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日本におけるPFI市場の現状と今後の展望(3)
前回まではPFI市場の現状と課題について述べた。
今回は最終回ということで、以上の論点を踏まえ、
日本のPFI市場における今後の展望を試みる。
■ PFI 市場の拡大 現在、政府は PFI を効率的な社会資本整備手法の一つとして明確に位置付けている。 最近は国立大学や中央官庁をはじめとする国の施設整備に対してPFIの導入が検討されているほか、 都市再生プロジェクトのなかでも PFI の積極的な活用がうたわれている。さらに、 地方自治体は厳しい財政事情のなかで住民のニーズに即した社会資本整備を早期に実現することが求められており、 すでに多くの地方自治体は PFI の導入を視野に入れた事業化を検討しているところである。 第1部で述べた通り、現在公表されている PFI 導入対象事業は全国で約200件にのぼるが、 こうした状況を踏まえると、PFI 市場は今後さらに拡大すると予想される。 ■ PFI 市場における競争の激化 PFI 市場が拡大していく過程において、公共サービスの担い手となる民間企業の間では 競争が激化するものと考えられる。その際に競争力の源泉となるのは、各企業の技術力、信用力、 ノウハウなどはもちろんだが、民間企業グループのマネジメント能力も問われるところである。 グループ構成企業の間で役割分担を明確にしていく過程において、 ともすれば企業間の利害が相反することも想定されるが、これを巧みに調整し、 各企業の強みを発揮できるような仕組みを構築することが欠かせない。この部分については、 ゼネコンや総合商社といった総合力を有する企業への期待が大きいところであろう。 しかし、裏を返せば、中堅クラス以下の企業にとって厳しい環境となりうることもまた事実である。 PFI の普及は、単なる PFI 市場の拡大だけにとどまらず、場合によっては既存市場の縮小という新たな現象を伴う。 業種によっては、従来の企業戦略の見直しも含めて、PFI 市場への参入を検討せざるを得ないような状況が 予想される。 こうしたなかで大手中心の強者連合と互角に競争するためには、他社にない強みを生かすとともに、 異業種間の戦略的提携によって相互の弱みを補強しあうことで、 価格を含めた提案内容で差別化を図ることが必要である。 ■ PFI から PPP への転換 − 結びに代えて PFI の先進国である英国においては、現在のブレア政権下で PPP(Public Private Partnership) という新たな概念が導入されている。これは言葉の通り「官民のパートナーシップ」という意味で、 PFI・民営化・アウトソーシング・ジョイントベンチャーといった様々な手法を包含する概念である (PPPのイメージは図表を参照)。 英国ではサッチャー政権時代からPFIの導入が進み、行財政改革に一定の効果を上げてきたが、 同時に事務作業の煩雑さ、契約主義の徹底による事業の硬直化、といった課題も残されてきた。 ブレア政権ではこれらの反省点を踏まえ、PPP の導入によってPFIの概念を相対化しつつ、 幅広い視野で官民のパートナーシップのあり方を模索していこう、という試みが行われている。 現在の日本に「PFI 神話」なるものが存在するとすれば、これは当面続くであろう。 しかし、PFI は必ずしも全ての事業に適用できるとは限らない。なぜならば、PFI の導入が成立しうるためには、 一定以上の事業規模、民間の資金・ノウハウの活用可能性、既存法制度との整合性、 といった複数の条件が必要となるからだ。従って、事業の特性によっては、 PFI の導入が必ずしも効率化をもたらさない場合も出てこよう。そうしたときに、 英国の取り組みは我々に対して、「公共サービスの効率化を実現するうえで、最良の選択肢は何なのか」 という原点に立ち返ることの重要性を教えてくれるのである。 ■図表 PPP のイメージ
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