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戦略的電子購買

この記事のURLhttp://japan.internet.com/public/technology/20030122/1.html
著者:日本ユニシス 鈴木 勝
国内internet.com発の記事
■1. はじめに
最近戦略的購買という文字をセミナーや雑誌等で見かけることが多くなった。購買業務の目的は、いかに安く、簡単に、そして欲しいときに購入するのかということであり、戦略的購買にはそれらを実現する道筋を探して推し進めていくという意味が込められている。それを実現する手段が電子商取引の仕組みを利用する電子調達である。

電子商取引推進協議会が2001年度版として発表した資料[1]にも、マーケットプレイスなどの電子商取引に何を期待するのかというアンケートに対し、調達コストの削減、業務プロセスの改善、新規取引先の拡大を多くの企業が回答している。

■2. 民間企業の電子調達への取組みの現状
電子政府に関連しても、電子調達の推進は重要な課題であるが、まず民間企業が取組んでいる電子調達の現状とその主要な狙いを記述する。

 2.1 企業が電子調達に期待するもの
2001年8月にAMR Research社から出された報告書[2]によると、小売業と製造業におけるIT投資伸び率は電子調達関連への投資額が1999年から2000年にかけて約2.5倍に伸びている。バブルがはじけて以来、多くの企業が右肩上がりの売上げを期待できない中で、電子調達関連への投資を拡げている最大の目的は、調達金額の削減と調達プロセスコストの削減である。また、飛躍的なインターネット技術の進歩により、基幹業務へ適用することが可能になったことも大きな要因の一つである。

日本経済社会総合研究所がIT投資に対して企業は何を期待するのかを調査した結果、伸び率が一番高かったものが調達コストの削減、その次が取引先の拡大であった。2001年に電子商取引推進協議会がマーケットプレイス参加企業へどんな効果を期待するのかアンケートを取った結果、第1位が取引先の拡大、第2位が業務効率化、第3位が調達コスト削減であった。

つまりいかに経費を含めた調達コストを抑えるのかが企業にとって大きな目標となっている。第1位である取引先の拡大は、グループ企業も含めた従来の取引先だけではなく、新しい取引先を開拓することにより、調達コストを下げることに期待しているのである。調達コスト削減の具体的な例では、購買額1000億円の企業があった場合、10%下げることにより100億円の利益が増大することになる。つまり売上げを伸ばすことによる収益増ではなく、支払いを少なくすることによる収益増を狙っている。

 2.2 見積・商談機能の電子化
今まで人手を介してきた見積り及び商談については、インターネットの利用により、業務効率を大幅に改善することが可能である。しかし最も期待されるのが、リアルタイムの逆オークション(リバースオークション)機能である。この機能は、決められた時間内に取引先であるサプライヤが価格の競争を行い、競り下げていく仕組みである。種々の実績では、従来の購入価格よりも平均10%以上は下がっており、30%以上下げた企業もある。調達コスト削減のための切り札的機能と言える。

 2.3 電子カタログによる購買
電子カタログを利用することにより、標準的なプロセスで購入することが可能になるため、業務の効率化を図ることが可能である。また多くの企業では部署や工場ごとに、購入している物品や取引先が異なっていることが多く、逆に無駄な買い物をしている可能性もある。そこで電子カタログ化することにより、利用者は絞り込まれた取引先から購入することになり、結果として集中購買に近い機能を実現することが可能になるため、さらに価格を下げることを狙うこともできる。加えて汎用的な物品では、機能同等品の検索機能を入れることにより、メーカは異なるが機能は同じでより安いものを探すことが可能になるため、無駄なコストを抑えることもできる。

 2.4 他システムとの連携
購買業務を電子化した場合、経理システム、人事システム、予算システムと連携することが可能になる。また直接材では、生産計画に基づいた所要量計算による発注システムとの連携を行うことにより、全社を統一したプロセスによる購買の実現ができる。他のシステムとの連携は時には難しい場合もあるが、業務効率化の最大の狙いがここにある。

■3. 電子政府における電子調達の狙い
電子政府の分野においても、民間企業の狙いと共通するところが多い。電子調達については「平成15年度IT政策大綱」(平成14年8月:総務省)によれば、1)紙ベースで行われている政府調達の諸手続を電子化することにより、企業の負担軽減と行政事務の簡素化・効率化を図るため、各省庁と連携し、物品等の調達手続の電子化に取組み、調達情報の充実、調達手続の簡素化・統一化及び入札・開札の電子化を推進する必要がある、とされる。

政府調達手続の電子化は、1)政府調達情報の統合データベースを構築(平成13年6月から運用開始)、2)競争契約参加資格審査・名簿作成の統一基準に基づく新システム構築(平成13年度から運用開始)、3)インターネット技術を活用した電子入札・開札システムを導入(平成15年度中)、が唱われており、機構の改革を含めて、不具合の改善に向け大きく動き始めている。

ここでは特に次の2点を強調しておきたい。これらは当面の重要な課題を解決するきっかけになる。

(1) 公明性の確保
見積・商談機能の電子化によって、人手が介入する部分が少なくなり、公明な調達が実現しやすい。

(2) 調達工数の削減
調達業務の負荷を削減し、そのための要員を他の重要な業務に振り向けることができる。

○参考文献
[1]「e−マーケットプレイス委員会報告書― わが国のeマーケットプレイスの動向と展望 ―」
電子商取引推進協議会 eマーケットプレイス委員会 2002年3月発行
[2]「IT投資伸び率 AMR Research、August 2001」 AMR Research社 2001年8月発行


鈴木 勝

日本ユニシス株式会社
asaban.com事業部


提供:日本ユニシス次世代アウトソーシングサービス


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