教育の情報化は進むのか?
8月31日は子ども達にとっては夏休み最後の日、「宿題の追い込み」という恒例の風景が全国の各家
庭で展開されたことでしょう。
同じ日に、我が国における今後の「教育の情報化」を支える重要なサイトが立ち上がりました。国立 教育政策研究所(旧:国立教育研究所)内に設置された「教育情報ナショナルセンター (http://www.nicer.go.jp/intro/main/)」です。 「教育の情報化」は、「ミレニアム・プロジェクト (PDFファイル) (平成11年10月)」において筆頭事業として提案されるなど、 「夢と活力に満ちた次世紀を迎えるために、今後の我が国経済社会にとって重要性や緊要性の高い」プロジェクトとして位置づけられています。 一方、「 e-Japan戦略」等の各種情報化政策のなかで、「教育の情報化」「人材の育成」はその重要性が度々指摘されています。 「米国におけるIT社会の成功は、学校教育における情報化が進んだことがその遠因。我が国 でも教育の情報化は進まないと、IT社会など到来しない!」という意見もあるなど、教育の情報化 にかける政策当局を含めた世論の意識は極めて高いといえます。つまり、教育の情報化の正否が21世 紀における我が国のあり方を左右する、ともいえる極めて重要なプロジェクトといえます。 このような教育の情報化の最終目的は「2005年のインターネット個人普及率60%を大幅に上回ること を目指し、高齢者、障害者等に配慮しつつ、すべての国民の情報リテラシ−の向上を図る。」 ことにあります。 そのための具体的な事業として、平成10年度から計画的に学校のインターネット接続が開始され、 平成13年度までに全国の全ての小中高等学校からインターネットに接続できるように、 整備が完了する予定です。 また、平成10年度末には、全国の全小中高等学校向けの「EDドメイン」が新設され、全国の私立学校 を含む約3万校の初等中等学校のドメイン名の割り当てが完了しています。従って、理論上は全国の 全ての児童・生徒が個人ドメインを保有することが可能になっています。 さらに、高等学校における必修教科として、「情報」が新設教科と設置されました。これからは、 「半義務教育」となった高等学校において、 全ての生徒がコンピューターの活用スキルを学んだ後に社会に卒業することになります。 以上のように、教育の情報化を進めるためのネットワークを活用する仕掛けは鋭意整備中といえます 。しかし、教育における重要なカギである「コンテンツ」に関する整備は遅れ気味と言われてきまし た。 全国の情報化に興味・関心の高い熱心な教師による様々な先進的授業実践が多数発表されてきました (代表はE-スクエア・プロジェクト:100校・ 新100校プロジェクトの後を受けて全国の学校がインターネット利用教育を実践するための支援プロ ジェクト)。 この成果を「インターネットって何?」といった「全国の普通の先生達」と如何に知識共有 するか、その重要性が早くから指摘されてきました。 「e-Japan 重点計画 」の中でも、インターネット上にある日本の教育・学習に関するあらゆる情報を収集し、 体系的に整理することで我が国の教育・学習に関する情報ネットワークの中核的拠点(ナショナルセ ンター)の必要性と、その機能整備を国立教育政策研究所で行うことが明示されました。 そして、国立教育政策研究所では、平成13年4月から開発を進め、今回「教育情報ナショナルセンタ ー」として業務を開始しました。 今回のセンターの特色として、従来「教育という”錦の御旗”のもと、教育コンテンツは無料で提供 されるもの!」という考えを廃し、企業等の開発している有料デジタル教材等も含めて情報提供して います。 また、一般に開発しにくい学習支援教材等をモデル的に開発( 例:現行のすべての教科書に記述さ れている日本史の事柄をデータベース化して提供)する業務を行っています。さらに、教育の情報化 に関するヘルプデスクや、子ども達を有害情報や不適切情報から守るフィルタリングシステムの在り 方についても今後は検討する計画とのことです。 来年4月からは、全国の小中高等学校は全てインターネットに接続していることになります。また、 2005年には全ての小中高等学校で学校内LANの敷設が完了する予定です。 さらに、来年4月からは「新学習指導要領」が導入されることで、 「総合的な学習」をはじめとする従来とはまったく異なる新しい教育が学校で展開されます。 これからは、教職員、保護者、地域住民が「教育の情報化」を如何に捉え、 協力して進めることがカギとなることでしょう。
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