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2002年6月17日 00:00

総務省、ユビキタス技術の将来像に関する報告書を発表

総務省は、どこでも多様なネットワークにアクセスでき、様々な情報を得ることが出来る「ユビキタスネットワーク」の将来像に関する報告書を発表した。

同報告書は、平成13年11月から開催されている、「ユビキタスネットワーク技術の将来展望に関する調査研究会」の検討結果をまとめたもの。

「何でもどこでもネットワークの実現に向けて」と題する同報告書は、2010年までに、どこでも何ら制約を受けず、ネットワーク、端末、コンテンツを自由に、ストレスなく、安心して利用できる通信サービス環境が実現すると予想している。

また、そのようなユビキタスネットワークの実現により、フォトニック、モバイル、情報家電等の日本の優位な技術を活かした新たな産業やビジネス、マーケットが創出され、市場規模は、2005年で30.3兆円、2010年で84.3兆円に達すると試算している。

同報告書は、ユビキタスネットワークを実現するための研究開発プロジェクトとして、2005年までに、「超小型チップネットワーキングプロジェクト」、「どこでもネットワークプロジェクト」、「何でもマイ端末プロジェクト」の三つの研究開発プロジェクトの推進を提言している。

「超小型チップネットワーキングプロジェクト」は、超小型チップを衣服、書籍、書類、有価証券、ブランド品など、ありとあらゆるものに埋め込み、それらが互いにネットワークを構成し、情報を交換することで、偽造防止の強化や高度で効率的な物量管理が実現するというもの。実現には、100億個の端末を協調・制御するネットワーク技術が必要となる。

また、「どこでもネットワークプロジェクト」は、どこにいても、いつでもネットワークに繋がり、オフィスと同一の通信サービスを享受できる環境を実現するというもの。実現には、ユーザの状況に応じて最適な通信サービス環境を自在に提供するネットワーク技術が必要となる。

「何でもマイ端末プロジェクト」は、非接触カードをかざすと、瞬時にどんな端末でも自分の端末として利用できるようにするというもので、実現には、従来の1万分の1以下のリアルタイムな応答・認証が可能なネットワーク技術の実現が前提となる。

同報告書では、これらの要素技術が確立することにより、来るべきユビキタスネットワーク社会では、以下のようなことが実現しうると予想している。

社会生活
・超小型チップを活用したネットワークにより、薬剤や食品の品質保持期限をインテリジェントに管理。
・住居やオフィス等の施設内で、空調や照明等が生活している人の好みの設定やその時々の居場所・行動のセンシングによって必要なタイミングで無駄なく自動コントロールされる。
・外出先からの帰宅時に、留守宅コントロールシステムを帰宅モードに設定すると、位置情報等と連携して、空調、炊飯器、風呂の給湯等が帰宅時に最適な状況が整っているように自動的に動作を開始する。
・走行中の自動車が、子供やペットの身につけたチップとの近傍ネットワークを用いて子供等の急な 飛び出しを検知し、オートブレーキをかけて安全を確保。
消費
・小型チップを実装したカードや情報端末、指紋、虹彩等のバイオメトリクスを用いた多様な認証システムにより個人認証プラットフォームが構築され、高額商品の発注や決済が安全かつ簡易に実現。
・顧客の所持するICカードや商品のIDタグ等が連携し、顧客が買いたいものを選んでレジを通過するだけで購入と決済が完了する。
社会参加
・視聴覚等の障害者が道路や家の中のセンサーネットワークにより、位置情報や周辺情報等を把握できるバリアフリー環境が実現。
・センサーネットワークによる個人情報の発信・認証により、公共施設・交通機関等において高齢者が不自由しないバリアフリー環境が実現。
・携帯型端末やカードに組み込まれたチップが身体障害やケガの情報を発信し、駅・電車・デパート等でイス・トイレ・エスカレータ等の設備が身体条件に応じて自動的に作動。
環境
・場所を問わないネットワークアクセス環境により、テレワークやSOHO等の多様な就労環境が実現し、人的移動に伴うエネルギーが低減化。
・IDタグやチップ搭載情報により効率的な物流管理が可能になり、環境への負荷を低減。
就労

・オフィス、外出先、街頭、家等のどんな場所からでもネットワーク認証するだけで自分の業務環境を瞬時に呼び出し利用。
・国内はもちろんのこと、世界中のカフェのテーブルやタクシー、飛行機のイス、ホテルの窓等に設置されたディスプレイが、認証するだけで直ちにマイ端末に変身。
・高度なコンテンツ配信技術により、端末やアクセス網の能力に応じた最適な表示を実現し、自分の必要な情報を瞬時に利用できる。

教育
・グループでの野外体験学習に各自がネットワーク端末を活用し、自由に移動しながらネットワークを意識せずにリアルタイムに映像やメモ情報をやりとりしたり、グループセッションを展開。
・世界中の研究者が微小なセンサーを用いて、自然環境の観測や、人工的な構造物を用いたフィール ド実験を行う。
・複数の研究所等がリアルタイムで3D情報等の高い臨場感でインタラクティブに研究データをやりとりでき、創造的な研究を展開できる。

(出典:「何でもどこでもネットワークの実現に向けて〜ユビキタスネットワーク技術の将来展望に関する調査研究会報告概要〜」)


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