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ICカードと e-JapanICカードの最新技術や官民活用事例を紹介する「IC カードフェア 2002 (主催:財団法人ニューメディア開発協会)」が、9月26日、27日の2日間にわたり、東京都内の科学技術館で開催された。 会場の展示コーナーでは、大手電気メーカー、大手ベンダーなどによる、住民基本台帳カード(以下、住基カード)をはじめとする公的ICカードを用いたビジネスモデルやソリューションが紹介された。また、会場のテーマステージでは、漫才コンビ「ゆーとぴあ」によって、ICカードが活躍する近未来のライフスタイルが紹介され、入場者の関心を集めていた。 会場では、ICカードの技術・利活用に関する展示の他に、各種セミナーが開催された。今回は、それらセミナーの中から、経済産業省のICカード施策に関するセミナー、総務省の住基ネットとICカード利活用に関するセミナーを紹介する。
■ 「経済産業省におけるICカード関連施策」
三田氏は、まず、「e-Japan重点計画」のICカードの利活用に関する記述を紹介した。
このうち、「複数の情報を一枚のICカードに相乗りさせる」ことに関し、三田氏は、行政機関・サービスごとにカードを発行していたのでは、「一枚のカードで出来るという割には、何枚もカードが必要になってしまう」ため、昨年、「公的分野におけるICカードの普及に関する関係府省連絡会議」を発足させ、そこで、「連携ICカード」 という概念を提示したと述べた。 この「連携ICカード」は、行政機関などがICカードを発行したり、ICカードにサービスを提供する場合、同じような仕様を使い、なるべく一枚のICカードの中で相乗りをしようとするコンセプトだという。 この「連携ICカード」の特徴は、ICカードに格納された情報が互いに独立し、干渉し合わないこと、また、ユーザーが転居しても、別の地域や街で利用できることなどとなっている。さらに、三田氏は、相乗りするアプリケーションに関し、民間を含むサービス体系を積極的に検討していく方針を、以下のように明らかにした。 「国、地方自治体のアプリケーションはそれほど頻繁には使われない。住民票を取りに行く機会はそんなに多くなく、また、毎日、公共施設の予約をするという人も少ない。民間のサービスを含め、生活に密着しているサービスを搭載しているカードの方が使われる。個人情報保護の観点から、民間と相乗りすることは難しいかもしれないが、経済産業省が考えているカードというのは、地方公共団体の公的サービスのアプリケーションを搭載し、コンビニのアプリケーションを搭載し、商店街のポイントが貯まる機能を搭載するといった、民間のサービスをのせたものであり、(身近でよく利用する)民間のサービスを通じて、市民の方に公的カードに慣れてもらいたい。」 実際、経済産業省では、平成12年度補正予算で、「連携ICカード」の本格的実施に向けた「ICカードの普及等によるIT装備都市研究事業」を21地域、54の地方公共団体で行っている。この研究事業では、約120万枚の非接触マルチアプリケーション対応ICカードと約9000台のリーダ・ライタが配布され、延べ100種類の住民サービスが提供されている。 さらに、平成13年度の補正予算では、ぴあ、阪急電鉄、ビックカメラ、JTB、JCB、ローソンなどの民間企業が参加した、「先進的なアプリケーションの研究開発及び実証実験」が行われている。これは、ICカードの利用をさらに促進することを目的とした事業。 例えば、ぴあの場合、電子チケットをICカードに格納させ、紙のチケットのような転売が行われることを防止する。また、阪急電鉄の場合、ICカードに本人確認情報を格納し、定期を申し込むときの申込書を不要にした。ビックカメラ、ビックピーカンは、商品購入時の還元ポイントをカードに格納し、そのポイントを自店の次回購入に利用できる他、公共施設の利用や中古PCの回収料などに利用できるようにした。 三田氏は、これらすべてのサービスが、サービスプロバイダーのインフラを使っていることに言及し、新たな広域サービスのために、新たなインフラを作ることはせず、民間のインフラを使うことの意義を強調した。 「コンビニが参加すれば、コンビニのネットワークを使うことになり、いきなり広域化が可能になる。なるべく、人のものを使って、高品質のサービスを提供する。いまどき街頭端末を買って、コンビニに置かない。ローソンに行けば、ロッピーがある。役場にキャッシュディスペンサーがあるが、その隣にロッピーなどを置いても良い」と述べ、アウトソーシングの積極活用の検討を促した。 また、三田氏は、良く質問を受けるという、「IT装備カード」と「住基カード」の違いについて説明した。三田氏の説明によると、「IT装備カード」には、何らかの法権力に基づいて、役場が把握した情報は格納されておらず、一方、「住基カード」は、住民基本台帳法という法権力に基づき、住民票コードという役場の情報が格納されているものだという。 また、マルチアプリケーション対応の「IT装備カード」では、自分でサービス一覧からサービスを選択し、新しいサービスが必要であれば、自分でダウンロードし、不要になれば自分で消すという「自己申告型」になっているという。さらに、複数のアプリケーションを載せることが可能なため、アプリケーション同士の干渉があってはならず、また、カードにどんなアプリケーションが載っているかは、サービスプロバイダーに漏洩しないようになっているという。 三田氏は、「隣のサービスが互いに干渉しないことがわかれば、サービスプロバイダーも安心してサービスを提供できる。そういった、不干渉に関する技術検証は実証実験の段階ですでに終了しており、安心してサービスが提供できることが確認された」と述べ、現段階では、ICカード運営のためのデータセンター構築が進んでいることを明らかにした。 最後に、三田氏は、公的ICカードの個人情報保護の問題に関し、アウトソーシングの積極活用を提言した。 「個人情報保護の問題で今一番心配なのは、技術的な問題というよりも、運用である。どんなに完璧なシステムを作っても、そこで作業している人が不正を働くことを防げない。それを物理的に防ぐには大変なコストがかかる。それを経済的にやるには、餅は餅屋に任せるという発想も必要。そこは専門家に任せるという選択が今迫られている。地方自治体の方々は、住基カードを運営するためや、個人情報保護を考えるために役所に入ったのではなく、地方自治に自分が参画して、地域を豊かにするために入られたのであって、その目的をITというツールで達成するためには、アウトソーシングも必要になってくる。」 関連記事 関連テーマ 最新トップニュース
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