ブッシュ政権は、24日、大統領直属機関の行政管理予算局を通じて、「連邦政府運営改善案(The President's Management Agenda)」を発表した。ブッシュ政権は、この報告書で、連邦政府が直面している運営、管理上の問題を14項目にわたって指摘し、それらのうちの1項目として、電子政府の推進が効率良く進んでいないことを取り上げた。
同報告書は、まず、民間部門でIT導入により40%もの生産性向上が達成されているのに対し、2002年度予算で450億ドルものIT投資を行う連邦政府は、生産性において、目立った向上がなされていないと指摘。 その原因として、以下の4つの要因を指摘している。
- 政府機関は、市民のニーズではなく、自らの機関にとって、どれだけ役に立つかで、ITシステムを評価している。たとえば、どれだけ職員の労働時間が減るかを考慮しても、どれだけパフォーマンス向上につながるかを評価することが少ない。
- 政府機関は、ITを、より効率的で新しいソリューションを作り出すためではなく、既存のプロセスの自動化に使おうとしている。まるで、民間企業が80年代に、コンピューターを高性能タイプライターや計算機として使っていたかのように。
- ITは、時代遅れの官僚部門制を解体するチャンスを提供しているが、政府機関は、この機会を逆に脅威ととらえ、組織内の命令系統維持のために、無駄な投資を進める事がある。例えば、財務部門の自動化が、調達部門と切り離されて実施されているのは、その典型例である。
- 政府機関の多くが、ITシステムの相互運用をあまり考慮していない。例えば、退役軍人省では、退役軍人向けにオンラインフォームのシステムを作ったものの、省内の他の部門が別のシステムを運用していたため、省内の組織間で、情報をプリントアウトして、郵送しなければならないという事態が発生した。
また、この報告書では、各政府機関、行政管理予算局、大統領政府運営評議会とが協力し合って、電子政府推進において、以下の改善を達成することが肝要であるとされている。
- 個人が政府のサービスを簡単に見つけられるような、いくつかのアクセス拠点を作る。
- 企業が政府に対しておこなう申請や報告の軽減化を図る。
- 連邦政府、州政府、市郡政府との間の情報共有を、スピードアップし、より簡単にする。
- 政府機関内のコスト削減を図るために、内部プロセスを自動化する。
これらの他に、以下のような、連邦政府のウエブ改善案も出された。
- FirstGov を拡大、改善し、政府組織の分断に沿った形ではなく、市民のニーズに沿った形で、市民が情報をたやすく得ることが出来るようにする。
- 政府機関は、連邦公開鍵制度を採用し、連邦政府内、政府と企業間、政府と市民間のやりとりの中で、電子署名を利用していく。
- 2万5000ドル以上の調達に関しては、2002年度末までに、全ての政府機関が、共通の電子調達ポータルサイト FedBizOpps.gov を利用して、調達情報を公開する。
- 連邦助成金の申請、あるいは、助成金の管理が、連邦機関毎ではなく、1つの共通サイトで出来るようにする。
- 規制当局は、ウエブサイトを利用して、規則や規制の制定過程や運用に関して、市民に対する透明性を確保した形で情報提供を行う。
この報告書では、以上のような改善案の実施や、他の電子政府イニシアチブの推進を通じて、次のような結果を期待している。
- 市民に対して、電話でも、ウエブでも、窓口でも、同じように高い品質のサービスを提供出来るようにする。
- 政府とビジネスを推進するための費用と煩雑さを軽減する。
- 政府の運営費用を軽減する。
- 政府のサービスに対して、市民がよりアクセスしやすいようにする。
- 障害者の人々が、政府機関のウエブサイトによりアクセス出来るようにする。
- 政府の透明性とアカウンタビリティを高める。
この「連邦政府運営改善案」は、25日の全米大統領ラジオ演説においても詳しく触れられ、ブッシュ大統領は、「政府に、さらに競争原理を取り入れ、市民に配慮した政府を築くつもりである」と語った。