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2008年10月7日
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金融機関における情報システムの再興

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1. 情報システムとの苦闘
電子政府、電子自治体の財務、税務に係る公金収納の電子化は、国民/住民が国税や地方税、行政サービスの使用料、手数料等をインターネット経由で支払できるよう、金融機関との間をマルチペイメントネットワークで接続する計画として全国で推進されている。ここに到って、金融機関の受け入れ準備が急速に動き出した。 

金融機関では今大きな動きがある。勘定系システムの再構築(オープン勘定系)である。背景には二つの要因がある。現行勘定系システムの保守疲労とオープンITによる刷新メリットである。

現行勘定系システムの多くは1980年代半ばMF(メインフレーム)で構築されたもので3次オンシステムと呼ばれている。堅牢性を第一にした日本を代表する大規模オンラインシステムである。このシステムが約20年のライフサイクルを経て、肥大化・複雑化による保守不安、運用コスト増、柔軟性の欠如や最新技術への対応遅れ、3次オン構築の中心メンバーであった団塊世代のリタイアが迫るなどの問題に直面している。

1990年代、3次オンに続く4次オンシステムは検討されたが実現した金融機関はほとんど見当たらない。不良債権問題やコアの利鞘ビジネスの落ち込み等から、巨額なシステム再構築の一斉投資はできる状況になかったからである。

経営環境が厳しくなったが1990年代は各種制度対応、営業店改革、新商品・新サービス開発、インターネット/モバイル等のオンラインチャネル提供、リスクマネージメント強化、合従連衡によるシステム統合、業務アウトソーシング等の案件が目白押しに発生し、これらのためのシステム新規投資は現在も続いている。

システムコスト削減を行うものの新規投資が続くという形でコスト面では大きな成果をあげることはできなかった。また、この時期のシステム対応はMFシステムのコストダウンを図る傍ら新規案件をオープン技術で構築するという分散協調形態が広がり、情報系、フロント系、ポータル、イントラネット系等がオープンシステムで構築されるようになった。インターネットが取込まれオープンの技術経験は深められた。システム投資はオープン系へシフトされたがシステム投資全体に占める割合はまだ圧倒的にMFシステムの方が高く、今後もコストダウン努力は必要になる。

分散系システムが拡大する一方で新しい問題も浮かび上がっている。異なるアーキテクチャーが混在することによるシステムの整合性や問題切り分けの難しさ、インターネットを中心に広がるネットワークとブロードバンド等の高速ネットワークへの対応、複雑さを増したネットワーク管理とセキュリティ確保、電子政府や電子自治体の進展とユビキタスネットワーク社会への調和である。

2. 勘定系システムの再興
オープンITはこの10年で進化し、信頼性を向上させている。ミッションクリティカル基盤、ネットワークハブ、ソフトウェアラッピング技術、プラットフォームを選ばないミドルソフト、Java、XML、WEB 技術等の新技術も、多くのシステムに実用化されることで成熟度を高めている。

金融機関の勘定系のような大規模システムを構築するのはMFでも難しい。オープンITでも同様であるがシステムインフラや要素技術、構築ツールが整備されたことと相当の開発経験と構築実績から、オープンだから出来ないということは無くなっている。オープンITの良さである使い易さ、保守性、ベンダーフリー、コストダウンというメリットが大規模システム構築においても享受できる環境が整ってきているのである。

さて具体的な対応であるが、かつては新規一斉構築方式が取られたが現在では選択肢の幅が広がっている。ソリューションパッケージ、共同開発(システム全体、業務単位)、共同センター、アウトソーシング、自前開発等がある。どれを選択するかは金融機関の規模、経営戦略により分かれてくる。

ソリューションパッケージは現行勘定系の場合ほとんどがMFベースであり、地域金融機関を中心に導入されている。近年オープンベースの勘定系パッケージがニュースになっているが現在のところ稼動実績は少ない。業後の膨大なバッチ処理が課題である。金融機関と大手ベンダーによる共同開発も進められており、完成後はソリューションとして期待される。

共同開発は同業態の中でいくつかの金融機関が集まり、業務の一部あるいは業務全体を共同で開発するもので今後益々増加すると考えられる。

共同センターはシステム投資を極力押さえたい中小金融機関等に多い選択肢であり、業態ごとの共同センターへの集約が考えられる。特定業務の共同センター化も今後進むことが考えられる。

アウトソーシングは共同センターも含まれるが金融機関の規模の大小を問わず拡大する傾向にある。新技術の追求方法やシステム自営か外部リソース活用かは経営上の重要な選択肢になっている。

自前開発は大手金融機関で考えられるがこれまでのような一斉開発では無く、ゴールを見据え段階的にシステム構築が進められることが考えられる。完成目安は3〜5年後が予想される。

金融機関がこうしたシステム刷新を契機に、新たな競争力確保と新たな金融サービス業としての方向性を見出し、顧客第一がお題目に終わらない真の顧客視点から考えられたシステム構築に繋がることを期待したい。

金融機関のマルチペイメントによる公金の電子収納が平成16年に予定される一方、省庁・県市町村と民間企業・市民の間で各種申請・届出業務においても電子化が進んできている。電子政府、電子自治体、ユビキタスネットワーク社会への進展は今後金融機関も巻き込みながら、電子化への対応を迫ってくるのである。

松本 孝

日本ユニシス株式会社
金融第1事業部/金融企画推進部/企画室


提供:日本ユニシス業種別ソリューション−−金融

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