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ファイル交換ソフトを使った著作権侵害に対する措置

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インターネットと著作権をテーマとした、「第3回インターネットホットライン連絡協議会研究会」が、28日、都内で開催された。

会合では、Win MX などのファイル交換ソフトを使った著作権侵害の実態が紹介されるとともに、著作権保護団体側の対応策が紹介された。

■ 歌詞の引用は、量だけでなく質や目的が問題
著作権情報センター
原田文夫氏

まず最初に、社団法人著作権情報センターの相談員である原田文夫氏より、インターネットに関する著作権相談の例が紹介された。

例えば、オンライン掲示板に、「私の好きな歌手は○○で、○○の曲の歌詞が大好きなので、ちょっと引用しておきます」と書きこむ場合。

この場合、引用する歌詞より、自分の感想の方が文字数が多いとしても、引用とはならない可能性が高いという。引用では、自分の文章が量的にも質的にも主従関係の主となる必要がある。歌詞を公に発信することが主たる目的であったり、歌詞を引用する必然性がない場合などは、質的には自分の文章が主とはならず、歌詞の引用ではなく転載に該当するという。

原田氏は、「この手がまかり通れば、放送局はタダで番組が作れてしまう。「私の大好きな曲はこれです」と誰かに言わせて、楽曲を演奏し、放送しても、著作権に引っかからないというようなことはない。他人のものを部分的に、あるいは短く持ってくるのが引用だと思われているが、引用には、自分のことを説明するために人のものを持ってくるという要素が必要である」と指摘した。

また、原田氏は、別の著作権侵害のケースとして、「ミッキーマウス」のような有名なキャラクターを使いたいが、そのまま使うことが出来ないので、少し変えたキャラクターを使うというケースを取り上げた。この場合、オリジナルに似ているとか、似ていないことが問題ではなく、オリジナルを真似しようとしていること自体が問題で、複製権の他に、改変権、同一性保持権を侵害する可能性が高いとの指摘がなされた。

その他の相談としては、自分がユニークなホームページの設計をしたが、その設計を誰かが真似たのは著作権侵害ではないのかといったものがあり、原田氏は、ホームページ上の文章や絵柄は著作権保護の対象となるものの、設計・アイデア等は著作権保護の対象とはならず、著作権侵害とは言えないと説明した。

■ 「おまけ」に違法コピー満載のCD-ROM 〜悪質化するネットオークションでの海賊ソフト販売

コンピュータソフトウエア著作権協会
葛山博志氏

続いて、社団法人コンピュータソフトウエア著作権協会(ACCS)の葛山博志氏より、ACCS の活動内容と、インターネットを悪用した著作権侵害の実例が紹介された。

ACCS (アックス)は、国内外200社前後のコンピューターソフトウエア会社から構成されている社団法人で、デジタルコンテンツの著作権保護活動を行っている。

葛山氏によると、現在、インターネットを悪用した著作権侵害として、インターネット・オークションを利用して海賊版ソフトを売る行為と、ファイル交換ソフトを利用して無料でソフトを交換するという行為が大きなものとして挙げられるという。そして、これら2つの行為に共通していることとして、「特殊な人がやっているのではなく、普通の人がカジュアルにやっている」ことが挙げられるという。

インターネット・オークションを利用して海賊版を売るという行為に関しては、昔は、「ソフトを売ります」という形で出品されていたため、オークションサイトに対し、ACCS から削除をお願いすることも多かったが、最近、手口が悪質化し、「パソコン売ります。おまけつき」という形での出品が目立つという。

この場合、中古パソコンよりも、「おまけ」の方がメインとなっており、「おまけ」として、100種類以上の違法コピーソフトが入っているCD-ROMがつく場合もあるという。ただ、オークション出品者の「おまけつき」という宣伝文句に関しては、「おまけ」が海賊版であるかどうか確かめようがないため、現在のところ、オークションサイトもそのような表現まで削除することを躊躇する場合が多いという。

