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2002年3月15日 00:00
つながらないムネオサイト〜国会議員サイトの要件(上) PUB・バックナンバー
著者: japan.internet.com 田中秀東 | プリント用画面 | メールで記事を転送する
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マスコミ報道が加熱する一方で、沈黙どころか、事実上消滅したに等しい存在となっているのが、鈴木宗男議員のウエブサイトである。

アフガン復興会議へのNGO参加拒否問題で、初めて鈴木議員の名前が出た時には、夜10時あたりでも、鈴木議員のサイトにアクセス出来たのだが、最近では、アクセスが非常に難しい状態が続いている。

あまりにも、アクセス出来ないので、サイトが閉鎖されたと思っていたが、先週金曜日の朝8時頃に、一瞬だけアクセスが出来たことから、特に、閉鎖といった事態にはなっていないようである。おそらく、四六時中、大量のアクセスがあり、鈴木議員のサイトをホスティングする会社のサーバーに大きな負担がかかっているものと思われる。(この点、muneo.gr.jp のホスティング会社に状況を問い合わせたところ、既にトラフィックの増加には対応済みとのこと。また、今回のトラフィック増に関しては、特にそれによる追加課金は発生していないとのこと。)

先週金曜日の朝に確認したところでは、鈴木議員のサイトは1月から更新が止まったままで、アフガン復興会議へのNGO参加拒否問題にも触れられていなかった。先週以降、もしかしたら、サイトの更新があり、北方4島支援問題や、秘書の偽造旅券疑惑の問題なども、サイトにアップされているのかもしれない。

マスコミには、あれだけ、鈴木議員の事務所から釈明書が出されているのだから、ウエブサイトにもそれと同じものが掲載されていてもおかしくはない。しかし、全くといってよいほど、鈴木議員のサイトにアクセスできないので、確かめようがない。メディアの報道や外務省の説明が正しいものとして流通する中、鈴木議員にとって、もっとも自らの正当性を、バイナスなしで発表する場が、全く機能していないような状況…。

今回は、こういった状況で明らかとなった、国会議員のウエブサイトに関する問題点をいくつか指摘したいと思う。

まず、日本の国会議員のウエブサイトで気になるのは、そのサイトのURLやドメイン名である。

米国の議員の場合、公式の議員サイトは、すべて、house.gov (下院)か senate.gov (上院)のドメインとなっており、たとえば、上院議員のヒラリー・クリントン議員の場合、URLのパターンとしては、http://clinton.senate.gov あるいは、http://www.senate.gov/~clinton しか存在しないことになっている。これ以外のURLは、議員が私的に、あるいは、臨時に運営するサイトか、あるいは、全く議員本人とは関係のないサイトかのいずれかということがわかる。

日本の場合、この点、どうかというと、議員の公式サイトのドメインやURLには、全く一貫性がなく、国会議員以外の個人や団体でも取得できるドメインを使っているため、議員の公式サイトかどうかの判断を、URLだけで行うことは非常に難しい。

例えば、鈴木宗男議員や森山眞弓法務大臣のサイトなどが使っている「gr.jp」は、「日本に在住する個人または日本国法に基づいて設立された法人で構成される任意団体」であり、国会議員でない人々や、国政とは一切関係がない団体も利用できるドメインである。現に、日本の非政府組織などは「gr.jp」をさかんに使っている。また、「gr.jp」と「go.jp」(政府機関向けドメイン)のスペルが似通っていることもあり、誤解を招きやすい。

ちなみに、鈴木宗男議員の場合、鈴木議員の政治団体「21世紀政策研究会」が muneo.gr.jp のドメインを持っており、また、森山眞弓法務大臣の場合、森山議員の政治団体「まゆみ会」がドメインを持っている。つまり、それらは「日本に在住する個人で構成される任意団体」であり、gr.jp といったドメインの選択は正しいのだが、それでも、議員サイトに対し、こういったドメインの取り方で、こういったドメインを使うのは、適切であるとは思われない。

しかし、まだ、「gr.jp」を用いているのは、マシな方であると言えるだろう。議員サイトの中には、「co.jp」や「com」などの「企業・営利法人向け」ドメインを使っているところもあり、それら議員は、営利目的で議員をやっているのかと、政治信条を疑いたくもなる。確かに、「com」などは、最も良く目にするドメインの1つであり、個人サイトの独自ドメイン名としても結構使われているが、国会議員にふさわしいドメインとは到底思われない。

こういう混乱を産み出している原因として、国が国会議員のウエブサイト運営に関して、ほとんどサポートをしていないことが挙げられる。

例えば、衆議院も参議院も、議員に対してウエブサイト構築のためのスペースを提供していない。そのため、各議員は、民間のホスティングサービスや、民間プロバイダーのホームページサービスを利用して、サイトを運営しているのが現状となっている。しかし、民間の一般的なホスティングサービスで、数十から数千レベルの通常アクセスから、今回のような、(推測するところの)大量アクセスまで対応できるかというと、かなり困難であるというのが実情ではないだろうか。

現状では、国民の関心が高くなればなるほど、その関心の的となる議員サイトにアクセスがしにくいという問題が発生する。また、それだけアクセスが多くなると、セキュリティの面でも、不安材料が増すことは避けられないだろう。ウエブサイトの運営を民間に全て任せた場合、選ぶ会社によって、また、料金等によって、スケーラビリティやセキュリティレベルに議員間でバラツキが出てしまうことは避けられない。これでは、資金力のある政治家がネットにおいても確固たる発言の場を持つことが出来、資金力が劣る政治家は脆弱な発言の場しか持てないということになってしまう。

衆議院と参議院で、高度のスケーラビリティとセキュリティを保証したホスティングを、全ての議員に提供することだけが、解決法だとは思わないが、国民の関心に対して、どんなときも、議員側の発信に支障が出ないよう、最低限のインフラを議員に提供するというのは、議会の義務であるように思う。有権者と有権者の代表者である議員とのコミュニケーションが活発になればなるほど、つまり、国民の政治への関心や参加が増せば増すほど、コミュニケーションが途絶えるリスクが高くなり、実際に、今回のように、関心を集める議員のサイトにはアクセスできないという状況を放置したままで、日本政府が目指す「世界最先端のIT国家」が誕生するとは信じがたい。

議会関係者の話によると、当の国会議員の先生方から、議員サイトの運営に必要なインフラ整備に対し積極的意見が出てこないことには、議会が勝手にすすめることは難しく、「検討中」ではあるが、具体的計画の段階ではないらしい。

たぶん、こういったことは、トップダウンで議員に強制的にサイト開設を義務付けるということでもしないかぎり、変わらないのではないか。メルマガ発行で内閣のネットを利用した情報発信を実現した小泉内閣であるが、かつてないほどの政治不信を払拭していく上でも、国会議員のネット情報発信も積極的にサポートしていくことが必要であろう。



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