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2009年7月4日
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パブリック - レポート2002年3月20日 00:00

「コピーコントロール CD」が問いかけるもの(1)

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 日本でもついに自由に複製できない CD、「コピーコントロール CD」が発売された。

 3月13日、大手レコード会社のエイベックス株式会社は「 コピーコントロール CD 」の第一弾として、 女性アーチスト BoA の「Every Heart −ミンナノキモチ−」を発売した。 (関連記事) このCDはイスラエルのミッドバー・テック社の技術を使い、 パソコンのハードディスクや CD-R にデジタルコピー出来ない仕組みになっている。 デジタルコピーを制限するこの種の CD は、欧米では既に発売が始まっているが、 国内では初の試みであり、今後も追随するレコード会社が相次ぐ見通しである。

 本連載では、このコピーコントロール CD が提起している問題を、 主に著作権に関する制度面から考えていきたい。 まずは著作権法が定めている基本事項について触れておこう。

■「私的使用のための複製」

 CDに収録されている音楽は、 著作権法によって著作者(作詞者・作曲者・編曲者)の許諾なしには複製することが原則として認められていない。 さらに、「著作隣接権者」(著作者に準ずる権利を持つ、アーティストやレコード会社など) の許諾なしに複製することも出来ない。 そのため一般消費者は、著作権者や著作隣接権者の許諾の下につくられた CD をレコード会社から購入する。 それでレコード会社は売上を上げ、作曲者やアーチストらも著作権料などを得ることが出来る。

 しかし著作権法には「著作権の制限」という規定があり、 著作者らの許諾なしにかつ無償で複製することができる場合を列記している。 その中の一つが「私的使用のための複製」( 著作権法第30条第1項)で、 購入したりレンタルした CD を、自分や家族が聞くために MD にダビングしたり、 パソコンのハードディスクにコピーすることはこれにあたり、違法ではない。

■デジタルコピーに対する音楽産業の懸念

 音楽がアナログデータとして流通している時代はこれでも大きな問題にはならなかった。 例えばレコードをカセットテープにダビングすると、音質は明らかに劣るものとなり、 オリジナルのレコードを購入する需要を大きくは妨げないと考えられたからだ。 しかし、CD や MD の登場で、音楽をデジタルデータとしてコピーできるようになると、 この私的使用に対するレコード会社の懸念は高まった。

 デジタルでコピーすれば、元の CD とコピーしたMDの音質はほとんど変わらないため、 CD の商品価値を相対的に低下させ、売上を大きく落とすと懸念されたのである。 そのため、MDにはデジタルコピーが一回までしかできない(コピーのコピーはできない)仕様で発売され、 さらに私的録音補償金制度というものが創設された。

 同制度は、デジタル録音によって、本来著作者ら権利者が受けるべき利益が減少することに対し、 あらかじめ「補償金」が受けられるという制度である。 具体的にはデジタル方式の録音機器・録音媒体(MDのほか音楽用CD-R、 音楽用CD-RWなど)の購入時に補償金相当額(録音機器は卸売価格の2%、録音媒体は卸売価格の3%)が (社)私的録音補償金管理協会に支払われ、 それが著作権者の団体やレコード会社の団体などに分配される仕組みとなっている。

 しかし、インターネットとパソコンの普及は、音楽を音楽専用の機器や媒体で聴くという、 この制度の前提を崩してしまった。

(以下次週)


入山 泰郎(いりやま やすお)

株式会社 日本総合研究所 研究事業本部
新社会創造クラスター 研究員

専門分野: 知的財産権、地方行政、地域振興ほか
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