e-Japanに於けるXML採用の状況
XMLの多様なデ−タ表現の特性を生かして、e-Japan分野への新たな導入検討が進んでいる。現在検討されている代表的なものとして、「相互認証と代理人/公的資格の属性認証」、「電子文書としての取引標準化」、「各地方自治体のソリュ−ション・システム」の3分野が挙げられ、他にも医療関係(MEDIS)や情報サ−ビスの公共分野(新聞、放送、他)への利用が、各所属団体を中心に検討されている。
1. 認証分野での利用 XKMS(XML鍵管理仕様)のような「デジタル証明書のXML表現と操作に関する標準化」と、ECOMと日本司法書士連合会が検討中の「XML属性認証利用モデル」等がある。特に現在の電子政府での課題である「代理人申請」と「公的資格者による代行」等の属性証明の利用モデルに関してはGPKIの延長だけでは不十分で、属性に関する分類や利用モデル分析の検討から始めている。また、属性証明の有効性に関する要件等の法制面での整備・検討も必要である。 2. ビジネス分野での利用 UN/CEFACTとOASISが中核になり、オ−プン商取引における標準化作業を行っている。この標準化内容であるebXML仕様(後記の補足説明参照)に対しては、国際的な業界団体を中心に支持が表明され、我が国が関係する代表的なものとして、アジア経済圏での港湾通関業務と国際公共電子入札がある。特に国際公共電子入札は、地方自治体を含めた公共調達の支援を目的にしており、国内の2省(国土交通、農林水産)、2庁(郵政事業、防衛施設)、14事業団(空港周辺整備機構、国際協力事業団、首都高速道路公団、新東京国際空港公団、他)、および各地方自治体(県、市町村)が会員であるJACIC(財団法人 日本建設情報総合センタ−:http://www.cals.jacic.or.jp/coreconso/)で、平成15年12月末の完成を目標に、公共電子入札における「ビジネスプロセスとコアコンポ−ネントの国際標準化」と「実装ソリュ−ション」の開発が進められている。国際公共電子入札の標準化作業は、JACICが今年9月にUN/CEFACTの会合で提案し、同組織のTBG6(international Trade and Business processes Group)で欧米各国(現在参加国確認中)も参加して実施される。 3. 地方自治体での利用 「岐阜県域統合型GIS」(http://info.nikkeibp.co.jp/g-xml/casestudy/gifu/01.html)がG-XMLで表現された地理情報の流通を実現する社会情報の共通基盤として構築されている。また石狩市では、「G-XML地域情報発信実証プロジェクト」(http://info.nikkeibp.co.jp/g-xml/casestudy/ishikari/01.html)が開始され、長年蓄積された行政GIS情報をG-XML化してWeb公開することにより、市民サービスの向上や地元企業の活性化対策など多方面での効果を期待している。このようなモデル実証は、市民サービスや企業支援としての行政GIS情報のあり方とその効果、個人・企業・NPO等でのG-XMLコンテンツの活用、すでに導入している統合型GISとの連携などを主要な研究テーマとしている。 4. XML利用に共通する課題 これらの動きの背景には、「認証とセキュリティへの対応」と「多様性(表現、構造、意味)に対応する実装」を、広く合意された仕様と技術の利用により実現しようとする取り組みがある。 「認証とセキュリティ」に関しては、現在の画一的なGPKIとセキュリティレベルでも自治体間の相互運用性に問題(統一プロトコルの欠如)が生じている。本格的なe-Japan実現には、用途と対象に合った認証方法とセキュリティを相互運用性のある製品で実現し、同時に認証とセキュリティの表現方法の標準化が不可欠であり、現在OASIS等によりWebサービスセキュリティを国際標準として規格化する作業が本格化している。また「多様性への対応」に関しては、広範囲に及ぶ分野とその異なる利用者層での連携を図るための標準化、また多様性を吸収する柔軟な構造と表現の言語採用、翻訳と編集を実現する実装方法が必要になる。これらの要求が、XML技術(レジストリ、スキ−マ、モデル表現等)の採用が検討される根拠になっている。 [補足説明]:ebXML仕様は、国際的なビジネスチャンスの発掘から契約合意、実際の商取引メッセ−ジの交換仕様までを範囲として、UN/CEFACTがビジネスプロセスとコアコンポ−ネントを、OASISはUDDI.orgとWS-Security標準を引き継ぎ、コラボレ−ションプロトコル、レジストリ/リポジトリ、メッセ−ジグ・サ−ビスをそれぞれ分担して標準化作業を進めている。日本の窓口はECOM(電子商取引推進協議会)である。
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