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2008年9月5日
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Video On Demand(VOD)コンテンツ作成に必要なオーサリング機能について

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1.利用拡大期に入った e-Learning と VOD コンテンツ

時間と場所の制約を受けない学習方法として e-Learning が注目を集め、2003年には1,500億円規模まで市場が成長したとも言われている。

近年、市場にリリースされるコンテンツの分野を見ると、プログラム言語やデータベースなどのITスキルに始まり、ビジネススキル、語学学習、各種資格試験対策、そして環境対策、情報セキュリティ教育、コンプライアンスなど企業における社会的責任 CSR(Corporate Social Responsibility)の分野まで、広範囲に渡っている。

このことより、e-Learning 化は一部の大企業や教育機関が先駆的に利用する段階から、中・小規模の企業から自治体まで一般的な組織において利用拡大期に入ったと言える。

このような状況において、映像・音声・スライドが一体となった Video On Demand(VOD)コンテンツが注目を集めている。

VOD コンテンツは、従来のホームビデオ型教材におけるセミナーや研修の臨場感の再現と、ブラウザを利用した WBT(Web Based Training)型教材のテキスト主体の学習を可能にする点で、それぞれの特徴を併せ持つことから学習者にとって受け入れやすい学習形式と言える。

これまでこうした映像・音声と言った動画をコンテンツとして扱うには、映像配信用サーバの整備、ブロードバンド・ネットワークの整備,オーサリング専用のソフトウェア&ハードウェアなどコスト・技術面での課題があったが、現在では社会一般に各種インフラストラクチャが整備された結果、こうした課題克服も以前ほど困難ではなくなっている。

VOD コンテンツすなわち e-Learning コンテンツの"量産"が可能となる状況が整ったわけではあるが、セミナーや研修の実施と同時にコンテンツが作成できる/既存のホームビデオを映像ソースとして取り込める/録画した内容の編集機能の充実など、実際に効率よくコンテンツを作成するにはオーサリングツールの機能性に左右される点に留意する必要がある。

2.VODコンテンツ作成に必要な機能要素とは

本稿における VOD コンテンツ作成とは、セミナーや集合研修において講義や発表を行うと同時に、オーサリングツールとPCに接続されたビデオカメラで録画を行うことでコンテンツを作成する場合を想定する。

・音声:講師音声の音質は、学習者のモチベーションの維持に大きく影響する。このため、オーサリングツールとして、マイクを直接PCの音声入力端子と接続し、それをコンテンツの音声入力として扱えることは、音質の向上に必要である。

・映像:映像の取り込みには、家庭用のホームビデオ カメラを利用して講義を撮影することが一般的でであるが、これらの機器を映像入力として扱うためには IEEE1394 規格の入力ソースを扱えることとが必要である。加えて簡易な映像取り込み機器として利用されている USB カメラを映像入力として扱えるために、USB 規格の入力ソースに対応していることも必要である。

・コンテンツの素材:コンテンツの素材として扱えるファイル形式は、一般的に普及している PowerPoint を利用して作成したスライドに加えて、Word/Excel/PDF や HTML ファイルなど種類が豊富なことが、コンテンツ作成を推進するために望ましい。

・コンテンツの作成:実際の講義・発表では、スライドをプロジェクタなどに全画面サイズで表示し、進行に対応してスライドを進める。スライドには、伝えたい情報を強調させるためのアニメーション効果などが組み込まれることもあり、こうした一連の操作がコンテンツとして記録され、講義が終了すると同時にコンテンツも作成されること、いわゆる"Capture&Go"の機能は、コンテンツ作成の生産性に大きく影響するため、オーサリングツールの機能性評価に重要な意味を持つ。また、講義を行う発表者にとって、コンテンツ作成を意識せず講義に集中できる点からも有益である。

・編集機能:講義の終了と同時にコンテンツができあがる"Capture&Go"は、コンテンツ制作に望ましい方法ではあるが、実際の講義では、聴衆からの質問や時間の制約上、スライドのスキップやプレイバックなどが発生する。コンテンツの完成としては、こうした"ライブ"特有のハプニングの編集も必要な要素となる。オーサリングツールには、動画・音声の分割や結合や削除、スライド単位の追加/削除/差し替え、スライドのタイトルの変更と言った編集機能が求められる。

・コンテンツ形式:作成されたコンテンツは,ネットワークを利用した配信のため Web サーバへ搭載できるファイル形式で出力できることが必要となる。加えて exe ファイル形式や圧縮ファイル形式の出力機能が備わることにより,それらを CD-ROM に複写し配布することが可能となりナローバンド ユーザーにもストレス無くコンテンツを利用いただくことが可能となる。

・SCORM 規格(注):コンテンツの相互利用性向上のため、e-Learning の国際標準規格として SCORM が普及している。コンテンツの相互運用性、すなわち作成したコンテンツを異なる LMS(Learning Management System)製品においても配布するのであれば、コンテンツの出力形式の1つとして SCORM 形式がサポートされていることが望ましい。

3.VODコンテンツの利用拡大に向けて

e-Learning を学習と捉えると、セミナや研修のコンテンツ化へ結びつくが、VOD コンテンツが映像・音声・テキストと言った3つの要素から構成されている点に着目をすることで、つぎのような利用用途へも応用が可能である。

・機器・設備などハードウェアの操作・保守用業務マニュアルのオンライン化
・制度や要綱の趣旨・手続き説明など業務プロセスの浸透・推進・変革に向けた情報伝達
・地域コミュニティの活動や観光・レクリエーション情報の映像化

VOD コンテンツを利用した教育,情報発信にあたっては,その目的と内容の明確化(開発企画提案)、学習目標の設計、知識・情報を伝達する手段(VOD コンテンツ、テキスト/マニュアル、集合研修など)の選択と言った一連のコース設計プロセスをおろそかにすることはできない。

合わせて、学習への動機付けとして、教育・情報伝達の狙い、期待される学習効果などを知識・情報の受けてである学習者のベネフィットとして、コンテンツ提供者と共有する必要がある。

弊社では,これら教育コース全体の企画、設計、実装、運営、評価およびフィードバックに渡る一連のプロセスをインストラクショナル デザイン技法「UNIKIDS」として発表し、VOD コンテンツ作成を始め研修設計やテキスト設計に用いている。

e-Learning をキーワードにコンテンツの作成と配信環境が充実した今日、学習者は受動的な学習という姿勢から、コンテンツ作成者として自ら知識と情報発信の起点となり得る能動的な役割を果たすことができる。こうした認識が高まることで、VOD コンテンツを通して e-Learning の利用・発展が期待できる。

(注)SCORM(スコーム:Shareable Content Object Reference Model):アメリカ政府が進める標準化団体ADL (Advanced Distributed Learning Initiative) が策定した学習管理システムと学習コンテンツの相互運用性を高めるための規格。

嶋崎 嘉則

日本ユニシス・ラーニング株式会社
e-Learning 事業推進部


提供:日本ユニシス教育サービス



 
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