社会保障カードの在り方についての考察と提言10月17日に、「社会保障カード(仮称)で使用する『社会保障番号』の在り方」について、検討会の動向と社会保障番号の在り方のレポートをさせて頂いた。その後、「公的個人認証サービスの利活用のあり方に関する検討会(第6回:平成19年11月15日開催)」において、公的個人認証サービスの利用拡大として社会保障カードへの適用が国民の利益になるとされている。
本レポートでは、社会保障カードと公的個人認証サービスに関する最新動向を紹介すると共に、社会保障カードの実現における考察と提言をする。 1.国(検討会)の最新動向 (1)社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会の動向 平成19年12月7日に第4回社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会が開催されました。第4回検討会では、11月中に4回開催された作業部会における意見交換結果の報告と、本年中の基本構想の取りまとめに向けた議論の整理について検討されました。 作業部会は、年金・医療・介護に関係する団体を1回あたり4〜5団体で社会保障カード(仮称)についての意見交換が行なわれ計18団体からの意見が出されました。 意見交換結果については、制度設計に対する意見(総論的意見)、被保険者証・資格確認に関する意見、被保険者番号に関する意見、情報閲覧に関する意見、カードの要件に関する意見、検討会の在り方への意見、その他に整理されています。 意見内容は賛否両論を含め広範囲の意見が出されていることから取りまとめの困難が想定されます。基本構想においては、多くの関係団体からの意見を充分に検討した旨の報告になると思われます。 (2)公的個人認証サービスの利活用のあり方に関する検討会 平成19年11月15日に第6回公的個人認証サービスの利活用のあり方に関する検討会が開催されました。第6回検討会では、本検討会の設置要領(案)・運営(案)が報告され、総務省自治行政局より論点整理の概要と e-Tax との連携による公的個人認証サービスの普及拡大方策の説明があり、続いて本検討会における検討の進め方(案)、公的個人認証サービスによるオンライン認証の提供の報告・説明がありました。 最後に、質疑応答・意見交換がなされ注目される意見としては、「社会保障カードの話が出てきたことは公的個人認証サービスにとって絶好の機会であり、これをベースに展開することが国民の利益のためになると考える」でありました。 2.社会保障カードの在り方への考察と提言 (1)社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会(作業部会)の考察 4回の作業部会における18関係団体からの意見交換結果内容を考察します。 <1>制度設計に対する意見(件数:12件) ア.利便性等においての賛成意見:4件 イ.一元化への反対意見:4件 ウ.制度上の検討事項の意見:4件 <2>被保険者証、資格確認に関する意見(件数:12件) ア.利便性等においての賛成意見:4件 イ.一元化への反対意見:4件 ウ.制度上の検討事項の意見:4件 <3>被保険者番号に関する意見(件数:3件) ア.利便性等においての賛成意見:1件 イ.一元化への反対意見:1件 ウ.制度上の検討事項の意見:1件 <4>情報の閲覧に関する意見(件数:4件) ア.利便性等においての賛成意見:2件 イ.一元化への反対意見:2件 <5>カードの要件に関する意見(件数:5件) ウ.制度上の検討事項の意見:5件 <6>検討の在り方への意見(件数:5件) イ.検討会への批判意見:4件 ウ.検討会への検討事項の提言意見:1件 <7>その他の意見(件数:5件) ア.利便性等においての賛成意見:2件 ウ.制度上の検討事項の意見:3件 以上の意見結果による考察(ア.イ.ウ)は、筆者の判断でありますので了承願います。また、ウ の制度上の検討事項の意見は賛成意見と解釈できます。 意見結果の総括としては、関係団体の3分の2が賛成で3分の1が反対と言えます。賛成意見・反対意見の関係団体が非公開となっていることから、これ以上の考察は省略させて頂きます。 (2)社会保障カードの実現に向けた提言 今回の実現に向けた提言としては、制度設計の視点て述べることに致します。 <制度設計における提言> 制度としては社会保障の観点から、年金・医療・介護のみではなく国の制度となる社会保障全般で利用できるカードを視野に入れるべきと考えます。 具体的には検討会でも討議されている健康カード(社会保障カード以前の呼称)として電子私書箱(仮称)への活用があります。公的な IC カードが多数存在することは避けるべきであります。 設計上においては、新たな認証基盤によるシステムを構築するのでは無く、多大な投資により構築した公的個人認証サービスを活用すべきであります。住基カードも、これまでセキュリティ上に問題があるとされてきましたが、現在のオンライン認証においてセキュリティが確保されていると考えます。 社会保障カードによる新たな認証基盤等の仕組みの構築は、多大の情報化投資(国民の視点における二重投資)を必要とし、新たなセキュリティ問題が浮上することになります。 社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会および公的個人認証サービスの利活用のあり方に関する検討会の双方においては、構成員としての有識者以外に内閣官房・総務省・厚生労働省の出席により開催されていることから、府省横断とした制度設計を国民の利便性の観点から望むものであります。 森山 勉 日本ユニシス株式会社 官公庁事業部 官公庁ビジネスセンター シニアコンサルタント 関連記事 関連テーマ 最新トップニュース
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