Accenture は、政府機関のアウトソーシングに関する調査レポート
『Outsourcing in Government: The Path to Transformation (政府におけるアウトソーシング:組織改革への道)』を発表した。
この調査レポートは、政府機関のアウトソーシングに直接関わったことのある政府機関の幹部50人と、公的部門のアウトソーシング専門家11人へのインタビューに基づいたもの。米国、オーストラリア、カナダ、シンガポールなど、比較的アウトソーシングが活発に行われている8カ国が対象となっている。(日本は調査対象に含まれていない)
今回の調査で新たに判明したこととして、このレポートでは、以下の5つの事柄を指摘している。
- 政府のアウトソーシングの結果はまちまちである。
アウトソーシングのコスト削減効果は20%から40%といわれているものの、契約の途中で仕事の内容や量が変更となることも多く、実際にコスト削減効果を評価するのは難しい。また、アウトソーシングの主たる目的が公的機関のサービス改善の場合、さらに、評価は難しくなる。インタビューに応じた政府関係者のうち、自らが行ったアウトソーシングが完全に成功したと回答したのは、彼らのわずか2割であり、自己評価の平均は、5点満点中3.75点にとどまっている。
- 公的部門のアウトソーシングは特に複雑である。
政権交代により、政治的アジェンダが急遽変更されることもある。例えば、大きい政府から小さい政府へ方針転換した場合を考えると、長期に及ぶアウトソーシング契約に対し消極的にならざるを得ない場合も多い。また、透明性と公正さを確保しなければならない公的部門の調達は、プロセスで時間がかかり、また、非効率で、複雑になることも多い。さらに、指導者の交代や、予算の割当といった点で不確実性もある。
- アウトソーシングに関する一般通念にとらわれ、アウトソーシングの可能性を矮小化している。
政府機関の幹部は、「周辺業務」 vs 「政府固有の業務」といった固定された概念にとらわれがちで、アウトソーシングの内容が限定的になりがちである。しかし、市民の要求、技術、予算、優先順位は日々変化している。例えば、9月11日のテロ事件以降、空港警備が民間から連邦政府の管轄になったと思えば、以前では考えられなかった刑務所や汚水処理の民間委託が、近年、増加している。また、アウトソーシングの契約をあまりに細部にわたってきっちり決めてしまうと、状況に応じた柔軟性が発揮できない場合もある。
- パフォーマンス志向の政府は、アウトソーシングを日常業務の一部に組み込んでいる。
アウトソーシングを組織経営のオプションとして気軽に採用し、また、その効果を十分発揮させるためには、優れた組織環境が必要となる。例えば、総合的で俯瞰的な戦略や、短期的ゴールの設定、また、進歩状況を測定する組織的システムが必要となる。また、計画を実行に移す有能なリーダーの存在、計画の財政的健全度を測るシステムなども必要となる。また、結果に対するアカウンタビリティを示す制度も確立する必要がある。
- アウトソーシングをきっかけに組織改革に取り組み、大きな成功を収めた組織リーダー達が世界中にいる。
アウトソーシングを用いて、政府組織の劇的な改善に成功し、公的サービスの種類を増やしたり、業務のスピードアップや、業務の革新性を高めたりしているリーダーが各国に成功例として存在する。しかし、今回の調査結果では、全体の12%に過ぎなかった。