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2009年11月24日
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日弁連主催シンポジウム 「個人情報は守れるか」

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日本弁護士連合会の主催により、緊急シンポジウム「個人情報は守れるか〜知らないうちにあなたのデータが知れわたる"便利な社会"がすぐそこに〜」が、12月4日、都内弁護士会館で開催された。

ジャーナリストの斎藤貴男氏と櫻井よし子氏、山田宏杉並区長、日弁連情報問題対策委員会委員長の森田明氏らがパネリストとして参加。約150名の聴衆が、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)のプライバシー侵害に関する議論に耳を傾けた。

冒頭、日弁連副会長の高橋勲氏より、住基ネットに関する日弁連の基本姿勢が述べられた。日弁連は、2001年9月20日に、「改正住民基本台帳法の施行に際し、十分な個人情報保護措置を求める日弁連会長声明」を発表しており、「個人情報の保護に関する法律案」等を根本的に見直し、十分な個人情報保護立法がされるまでは、改正住民基本台帳法の施行を延期すべきであるとの考えを表明している。また、個人情報保護立法が不十分な形で成立するのであれば、多くの弊害が予想される住基ネットそのものを施行前に廃止することも求めざるを得ないと表明している。

その後行われた、櫻井よし子氏の基調講演では、ジャーナリストの立場から、個人情報保護法案や住基ネットの問題点が指摘された。櫻井氏は、個人情報保護法案に関し、フリーのジャーナリストの自由な取材を制限するものであり、また、取材内容を公開できない恐れを招く法案であると指摘した。

また、住基ネットに関しては、以下のように批判した。

どうして私達は、住所、氏名、生年月日、性別の四項目の情報を一元管理するために、初期投資としての400億円、維持管理費としての200億円とか400億円というものを投じないといけないのでしょうか? 日本のように、戸籍制度がしっかり整っている国は他にないんですよね。それプラス、私達は住民登録というのもございます。それらを持っていて、何をいまさら、この四項目をコンピューターに打ち込んで管理する必要があるのでしょうか? 

これ、住民票をとるのが便利になるといいますけど、住民票をとるくらいのことなら、こんなにコストをかけない。地方自治体のお尻を叩いてですね、コンピューターに慣れていらっしゃらない職員を悩ませる必要はないわけでございます。もしろ、狙いが、国民の個人情報を一元管理することにあることは明白でして、他の省庁でも、この住民基本台帳ネットワークを使おうとしているんだなぁと思うような事例がいくつもいくつも目に付きます。

例えば、納税の番号を書く欄には11桁の番号が用意されているのは、偶然でしょうか?そして、SuicaというJRのカードがありますけども、あんなものが、住民基本台帳ネットワークと重なった場合、あなたは何月何日何時に何線でどこに行ったかというように、毎日の動きが分単位でわかってしまうようになる。また、未成年の喫煙防止のために、2008年から、たばこの自動販売機では、住所、氏名、生年月日が打ち込まれたカードを前もって手に入れなければ、たばこが買えなくなってしまいますが、どうしてこんな面倒なことを、単体で考えることがあるでしょうか? これは、来るべき番号制の社会、カード制の社会を念頭においた考えであると思わざるを得ないのです。

32や64メガビットの容量を持つ住民基本台帳のICカードの中には当然、私達の収入、ローンの残り、子供の時にどういう良いことをしたとか、あるいは、悪いことをしたかとか、どういう犯罪をしたのか、どういう家族や親戚がいるのか、思想・信条はどうか、また、医療情報や遺伝情報なども必ずこの中に入っていくだろうと思うのです。ありとあらゆる情報を誰かが持っていると考えるだけで、すごく恐ろしいと思うんですよね。その情報を持っている人に対して、本当に対等な立場で話ができるか? おのずと、そこには、上下関係、隷属関係を生み出すのであって、国家が個人情報を一元的に管理することで、こういう情報をもっている人は、持たれている人に対して非常に強い力を発揮するはずです。この住民基本台帳ネットワークは、民主主義の基本である、個人の自由や自由意志を根こそぎ奪う仕組みになっているのだろうと思われます。民主主義、自由というものを愛するかぎり、このような住民基本台帳システムは、その性質において許してはならないものだと思うんですね。

出雲市で住民に番号をつけて、カードを配った例がありましたが、カードはほとんど利用されなかった。そりゃそうですよ、住民票を取るなんて、一生に何回あるかわからないくらいでして、日常生活の中で、基本的な行政サービスに対する私達のニーズは少ないわけでして、自然にこのカードシステムはなくなっていってしまいました。残ったのは、このシステムに構築するためにかかったお金だけなんですね。

このカードシステムというものが無駄な投資であったという負の遺産に加え、誰かに私達個人の情報を握られているということだけで、民主主義の基本である自由の精神はひるんでしまうものなんですね。そして、なぜ、私達の様々な情報を行政が知る必要があるのでしょうか? 人間の人生というのは、ぜーんぶが全部、第三者に知らせるものではないんですね。人生には陰影の部分があって、それをコンピューターにインプットして、オンライン化して、直ちに取り出せるような仕組みを作る必要はないのですね。もしこんなことをすれば、文学も、素晴らしい音楽も、自由を支える健全な言論も生まれてこないと思います。生まれてくるのは、ただ唯々諾々(いいだくだく)と国家の言うことに従う、羊のような集団ではないかなと思います。今後は、この出来てしまった法律を、どうなくしていくかということに知恵を絞っていきたいと思います。

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