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2009年11月21日
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地域コミュニティという名の内圧

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e-Japan や電子自治体は、失敗に瀕していると言う声が一部にある。その理由は国民や住民に対する配慮が少ないということである。その声を受けてか、「e-Japan戦略 II(案)」では、「電子政府は行政側が準備して国民に与えるもの」という意識から脱却し、「政府とは、国民が税金を出し合って国の経営を共同で行う仕組みである」という発想へ転換を行っているように見える。新たな重点計画7分野のうち、「1. 医療」「2. 食」「3. 生活」を先頭に持ってきたことからも、国民の生活者視点にたって行政サービスを実現していこうという思いがやっと伺えるようになった。更に、民間や NPO/NGO の第三セクターに対して、さまざまな角度から主体的に関与するよう呼びかけている。

一方国民の生活はどうか? 都心ではあまり水道水をそのままでは飲用しなくなり、ミネラルウォーター類が飛ぶように売れている。中国産の農薬漬け野菜は売れ残る一方で、有機栽培の野菜、無農薬の野菜が飛ぶように売れている。マイナスイオンやアルカリ性等々の身体に良いと言われる成分入りの化粧品や食品加工物、遠赤外線、磁気等々の生活消耗品や機材、健康食品やサプリメント、アロマテラピーや癒し系のサービス、それに漢方等の民間療法がもてはやされている。

経済的に豊かになった国民が今一番注目しているのは、命に関わる医療、食事等の生活の分野であろう。国民の関心は、自然との共存を計りながら、生活の質をあげ、健康を自衛することへ移りはじめている。このように人々の志向や関心が、自然や人間中心の健康や家族等に戻り、生活の質の向上を追及していく上で、行政や企業が果たすべき社会的責任や役割が問い直され変化しつつある。

「自然との共存」とは言うものの本当にほしいもの(自分に必要なもの)は実は自分では分かっていないのではないか? 単に、行政側の規制や支配的事業者の締め付け、企業やマスコミの宣伝情報に煽られたり、はたまたラベル表示程度の少ない情報を頼りに、何となく選択をしているに過ぎないのではなかろうか?ましてや、行政は事故が起きてからしか情報を開示しないし、最悪の場合は隠してしまう傾向がある。

このような現状を憂いて、地域のコミュニティーを中心に住民一人一人の立場にたったボランティア事業を展開しているNPOや第三セクターが増えてきている。例えば、ある NPO では、髪の毛数本や唾液を提供されると、その顧客のビタミン成分や必須ミネラル成分の検査および DNA 鑑定等により、今後、発症する可能性のある疾病を予測し、摂取すべき栄養分を自然の中から取る方法や献立等の情報を提供している。またある海外医療協会の日本支部では、西洋医学だけでは限界があると考え、集まった私立大学の医者800人を中心に、海外で成功した成人病の特効薬(自然物に限る)の情報を正確に伝達しあう組織作りをしている。

NPO をはじめ第三セクターは、まだまだ未成熟分野だが、その中立的な立場と専門的なノウハウを上手にアグリゲート(深耕)し、行政等と連動すれば、住民の本当に願っているニーズを抽出できる。これらのニーズを利用したい企業顧客も相当な数になるはずである。情報収集にあたっては、ユビキタス技術や RFID のタグ技術も大いに利用可能だし、情報利用にあたっては、データマイニング技術やセマンティック WEB 技術の応用も広がる。

中立的かつクリーンなIT専門事業者であれば、必要に応じて NPO や第三セクターと協業し、そのデータのセキュリティーを確保しながら、情報を正しく収集し、正しく情報を利用してもらうことで、自治体あるいは企業顧客に新たなる顧客価値創造を与え続けることが可能となる。これは、旧来の外圧とは異なり、e-Japan における自発的な「内圧」を形成する。そうすることで、もう一度、いや初めて、政官業と国民との相互信頼関係を築いていけることになるのではないか?

e-Japan という概念を、いたずらにバブらせるのでなく、我々一人一人が高い社会的問題意識というアンテナを張り巡らせ、国民不在の社会システムでなく、真に国民の生活者視点に立って、新たなる情報源から情報を正しく収集し、正しく利用できることが、e-Japan を盛り立てることになる。

縄田 好寿

日本ユニシス株式会社
アドバンストテクノロジー本部/Asaban.com センター


提供:日本ユニシス電子政府・自治体ソリューション

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