地方自治体の共同アウトソーシングの行方
■ 総務省と都道府県毎の共同アウトソーシングの取り組み
総務省は、電子自治体の実現に向けてシステムの共同利用による IT 投資の削減と業務改革が実現する「共同アウトソーシング事業」に取り組んでおり、本年度からはシステム最適化を目指す「電子自治体 EA 事業」を開始した。一方で、各都道府県では共同利用協議会を設立し電子申請・電子調達システム等の共同利用が一部で実施されている。 しかしながら、全国的な市区町村での共同利用は、これまで検討されてきているが実現度合いが低い状況であることから、今後の共同アウトソーシング活用の方向性について、現在の動向を踏まえ検討してみる。 ■ 総務省と都道府県毎の共同アウトソーシングの動向 総務省は、2002年度から共同アウトソーシング事業に取り組んでおり、これまでに電子申請などフロントシステム、財務会計・人事給与等の内部情報系システムなどのモデルシステムを開発してきており、2005年度からはレガシーシステムである住民記録・税等を対象とした電子自治体 EA 事業に取り組み始めた。 一方、都道府県単位の共同利用については2001年頃より協議会を設置し、現在47団体中14団体で電子申請・電子調達システムの共同運用が開始されている。しかしながら、都道府県毎の共同利用については、都道府県内の市区町村における人口規模による共同利用負担額等が事由で、協議会に参画しない自治体(政令指定都市、中核市等)が多く、共同利用の実現がされず、参画しない自治体が個別で取り組んでいる状況である。 現在の地方自治体動向としては、国の各府省が取り組んでいるレガシー刷新と同様にレガシーシステムのオープン化による IT 投資(TCO)削減を最優先課題として取り組んでおり、中核市レベル(人口30万〜60万)の先行自治体が多くなってきている(最近、講演会・セミナー等で話題となっている東京都葛飾区・神奈川県横須賀市・佐賀県佐賀市等が実現している)。 このような動向から、更なる地方自治体の共同アウトソ−シングへの取り組みが必要となり、地方自治情報センター(LASDEC)が事務局とする「共同アウトソーシング協議会」が、本年9月に設立され活動を開始したところである。 ■ 地方自治体の共同アウトソーシングの方向性 これまで人口10万人以下の自治体では、レガシーシステムを中心に IT ベンダーが提供するパッケージシステムを導入し、10万人規模以上の自治体では個別開発・導入をしてきた。現在は、地方分権化と財政難を契機となり、中核市レベル(人口30万〜60万)の自治体を中心に IT ベンダーが提供するオープンシステムのパッケージ活用することで、汎用機からの脱却による TCO 削減を実現している。 このような動向は中核市レベルの自治体が中心となり、更に推進されていく方向である状況から、国および都道府県が推進する共同アウトソーシングの活用は、人口10万人以下の自治体が対象となると考えられる。中核市レベル以上の自治体での共同アウトソーシング活用は、電子自治体で求められる新規業務システムである電子申請・電子調達などのフロント業務に留まると考える。 最後に、今後の共同アウトソーシングの活用・推進については、平成の大合併である市町村合併が2005年度末で一段落することから、合併により情報システムの統合または再構築が必要となる自治体で活用されることを願う次第である。 関連記事 最新トップニュース
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