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2008年9月5日
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事業経営を支える学習基盤アーキテクチャ

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1. 事業変革への対応

ITの進化とともに、経済のグローバル化、ネットワーク化が進む中、雇用環境も大きく変化している。人材の流動性は高まるとともに個人の専門性が問われるだけでなく、環境の変化を感じ、自ら問題を発見し、解決に導くことのできる人材が望まれている。事業経営においても、知的資本を競争優位に据えようとする動きが活発である。すでに、企業や行政機関はリエンジニアリングなどの構造改革を進めているが、あわせて変革を支える人材を育成する戦略策定と実施が重要とされてきている。

2. e-Learning の特徴

e-Learning は、いつでも・どこでも・誰でもが好きなときに学習できる環境を提供できるため、学習者を地理的・時間的制約から解放するだけでなく、学習を提供する立場にとっても、多人数へのサービスを同時に実施できることや、学習履歴や理解度などの把握が容易なることから、事業体のスキル管理や人材モデルと連動などさまざまな効果を発揮するものとして期待されている。

e-Learning システムは、システムを構成するプラットフォームとシステム上で稼動するコンテンツに分けられる。プラットフォームは、主に教材の配信、および学習状況や利用者情報・コース情報などを管理する機能を持っている。一般的にこのような機能を持つソフトウェアは LMS(Learning Management System)と呼ばれる。一方、コンテンツとは、学習教材やそこに含まれる画像や音声などのマルチメディア・ファイル、学習に関連する他の Web サイトなどである。

e-Learning において注目されている WBT(Web Based Training)は、Web アプリケーションのサーバー機能に該当する LMS と、HTML ファイルや Java アプレット、各種プラグインなど標準のブラウザで動作する Web コンテンツから構成される。

3. 新しい学習モデルを実現する e-Learning の技術

e-Leaning といえば、集合研修で使用していた教材や業務マニュアルといった類の素材をデジタルコンテンツ化すれば、すぐに配信できる手軽さからか、どうしてもコンテンツ配信に注目が浴びているが、本来は、インターネットの双方向性を活かしたコミュニケーション技術の利用による双方向型学習への期待が大きい。

コミュニケーションを支える技術としては、参加者が必ずしも同じ時間にアクセスしなくてもよい非同期型コミュニケーション技術(電子掲示板、電子メール)や、同じ時間を共有する同期型コミュニケーション技術(チャット、インスタントメッセージ、TV会議)、学習環境を共有するためのアプリケーション共有技術(画面キャプチャリング、電子ホワイトボード技術)などがある。いずれも、すでにグループウエアやコミュニティ支援技術として研究開発されてきた技術だが、これらを学習・教育という観点から e-Learning に適用することで、ネットワークによる双方向性を活かした学習方法を実現し、これまでの集合教育主体の学習環境を大きく変え、学習に参加する人たちの関係性を変革させる効果が期待できるからである。

つまり、誰でもが、いつでも、どこでも学習に参加できるようになったことで、指導者からの一方的な学習ではなく、学習者が主体となるだけでなく、誰もが指導者であり学習者となり得る新しい関係性を生み出す可能性を持っている。最近では、学習者の OneToOne 環境を提供するためのパーソナライズ技術、学習効果を計るために学習ログやコミュニケーションログを解析するテキストマイニング技術などが適用されてきており、いわゆるEビジネスとして発展してきた技術が多く取り入れられている。

4. 事業体の知を活性化させる学習基盤へ

ビジネスの世界では、氾濫する企業内情報の統合や、ビジネスプロセスの統合、ナレッジマネージメントへの対応として、企業情報ポータル(EIP)や企業ナレッジポータル(EKP)への取り組みが進んできている。

このような流れに対し e-Learning システムも、学習という切り口から他の業務システム同様に事業体を支える学習基盤システムとしての役割を担う必要がある。最近、集合教育と WBT などの e-Learning をあわせたブレンデッド・ラーニングによる形態が増えてきていることや、コミュニケーション技術を活用した新しい学習モデルを実現することを考えると、LMS の管理すべき情報は、単に e-Learning のコンテンツを学習したかどうかといった情報だけではなく、さまざまな学習に関する情報を管理するシステムとして位置付けなければならないからである。

そこで必要となってくるのが、LMS をどう位置づけるか、e-Learning システムをどういった構成にするか、である。現在、LMSは、e-Learning のプラットフォームとして学習提供者と学習者の間を、配信された学習コンテンツを介して繋ぐ役割を担っているが、e-Learning システムを EIP のようにポータルシステムを介して、WBT システムやコラボレーション基盤、グループウエア、コンテンツ配信システムなどの各種サービスを提供していくシステムとして考えると、LMS はこれらのサービスを支える学習基盤システムとして位置づけられる。

このような発展的な e-Learning システムは、LMS を中核として各種学習サービスを提供しつつ、事業体のナレッジマネージメントシステムや業務支援システムなどと連携することで事業体の知識基盤としての役割を果たすことができるようになる。そのためには、さまざまなアプリケーションシステムと連携できる、柔軟で長く使えるアーキテクチャが必要である。

宮脇 亨

日本ユニシス株式会社
サービスビジネス開発本部/ユビキタステクノロジ&サービス部


提供:日本ユニシス教育ソリューション&サービス

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