米同時多発テロによる避難命令により、機能停止状態となっていたワシントンD.C.の米連邦政府機関は、12日、そのほとんとが通常業務へと復帰した。しかし、大きな被害を受けた国防総省だけは、旅客機墜落で破壊・炎上したオフィスの穴埋めのため、引越し作業に追われている。
11日に避難命令が出されていた、ワシントンD.C.の米連邦政府職員は、12日になって、大多数が職場に復帰した。米人事局(OMB)は、12日の出勤に関し、事前の届け出なしに、年次休暇の消化、あるいは、無給休暇が取れる、「臨時休暇」の特例を適用していたが、それを使う人々は少なく、実際には、ほとんどの連邦政府機関で通常の出勤風景が見られた。OMBは、13日以降の連邦政府業務は、全く平常通りの業務に戻ることを発表している。
テロの被害を受けた国防総省でも、業務が通常どおり行われているとの発表がなされたが、実際は、通常とはかけ離れた状況となっている。
国防総省の Victoria Clarke 次官補は、12日の記者会見冒頭、以下のように述べ、国防総省の業務が麻痺しているという懸念を否定した。
「いくつかの項目について述べたいのですが、最初に、最も重要なこととして、国防総省は業務を行っていることをお伝えしたい。我々はこの場所(注:ペンタゴン)に居ます。仕事もしています。そして、組織として非常にうまく機能しています。」
こうした発表の一方で、同次官補は、「ペンタゴンの約半分のエリアには誰も人が居ないという情報があるが、それは正しい情報なのか」という記者団の質問に関し、混乱の中、職員の出勤に関し把握が出来ていないことを認めた。
「明らかに、ビルの一部が使用不可能になったが、職員の誰が来て、誰が来ていないかに関して、正確な数字が出ていない状態である。しかし、今日、ペンタゴンに来ることが出来る人の大多数は、ペンタゴンに実際来ている。駐車場も満杯であった。ペンタゴンに来て、仕事をしようと、職員はあらゆる努力を行っている。」
また、今回のテロによる破壊の結果、ペンタゴンのオフィスが不足することを認め、「オフィススペースがない職員に対しては、ペンタゴン内の他のオフィスに、その人達のためのスペースを設ける予定である」と、たとえ、ペンタゴンの半分が使用不可能となっても、無事であるオフィススペースを切り詰めて、当面は対応するとの考えを明らかにした。
ペンタゴンは、90年代初頭のブッシュ政権時代に、12億ドル以上の予算を投じて、老朽化施設の近代化計画をスタートさせたが、息子のブッシュ政権下で、今年春に修繕がほぼ終わったばかりのエリアが破壊されるという皮肉な結果となった。今後のペンタゴンの修繕計画に関しては、まだ、当局からは明らかにされていない。
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