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2001年11月21日 00:00

プロバイダー損害賠償制限法案、可決へ

衆議院総務委員会は、20日、オンライン掲示板やウエブサイト上で名誉毀損、あるいは、著作権侵害などがあった場合、プロバイダーの賠償責任を制限する法案を可決した。

このプロバイダー損害賠償制限法案の正式名称は、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律案」。この法案は、22日の衆院本会議において成立する見込み。

この法案が成立した場合、以下のようなケースがより頻繁に起こりうることが考えられる。

たとえば、A社が運営するオンライン掲示板で、B氏がC氏の名誉を毀損したとされる場合、掲示板を運営するA社は、名誉毀損にあったとされるC氏に対して、損害賠償責任が発生しない。また、A社がオンライン掲示板のB氏の書き込みを削除した場合、その削除によって、B氏が損害を受けたとしても、A社にはB氏に対する損害賠償責任が発生しない。

しかしながら、A社は、名誉が毀損されたとされるC氏の要求により、名誉を毀損したとされるB氏に関するアクセス情報等を提供する義務も生じる。

全体的には、問題の解決をユーザー当事者間にゆだね、プロバイダーの責任範囲は、当事者間の問題解決に必要とされる情報提供程度に限定するものとなっている。

また、20日に開かれた衆議院総務委員会では附帯決議が採択されたが、プロバイダーによる情報削除や発信者情報の開示が濫用されないように、政府に配慮することを求める一方で、プロバイダーの情報削除や発信者情報の開示が迅速に行えるようにするという、一見すると、矛盾した内容となっている。

本法律案と附帯決議は以下のとおり。

■ 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律案(内閣提出第15号)概要

本案は、最近のインターネットその他の高度情報通信ネットワークによる情報の流通の拡大にかんがみ、特定電気通信による情報の適正な流通に資するため、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利につき定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害された場合に、関係する特定電気通信役務提供者が、これによって生じた損害について、賠償の責めに任じない場合の規定を設けるとともに、特定電気通信役務提供者が、特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合に、当該情報の発信者に生じた損害について、賠償の責めに任じない場合の規定を設けること。

二 特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者が、一定の要件を満たす場合に限り、関係する特定電気通信役務提供者に対し、当該特定電気通信役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報の開示を請求することができることとする規定を設けること。

三 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

■ 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律案に対する附帯決議

政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。

一 特定電気通信役務提供者による情報の削除や発信者情報の開示が濫用されることのないよう配慮し、発信者の表現の自由の確保及び通信の秘密の保護に万全を期すこと。

二 インターネット上の違法な情報の流通を原因とする名誉毀損等の権利の侵害が増大している現状にかんがみ、特定電気通信役務提供者が違法な情報の削除や発信者情報の開示を迅速かつ適切に行えるよう、運用の在り方等について検討すること。

三 インターネット上における違法な情報等の流通の増大にかんがみ、今後とも、本法の実施状況や技術の進展状況等を踏まえ、国民がインターネット等を安心して利用することができるよう、必要な環境整備に努めること。


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