ITアウトソーシングのSLA技術革新が急速に進む環境下、行政機関では電子行政サービスの本格展開に向けた情報システムの構築と維持・改善について、ITアウトソーシングサービスや ASP サービスへの期待が高まっている。コストの飛躍的削減と外部専門性の確保という切実な要件を持つ利用機関の満足度を向上させるためには、サービスの内容とその水準が料金に見合うものとなっているかどうかを客観的に評価できるパフォーマンス評価の基準<SLA:Service Level Agreement>を、利用機関とアウトソーサまたはプロバイダ間で共有することが鍵といえる。 IT アウトソーシングを成功に導く要因の一つはプロジェクトマネジメントである。アウトソーシングにおける利用機関とアウトソーサの関係は、委託者と受託者の関係に加えて、双方がアウトソーシング・プロジェクトの一員として双方の専門性を活かしてパフォーマンスを向上させる協働関係にある姿が望ましい。SLA は、協働関係にあるプロジェクトにおいて、IT アウトソーシングサービスの範囲、内容、評価指標および当事者間の責任範囲を規定し文書化したものであり、SLA の共有を図るために SLA に基づいてサービスの利用、評価、改善を実施するマネジメントサイクルが<SLM:Service Level Management>である。 SLA の形態はサービスの提供形態によって多様であるのが実情といえる。ASP サービスでは、プロバイダの契約約款に予めサービスレベル条件が設定されており、利用機関はそのサービスレベルが自社の業務に適合しているかどうかを判断し契約する。一方、IT アウトソーシングサービスでは、利用機関の個別要求に基づいてサービスレベルを含めサービスの仕様を取り決め合意する、所謂オーダーメイドの契約が一般的である。 SLA におけるサービスレベルの設定は、サービスの内容とサービス料金の適正化を図ることがねらいである。サービスレベルとサービス料金は通常、比例関係にあるが、サービスレベルは高ければ高いほど良いとは必ずしもいえない。むしろ過剰なサービスレベルとなっていないか、不必要なサービスレベルを設定していないか、業務の重要度や優先度などを踏まえ、限りある予算のなかでサービスレベルとサービス料金のバランスを考慮することが重要といえる。 サービスレベルは、サーバの可用性やネットワークの応答時間など提供される IT リソースの性能水準を評価する情報システム部門の視点で設定されることが多い。今後は加えて情報システムを利用する部門や最終顧客の視点やあるいは経営管理的な視点など、サービスレベルによって産み出されるサービスの価値に着目した指標設定が重要な鍵となる。 IT アウトソーシングにおける期待効果にコスト削減があるが、サービスレベルとサービス料金の関係を明確にすることにより、重要度の低いサービスのコスト削減と、より価値の高いサービスへのコスト割り当てをコントロール可能とするメカニズムを協働関係から創出することがSLA 共有の効果である。
提供:日本ユニシス
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