健全で安心できる社会の実現に向けた地方自治体の取り組み提案(後編)平成19年4月5日に IT 戦略本部より発表された「IT 新改革戦略政策パッケージ」の目標とされている「健全で安心できる社会の実現」について、特に医療制度改革に係る国の施策内容に基づき地方自治体として法制度対応を含めた独自の取り組むべき施策(事業)を前編・後編の2回に分けて提案します。
前編では、国の医療制度改革を背景とし、地方自治体が地域に根ざした「健やかに暮らせる町作り」を実現するために、行政・住民・関係機関が協力した「地域医療連携」事業の期待される効果・関係機関の役割について説明しました。 ここでは(後編)、先行(成功)事例である「加古川地域保健医療情報システム」の紹介と、弊社が提案する「地域医療連携システム」について説明します。 1.加古川地域保健医療情報システム事例 <1>加古川地域の概要 ■地域:一市二町(加古川市、加古郡稲美町、播磨町) ■人口:約33万4,000人 ■医師会:加古川市加古郡医師会(一市二町の行政エリアと同一) ■医療機関数:200か所(平成18年3月末現在) ■基幹病院:兵庫県立加古川病院、加古川市民病院、甲南加古川病院、神鋼加古川病院 <2>システム化の経緯 (1)コンセンサスの確立期(昭和63〜平成2) ・一市二町、医師会、地域団体、商工会議所、保健所等の各関係機関とのコンセンサス確立 ・基本設計の策定 ・住民ニーズアンケート実施 ・医療スタッフアンケート実施 ・部会の開催(検査健診部会をはじめ7つの部会を各部会とも10回程度開催) (2)モデルシステム検証期(平成3〜平成5) ・オンライン IC カードシステムの基本機能の検証 平成3年度 10医療機関 平成4年度 20医療機関 平成5年度 30医療機関 ・サーバー機能システム供用開始 ・金融機関提携 IC カード発行開始 ・通信インフラの切り替え(TCP/IP の導入) (3)正式供用開始期(平成6〜) ・加古川地域保健医療情報センターを開設し、平成6年にシステムの正式供用を開始して以来、平成18年3月末現在で約6割の122か所の医療機関と一市二町行政保健機関や消防本部、夜間急病センター等で運用
(詳細は、Web サイト「加古川地域保健医療情報システム」を参照願います) 以上が、成功事例としての概要であります。運用開始までの期間が約6年を要したことが、相当苦労されたと理解するところであります。 現時点においては、国の法制度改正および政策動向から関係機関によるコンセンサスの確立と情報システムの基盤構築が短縮される見込みとなりました。 2.新たな取り組み提案としての「地域医療連携システム」概要
図2で示した地域医療連携システムについては、国も重点政策・推進支援を実施しており、以下の期待される効果があるとしています。 (1)利用者に係る情報(持病、アレルギー、薬歴・検査歴、急変時への対応等)の伝達による適切な医療確保 (2)診療画像、検査情報等の円滑な情報交換 → 診療において活用 (3)遠隔医療の推進 (4)専門医への紹介、セカンドオピニオンへの円滑化 (5)重複・不要検査等の是正 さらに、生涯にわたる健康情報の効率的な利活用として、 (1)健診・診療情報等を電子的に入手・管理し、個人が日常の健康管理に活用 (2)個人が健診・診療情報等を医療機関に提供し、適切な医療を受ける 現在、全国で地域医療に係る取り組みが先行して行われております。今後は、地域の行政・住民・関係機関等の相互協力による積極的な取り組みにより、「安心・安全な地域社会」の発展と住民が健康維持することで、元気なまちづくりの向上を望みます。 森山 勉 日本ユニシス株式会社 官公庁事業部/官公庁ビジネスセンター シニアコンサルタント 関連記事 最新トップニュース
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