自治体の電子化に関するシンポジウム「電子自治体推進会議
2002」(毎日新聞社主催、総務省後援)が、22日、都内で開催された。
この日、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の仮運用が全国の市町村で一斉に始まったが、基調講演に立った片山総務大臣は、住基ネットの安全性を再度強調するとともに、住基ネットに対する不安を払拭するため、外部監査のさらなる実施を行うと述べた。また、複数の市町村による共同アウトソーシング構想、電子自治体推進戦略の経済効果などにも言及を行った。
住基ネット―延期をすれば何百の意見書が来る
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住民基本台帳
ネットワークシステム
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住民基本台帳カード
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片山総務大臣は住基ネットに関し、セキュリティの説明に多くの時間を割きながら、以下のように述べた。
「我々としては完全な個人情報保護の体制をとっている。法制的には、法律で決めた機関が、法律で決めた事務についてだけの本人確認情報をとれるようにしている。また、民間が他の目的に使うことは一切許さない。さらに、住基ネットを利用する関係職員は限定している。もし、職員が守秘義務その他の違反をやれば、厳罰に処することになっている。普通の公務員の守秘義務の倍の罰則をかけることにいたしておりますし、技術的運用面では、ファイヤーウォールを設け、住基ネットでは住基ネットだけの情報を通し、後は全部遮断する。住基ネットの情報は、住基ネット単独で完結している。」
「事故があれば、緊急時対応計画などを作っていますが、そういうことで、今、いろんな議論がなされてますけれども、いずれにせよ、3年間準備して、相当のお金をかけて、訓練をして、システムを作って、今日から市民ともはじめるというものを延ばすことによって、なるほど、50か60の市町村等で意見書が出ておりますけど、もしこれを延ばすなり、辞めたりするのであれば、私は、何百の地方団体から意見書が来るよと、こういうことを言っておりまして、ただ、しかし、ご心配であるというなら、チェックを再度やります。また、今までもやっておりますが、全市町村における外部監査も始めますと、こういうことを言っておるわけです。」
また、住民基本台帳 IC カードに関して、その多目的利用の可能性を述べるとともに、住基ネットとは直接的に関係がないことを強調した。
「今年の8月5日はここだけで、来年の8月からが全面的な施行になる。例えば、住民票の広域交付が出来るようになる。引っ越しの手続も転入の手続だけになる。あるいは、住民が望めば、市町村が住民基本台帳カードを出して、そこで、住民基本台帳関連のサービスが受けられる上に、それぞれの市町村が条例でお決めになれば、例えば、公共施設の予約だとか、いろんなことの証明だとか、福祉や社会教育のサービスだとか、そういうのが住民基本台帳サービスの利用とは、法律的に、あるいは、技術的に遮断されて、多目的に利用できるようになる。こういうことが来年から施行になる。」
共同アウトソーシング―東京ではなく、地方のIT産業を発展させる
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共同アウトソーシング
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続いて、片山総務大臣は、複数の地方自治体による業務やシステム開発の共同化、情報処理等の民間へのアウトソーシングといった構想に言及した。
これらの実施により、住民サービスの向上、地方自治体の業務改革、経費削減などのメリットが得られるが、片山総務大臣は、これらが地方のIT産業の育成に貢献するという点を最も強調して紹介した。
「IT関連産業は、ほとんどが首都圏、特に東京に集中している。今、地方でも、意欲ある若い人が、ぜひ、こういうことをやりたいと言っている。ただ、それだけの需要が(地方で)ない。ぜひ、この需要を、共同アウトソーシング、電子自治体によって、道を開いていく必要があると。民間企業の方と地方自治体が組んで、こういう業種を起こし、これを発展させていく、活性化させていくというのが狙いである。」
電子自治体推進戦略―波及効果は約5.5兆円、約60万人の雇用
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戦略実現プログラム
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施策の経済効果
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この後、片山総務大臣は、電子自治体戦略実現プログラムを紹介し、平成15年度を目途に、住民サービス業務などのフロントオフィス業務を電子化し、平成17年度を目途に、バックオフィスの電子化を実現する計画を明らかにした。
また、それらに関連する施策を実行した場合、地元レベルで、また、全国レベルで、以下のような需要効果があると言及した。
【地元レベル】
データセンターの運営等を行う地元IT企業を中心に、通信サービスの提供、ネットワークの保守・運用、メンテナンス、物流サービス等、職員の教育・訓練等について地元での需要効果。
【全国レベル】
電子自治体仕様の行政サービス支援システムの開発、更新等に伴い、ソフトウェア提供企業やハードウェア提供企業について、全国を通じた需要効果。
電子自治体推進による経済効果の数字としては、直接的効果として、構築効果で約2兆5000億円、平年度の運用効果で約1兆円が試算されている。
また、電子自治体の実現を契機に、民間企業でもIT化が進展し、教育現場や地域コミュニティーでのIT活用が活発化するなど、電子自治体推進の波及的効果としては、平年度の運用による需要効果として、約5.5兆円、約60万人の雇用が試算されていることが紹介された。