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自治体で期待が広がるeラーニングの取り組み
1月29日から31日に幕張メッセで開催された「活力自治体フェア2002」において、
「自治体におけるeラーニング活用の戦略」と題するセミナーを開催した。
当日は、100名の定員に対して176名の参加があり、
自治体においても今後eラーニングをどのように活用すべきか関心が高いことが覗える。
今回のセミナーの第一部は、日本総研からの「自治体におけるeラーニングへの取り組み事例」 と題する事例紹介で、第二部では、電子自治体やeラーニングの活用で先進的に取り組まれている 西宮市情報システム課吉田課長を招き、 日本総研創発戦略センター所長新谷と対談形式により 西宮市におけるこれまでのeラーニングの取り組み及び今後の方向性について議論を行った。 第一部から内容を見てみると、自治体職員を対象としたeラーニング・アンケートの結果報告と、 日米の先進的な取り組み事例の紹介であった。自治体職員を対象としたアンケートでは、 eラーニングへ取り組んでいる自治体が回答者の4%と少ない反面、 今後期待しているという回答が75%にものぼっており、eラーニングへのニーズが存在することを報告した。 さらに先進事例の紹介では、職員のIT研修においてコンピュータルームを活用したeラーニング研修を実施した 西宮市の事例、生涯学習にeラーニングを導入して学習機会の拡充を目指した富山県、 中小企業のIT人材の育成に効果をもたらした沖縄県の事例を紹介した。 米国の先進事例では、産業育成のためにスキル基準を設け、 それと連携したeラーニングコンテンツの情報を提供しているテキサス州、 官民連携により低所得者のITスキル向上に取り組んだリバーサイド・カウンティの事例、 地域の公共団体(学校、図書官等)が連携して、eラーニングの共同調達、 共同開発を行っているサウスカロライナ州の事例を紹介した。 第二部では、冒頭に西宮市吉田課長から、西宮市の電子自治体に関する取り組みが紹介された。 西宮市は阪神大震災を契機として、自治体の情報化に取り組まれ、これまで地図案内システム 「道知る兵衛」や「選挙開票管理システム」など独自に構築されており、 日本経済新聞社賞や総務大臣賞などを数々の賞を受賞しておられる先進的な情報化推進自治体である。 西宮市では、庁内職員のOA研修に関して、阪神大震災により研修予算が縮小されたのを契機として、 外部研修の活用から情報センターによる独自研修に方針を転換されて、 その中で情報システム課の職員のスキルアップにおいて、実験的にイントラネットを活用したeラーニングの導入を 検討されたのが始めての取り組みであった。吉田課長は対面研修を嫌う職員、伝達研修が苦手な職員がおり、 研修メニューの多様化という観点から、eラーニングへ取り組み始めたと述べられた。 さらに、eラーニングは、個人が「いつでも」、「どこでも」、「好きな時に」、 「何度でも」学習できるメリットはある一方で、パソコンの整備が不十分であることや職場における学習の 困難性等の問題が指摘され、当面はIT分野を中心としたコンピュータルームなど共有スペースを活用した eラーニング研修の実施を実施していきたいと述べられた。コンテンツについては、今後、 介護などの自治体業務に特化して、 全国の自治体で共有できるコンテンツがeラーニング化されることを期待されていた。 地域住民へのeラーニングサービスについては、西宮市のIT講習の現状について、 高齢者や女性(主婦)の受講が多いこと等、IT講習の現状について説明があった。 さらに今後のフォローアップIT研修においては、eラーニング研修とリアル研修の併用しながら、 一過性でない研修システムの構築が必要であると述べられた。 自治体におけるeラーニングの取り組みは、まだまだ始まったばかりで、 今後各自治体で本格的な取り組みが予想される。特に今後問題視されているデジタルデバイドの問題や、 IT人材の育成、さらには知識社会へ変革するための地域における学習機会の増大など、 自治体においてeラーニングを活用する場面は多く、 今後先進的な成功事例を創出していくことが求められている。
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