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運用管理標準「ITIL」とは

この記事のURLhttp://japan.internet.com/public/technology/20040728/1.html
著者:ユニアデックス 古川 博康
国内internet.com発の記事
ITIL(IT Infrastructure Library)とは、英国政府商業室 OGC(Office of Government Commerce)が公的機関及び欧米のIT先進各社の運用管理業務を調査し、IT運用の知識・ノウハウを集め、ITサービス管理のベストプラクティスとして明文化した書籍群のことである。 ITの最適化、IT成熟度向上を目的に、すでに世界17か国で ITIL の導入が進んでおり、ITIL はITサービス管理のディファクトスタンダード(国際標準)として認知されるようになってきている。

ITIL は1980年代後半に開発され、ビジネスとITをつなぐ領域として現在8分野8冊で構成されている。その中心は「サービスサポート」と「サービスデリバリー」の2分野である。

「サービスサポート」とは日常的な運用とユーザーサポートの管理手法を定義しており、サービスデスク/インシデント管理/問題管理/構成管理/変更管理/リリース管理の1機能と5プロセスで構成されている。

「サービスデリバリー」はどのようなサービスをビジネスが要求するかに焦点を当て、中長期的な計画と改善を考察している。サービスレベル管理/可用性管理/キャパシティ管理/ITサービス財務管理/ITサービス継続性管理の5プロセスにて構成される。

この中核的な書籍を、ハードウェア基盤管理から事業継続性管理にわたる論点を網羅した6分野の本が補完している。6分野とは、サービス管理の導入計画、ICT基盤管理、セキュリティ管理、アプリケーション管理、ITサービスビジネスの展望、ソフトウェア資産管理である。

なお、書籍は現在でも更新され成長し続けている。著作権は英国政府が所有するが,その使用には制限を設けない共有財産(パブリック ドメイン)と位置付けられている。

ITILの特徴と動向

ITIL の特徴は運用管理フェーズにおける全体フレームワークが体系化・整理され、そして公開されたことである。しかもプロダクトやサービスに限定されないプロセス重視のベストプラクティスとして書籍化されたことで、汎用性が高く、かつ入手が容易なため、多くの企業が自社システムへの適用を検討している。

ITIL の普及促進を目的とした非営利団体「itSMF」(it Service Management Forum)は1991年に英国で設立され、日本では2003年9月に itSMF Japan が設立された。

また、プロセスを支える“人”に関しても世界共通の認定資格制度によって育成が進んでおり、ITIL は着実に日本でも定着しつつある。

さらに、ITIL の上位に位置付けられる英国規格「BS15000」は、2003年7月に認証システムができあがり、世界で認証取得の機運が高まってきており、ITIL はその実装における具体的なガイドラインとして、ますます注目を集めていくであろう。

ITILの概念

1)顧客志向:
「ITこそがビジネス、ビジネスはITそのもの」という言葉が浸透しつつあるが、ITIL ではビジネスとITのバランスを説いており、ITをビジネスと密着させて考えるという方針を採っている。

「サービスデリバリー」の中心プロセスはサービスレベル管理であり、顧客との関係に重点を置き、SLA(Service Level Agreement)/SLM(Service Level Management)を通じて、プロセス全体を改善することを目的としている。

2)プロセス主導型アプローチ:
ITIL では3つの“P”、Process、People(管理者、ITスタッフ等)、Product(ツール、技術等)を効率的かつ効果的に活用するためのガイドラインが定義されているが、特にプロセスを中心に言及している。

プロセスを測定できる方法での目標達成を狙いとした一連の活動を定義し、エドワード・デミング博士が提唱したクオリティループのコンセプトに基づき PDCA のサイクルを回し、プロアクティブで継続的なプロセス改善を目的としている。

古川 博康

ユニアデックス株式会社
ソフトウェアサービス事業グループ 担当部長


提供:日本ユニシス日本ユニシス



 

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