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2008年9月5日
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電子申請・電子取引の要――電子フォームの実践的選定・導入のキーポイント

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1. 「紙」から「電子」へ

 電子政府/電子自治体の電子申請等手続の電子化については、使い易く、かつ高度な電子的入力、電子的(帳票)出力の手段がますます重要となっている。民間でも電子入力フォームを改善して電子取引・社内業務を高度化したいという引き合いが急増している。

 紙文書から電子文書へ移行する際に電子入力フォームや電子帳票の検討を始めてみると、現実は手探り状態だと感じられる担当者の方も多いのではないか。技術面、運用面等で考慮すべき定石はあるが、あまり知られていない選定・導入の際の留意点がある。

電子申請や電子取引は、ネットワークを通してエンドユーザーと直接関わることになるので、電子入力フォームや電子帳票は、単なるデータ媒体から意思疎通のツールに変わる。そこでどう選定し導入してゆくかが成否を分けることになる。

以下、電子入力フォームの場合を例として説明する。

2. 選定・導入のキーポイント

 電子入力フォームの留意点は、1) 検討・選定フェーズ、2) 導入準備フェーズ、3) 稼動フェーズ、で異なる。各々のフェーズで留意すべき事柄は次の通り:

2.1 検討・選定フェーズ ―最新テクノロジー利用という難しさへの対応
 電子入力フォームは多くの最新のテクノロジーを組合せて使うため、それら機能の比較に比重が置かれ過ぎるように思われる。対面でなくネットの向こうに利用者がいるわけだから、どのテクノロジーが本当に利用者の運用に有効かがポイントとなる。

提供者側の方々にとって、特に判りにくいことを3つに絞ってあげてみる。

●コスト/バランス:電子入力フォーム関連の直接的なソフト購入・運用・保守費用だけでなく、SI企業の対応、提供者側担当者の手間・操作性・教育、フォーム作成費用等々、直接購入費でない部分に非常に大きく差が出る。

●アクセシビリティ・デバイド:これも新技術を使うので担当の方々にとってわかりにくい部分だ。例えば、視力の弱い人のためにスクリーンリーダーで読上げる機能が必要との意見がある。確かに、情報提供型 WEB 画面を読上げるには有効かもしれが、これは項目入力と確認という操作が必要な電子申請に有効かといえば、現状での答えは“NO”だろう。音声技術面から考えると、音声ガイダンス機能で表題、項目を読上げ、不特定話者対応の音声コマンド(制御)機能あるいは点字キーボードから制御を行い、入力結果を音声で確認しつつ進めることが必要になる。また、視力の弱い人すべてが点字を使えるわけではない。身体的に不自由な方々への対応は勿論だが、この言葉の意味は、最近では情報操作が難しい状況の方々も含めて考えるべきとの意見もある。

●一般的な項目移動操作:多くの利用者は会社のPCや MS-Office 等へのデータ入力で、項目遷移や移動・改行等にリターンキーを使うことに慣れているので、HTML を使う電子入力フォームは使えないと聞いたことがある。不特定多数の利用者を相手にする場合はたとえエラー率が1%でも物凄い問合せやクレームとなりかねないので、注意を要する。

2.2 導入準備フェーズ ―不特定多数教育という難しさへの対応
 利用者が段階的に無理なくスムースに電子入力フォームを受け入れる方法が取り得るかが大きなポイントになる。何万人、何十万人を短期間に直接教育、徹底するのは現実的に不可能なので、これが重要だ。ここは意外と盲点となっているが、最も重要だ。何故なら、「紙から電子」という大きな変化にもかかわらず、利用者にとっては、次の稼動フェーズが助走期間なしに突然始まることになるからだ。

電子入力フォーム選択の大きなポイントがここにある。私どもはこの理由もあり、データ入力ができる PDF 入力フォームを提供している。例えば:

●印刷専用 PDF を現状ダウンロードされている提供者の場合、これを PDF 入力フォームに切替え、ワープロ感覚で利用者に入力していただきそれを利用者が印刷・捺印して申請する。このフォームには入力チェックや入力プロンプト等を組み込み、利用者の利便性を上げる。利用者も PDF なので違和感無く使え、同時に練習、教育ができてしまう。

●印刷専用 PDF を現状ダウンロードされていない提供者の場合、ダウンロード用に上記 PDF 入力フォームを最初から使用する。利用者が戸惑わないシームレスな移行ができる。

2.3稼動フェーズ ―日々の運用における難しさへの対応
 ここは実際に利用が開始された“待ったなし”の状況だ。ネットの向こうの何万人、何十万人もの利用者が日々利用するわけだから、利用者の運用に予想もしなかった様々な問題、改善事項や修正が出る。これに即時対応することが必要になる。

ここをしっかり検討しておかないと、提供者担当者、SI企業の担当者が長期間振り回されるだけでなく、利用者の反発にも繋がる事態に発展しかねない。特に、問題が前面にある電子入力フォームに集中するので、この点から以下が有効である。

●対応の迅速性が必要という面から、地域でフットワークの良いSI企業にこの電子入力フォーム・システムを担当させるという対策を取っておく。

●電子入力フォームのツール、特に設計ツールが、総務省などの仕様にどこまで対応しているかという点や設計ツールの実績が多くこなれている(運用が簡単)ことが重要だ。

3. 効果のレビュー ―テクノアクセプタンス

インターネットの急激な普及・進展が不特定多数の人と提供者を直接結びつけた結果、機器・ソフト等のマンマシン・インターフェースの評価の観点が揺らぎ始めている。「人に使い易い」より、電子申請に見られるように、「人に受け入れやすい」こと(受容性)が重視される。効果をここから測ることが必要と考えている。

「受容性」を定量化する。そのレビュー結果を反映したものも数量として把握することが大切だ。個人の受容特性別グループ単位に、時間軸を含めモデル化する。

これを「テクノアクセプタンス」と呼んでいる。効果の予想と結果を常にレビューし、問題点を捉え、ドリルダウンして分析することにより、問題の早期発見、新たな対応をタイムリーに行える。この結果、発生時点の問題解決でなく先見的把握が可能となり、不満の拡大を防止することは勿論、結果としてSIerやベンダーにも、新たなIT技術やノウハウ蓄積に繋がるものと考えている。

(注)技術的な詳細は、弊社のフォーム・ソリューションのWebサイトをご参照ください→ http://www.tsubasa-tool.com/doc/comform/

桝田 穣

翼システム株式会社
情報企画事業部/BigWing プロジェクトマネージャ


提供:日本ユニシス基盤ソリューション

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