれば良いのだろうか?これらの質問は本質的で、実際に Twitter を活用してみて初めて学べるノウハウだ。しかし多くの成功事例を分析・研究することで、そこに共通するゴールデンルールを見出すことはできる。
当コラムでは、これら企業 Twitter 運用の基本となるテーマを数回にわたって取り上げていきたい。まず第一回目は、顧客からのフォローに対して「フォロー返しをすべきか否か」について、具体的な例をあげながら考えてみたい。
■Twitter による顧客とのコミュニケーション方法を分類するTwitter アカウントによる顧客コミュニケーションは、次のような3つのタイプに分類できる。
(A)オープン交流型顧客と対話する際にオープンメッセージ機能(@で相手先を指定するが Tweet は全フォロワーに公開される)を用いるタイプ。フォローしたユーザーに対してフォロー返しはしないのが特徴である。
(B)マルチ交流型顧客と対話する際にオープンメッセージ機能とダイレクトメッセージ機能(Dで相手を指定すると、Tweet は指定された相手にだけ閲覧可能となる。以下 DM 機能と略)をケースによって使い分けてコミュニケーションするタイプ。DM 機能は、個別商談や注文、また強いクレームなどに活用する場合が多い。ただし DM 機能は双方向にフォローしあっているユーザー同志でしか利用できないため、フォロー返しする必要がある。
(C)一斉配信型基本的に顧客とはコミュニケーションせず、情報を一方通行で配信するタイプだ。配信情報としては Tweet ごとに異なる ID を付与したクーポンなど高度なものも増えている。このタイプもフォロー返しをしない。中にはフォローしているユーザーがゼロのアカウントも見受けられる。
■トップブランド100社はどう顧客コミュニケーションを行なっているか?では、実際に Twitter 活用を行なっている企業は、これらのうちどのタイプで運用しているのだろうか。前述の「世界のトップブランド100社」の Twitter 活用調査から、該当部分を抜粋して分析してみよう。
1.オープン交流型アカウントの特徴全56社中5社、9%と少数派だが、@DellOutlet、@amazonmp3というフォロワー100万人超の最大級商用サイトがこのタイプを選択している。一つの理由は、@amazonmp3が平均2,131人/日、@DelOutlet が平均1,320人/日という桁違いのペースでフォロワーが増加しているからでろう。
ただし@DellOutlet は顧客交流に大変積極的で、Tweet の4割は個別顧客とのオープン対話に費やしており、コンテンツである安売り情報は3割にすぎない。またより深い交流を望むユーザーに対しては、管理者個人のアカウント(@StefanieatDell、こちらはマルチ交流型)をプロフィールに明示し、ユーザー判断でマルチ交流もできるようにしている。
2.マルチ交流型アカウントの特徴56社中27社、48%(ただし DM は非公開のためフォロー状況からの推測値)と主流となりつつあるスタイルだ。最も典型的なアカウント例は@starbucks で、全 Tweet の80%以上を個別顧客との対話に費やしている。
また Microsoft も、企業アカウント(@Microsoft)、製品アカウント(@MSWindows)ともに完全フォロー返しを行なっている。Google アカウントが一切顧客交流を行なわないのと対照的だ。
主流となりつつある理由は、オープン型交流を基本としながらも、ケースバイケースでクローズ交流を行なえるメリットがあるからだ。例えば通常はオープン型で交流しながら、個別商談や注文、強いクレームなど特別な場合にクローズ交流を用いるなど使い分けをしているアカウントが多い。
フォローされたユーザーをすぐにフォローする「即時フォロー返し型」と、ダイレクトメッセージを活用する必要が発生したユーザーにそのタイミングでフォローする「個別フォロー型」のふたつがある。
3.一斉配信型アカウントの特徴56社中24社、43%となっている。ここでは個別顧客と対話している Tweet の比率が10%未満のアカウントを「一斉配信型」とした。最も典型的な例は56社中で最大フォロワー数を誇る@Google だ。Google は創業時からユーザー問合せを受け付けないポリシーを持っており、Twitter にもその方針が受け継がれている。
しかしながら、企業の方針と顧客の期待は相反しているようだ。例えばある一斉配信型のアカウントには、Twitter Search で検索すると一日数十件のユーザー問い合わせが発生しているにもかかわらず、現段階ではそれらをすべて無視する形になっている。
このような応対はブランディング上好ましいとは言えず、成熟した Twitter アカウントは徐々に顧客対話の比率をあげざるをえないだろう。実際に、@DellOutlet でも、顧客からの対話期待が強いため一斉配信型からオープン交流型に変更した経緯がある。
なお、MTV や Thomson Reuters など「メディア産業」は一斉配信型が多く、逆に Starbucks や KFC など「飲食業」は顧客と交流する企業が多いなど、業種ごとの特性も出ており興味深い。
■フォロー返しするべきか?筆者の結論は次の通りだ。
1.一斉配信型を許される企業の特徴Google やメディアなど、配信する情報価値が高く、かつブランド求心力が強い企業のみが一斉配信型を選択すべきだろう。なぜなら、企業が受ける受けないにかかわらず、顧客は Twitter を経由して交流をしてくるからだ。
また顧客交流する意図がないのであれば、RSS やメールマガジンで配信するほうが効率的とも言える。顧客から見て「1対多のコミュニケーション」が不自然なく受け入れられるブランドかどうかというのが一つの基準となるのではないか。
2.オープン型交流/マルチ型交流の選択オープン型は中途半端な選択肢であまりメリットがない。交流しないのであれば一斉配信、交流するのであればマルチ交流型を選択すべきだ。
なぜなら、強いクレーム、取引、値引きなどクローズでないと困難な交渉ごとがあるからだ。ただし@DellOutlet のように、企業としてはオープン型だが、Twitter 管理者によるマルチ交流のオプションも用意するという高度な方式も技ありノウハウだ。
ちなみに Twitter アカウントを運用している56社のうち、Twitter の背景ないしプロフィール部分に運用管理者を明示しているアカウントは12社、全体の21%にもなる。リスクマネジメントの観点からもこの管理者明示方式が主流になってくる可能性がある。
3.「フォロー返し」をすべきかどうか?企業アカウントであれば、顧客エンゲージメントを重視し、フォローを返し、マルチ交流型で応対するのが得策と言えよう。そもそも顧客からしてみると単純に企業からフォローされるとうれしいものだ。
今後 Twitter が普及につれ、多くの企業はマルチ交流型を選択しはじめるはずだ。その時、顧客心情的に一斉配信型が許されるのは、ごく一部の天上ブランドやメディアだけだろう。
なお、先進的な Twitter アカウント(格安航空会社 JetBlue Airway 社や大手ケーブルテレビ会社 Comcast 社など)は、さらに一歩すすんで、受身ではなく自社に関する発言を検索し、積極的に企業から話しかける方法で顧客満足度を高めている。
詳しくはこちらのコラムを参照してほしい。
顧客との絆を深める〜5つの成功事例から学ぶ、Twitter 活用のヒント※1 参考書籍「Twitter マーケティング消費者との絆が深まるつぶやきのルール」
筆者 Twitter は
こちら。ご意見、コンタクトなどお気軽に。
執筆:
株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹
監修:
株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造
(
ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹 
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