■ 「誰かが見ている」という心理的圧迫感〜ファイル交換ソフトへの対応策

さらに、この後、葛山氏は、Win MX に代表されるファイル交換ソフトを使った著作権侵害行為に対し説明を行った。葛山氏によると、これらファイル交換ソフトを使った著作権侵害行為に関しては、日本レコード協会とJASRAC、そして、ACCSの間で、実務者レベルで定期的に会合がなされており、次のような対策を取る方向で三者間が一致しているという。

まず、ファイル交換ソフトのうち、Win MX のような「グヌーテラ」型の特徴をもつソフトに対しては、センターサーバーがないため、悪用者を一網打尽にすることは出来ないものの、各方面から悪用者に心理的圧迫を加えることで、著作権ルールを徹底していきたいとしている。

対策の基本としては、誰でも気軽にダウンロードできるという環境をなくすため、悪質な者に対しては、刑事摘発、損害賠償請求のような法的措置をとったり、ホームページ、チラシ、新聞広告、教育などを通じて、著作権ルールを徹底するための啓発活動を行っていく。

また、「誰も見てないだろう」、「私は大丈夫だろう」という心理的状況に対して、「誰かが見ているんだろう」という環境を作り出していくことを対策の一つとするという。

実際、ACCSでは、ファイル交換の状況に関して定期的に情報を収集するソフトを開発し、ファイル交換をしている人のIPアドレスやファイルの情報を定期的にチェックしている。現在までのところ、その情報に基づき、事件にしたということはないものの、そういったチェックがあるということを世間に広くアピールしていくことで、ひとつの抑止効果になっていくことを ACCS では期待しているという。

また、ACCSでは、Win MX のインスタントメッセージ(IM)機能を使い、ファイル共有をしている人達に対し、以下のような注意を喚起するメッセージを送っているという。

ACCS からインスタントメッセージで送られてくる通知文
(クリックで拡大)

ACCSでは、昨年末から、おおよそ7000回、上記の注意喚起文を送信したという。このような注意喚起文は、ユーザー間でコピー&ペーストされて流通し、真偽がわからなくなるため、注意喚起文を受信したユーザーがACCSに電話で問い合わせできるよう、ACCSの調査課の電話番号が記載されている。

現時点では、ACCSとしては、どこのプロバイダーや学校を通じてファイル交換が行われているかを把握している段階にあり、今後、ACCSが直接警告するのではなく、プロバイダーや学校・会社などから、ファイル交換ソフトで著作権侵害を行っているユーザーに警告を与えてもらえるようにしたいとしている。

■ ACCSを「悪の巣」と呼ぶ、2ちゃんねるユーザーからの攻撃

ACCSに対する聖戦のきっかけとなった、
作者不明のでっち上げの記事。

葛山氏によると、このような対策を行う ACCS に対し、ファイル交換ソフトのユーザーから反発も起こっており、掲示板「2ちゃんねる」では、 ACCS (アックス)が「悪の巣」と呼ばれたり、また、実際に、ACCS のサーバーをダウンさせる「聖戦」が仕掛けられたこともあったという。

その「聖戦」とは、今年4月、2ちゃんねるで呼びかけがなされて実行されたもの。ある決まった時間に、呼びかけに応じた者が一斉に ACCS のホームページのリロードをかけ、ACCSのサーバーをダウンさせた。

この「聖戦」は、今年4月1日のエイプリルフールに、「全てもう終わっている―違法ユーザーは全員逮捕?ACCSの最終手段」と題する、某オンラインニュースメディアの記事に似せた、全くのでっちあげ文章が発端となった。

ACCSは、この行為に対し、「強い措置を講じ、言い分があるなら聞く」といった警告メッセージを、ACCSのホームページに掲載したところ、15人前後が参加したことを認め、連絡してきたという。

ACCS では、連絡してきた者に実際に会うなどしているが、その中には、2ちゃんねるで実際にスレッドを立てた16歳の少年もいたという。その少年の話では、彼は ACCS に対し特に意見はなく、単に面白そうだったからやってみただけで、過去に、「浜崎祭り」といって、avexのホームページに抗議したこともあるという。

 

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