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2008年11月12日 09:00
電子地方自治体の推進状況の考察と提言電子自治体の推進状況を考察する前に、これまでの施策と目標の概略を整理してみます。
「e-Japan 戦略」は、IT 戦略本部が「我が国が5年以内に世界最先端の IT 国家となる」を目標として策定されました。平成13年〜平成15年の施策事業は、主にブロードバンド等の IT 基盤整備でありました。 その後、平成15年7月に「e-Japan 戦略 II」を策定し医療・行政サービス等の7分野で IT の利活用に向けた先導的な取り組みを実施してきています。 一方、電子自治体推進施策としては、平成15年8月に「電子自治体推進指針」を策定し、基盤整備、行政サービスの向上、行政の効率化、情報セキュリティの確保等の施策を講じてきました。 基盤整備としては、LGWAN、住民基本台帳ネットワーク、公的個人認証などであります。また、行政サービスの向上と行政の効率化としては、電子申請・電子入札などの行政サービスのオンライン化、共同アウトソーシングによる業務・システムの効率化であります。 (1)ホームページの開設 市町村におけるホームページの開設は、1,579団体(87.2%)の状況で各種情報提供と意見・要望などの受付が多く利用されており、地域住民・企業にとっての便利帳となっていて利便性評価が高いと思います。提言としては、情報弱者対応として地域拠点(公共施設以外に、コンビニ・駅等)にキオスク端末の設置や視聴覚障害者向けホームページ作成と機器設置であります。 (2)ICT を活用した地域の課題解決への取組状況 市町村で最も多かった取り組みは、安全・安心な地域づくり(防犯・防災の情報サイトの取り組みなど)が612団体(33.8%)、子育て支援(子育て支援サイトの開設、IC タグを利用した児童の位置把握など)が283団体(15.6%)となっています。 防犯・防災の情報サイトについては、なかなか身近な問題として捉えられていないことや、提供される情報の品質(信頼性・即時性)に課題もあり、積極的な広報活動と情報の品質確保が重要であると考えます。 また、子育て支援については、少子化が進む状況において非常に重要であり、さらなる重点施策としての取り組みを継続的に求められていると思われます。また、事業によっては実証実験的に終わってしまわないような取り組みが必要であります。 (3)コールセンター・コンタクトセンターの開設状況 市町村においては45団体(2.5%)と低い状況であります。費用対効果だけで開設に消極的な市町村が多いことが残念です。全国に先駆けてコールセンターを開設した札幌市においても当初税金の無駄遣いと言われましたが、開設から5年半を経過して住民および職員にとっても非常に重要な行政サービスとなっています。 住民視点においては、電話が一番扱い易く何処からでも問い合せ・相談が年中可能であることが利便性面で評価が高いと考えます。 提言としては、今後、市町村(特に、市レベル)で導入が推進される見込のある総合窓口との連携した新たな行政サービス(住民が利便性を実感できるサービス)の導入に期待する次第です。 (4)行政手続のオンライン化 申請・届出等手続をオンライン化するための汎用受付システム導入は、市町村で842団体(46.5%)であり、電子申請・電子入札の都道府県単位とする共同利用が推進されています。 しかしながら、手続きで導入率が高いのは、公共施設予約が618団体(34.1%)、図書館蔵書検索・予約が1,112団体(61.4%)の状況であり、汎用受付システムを利用しない個別システムとなっています。住民からすれば年に1度あるかないかの手続きにオンライン利用を必要としない傾向にあると思われます。 行政手続のオンライン化については、国の電子自治体推進の主要施策としていることから、平成18年に新たな目標である「2010年までにオンライン利用率を50%以上」を掲げ、手続きを絞って取り組んでいます。 今回の報告書では、オンライン利用の促進に向けて講じた措置についても調査していますので、市町村分の概要を以下に紹介します。 1.オンライン利用時の利便性向上のために講じた措置 ホームページでのメニュー配置やナビゲーションの見直しが最も多く410団体(22.6%) 2.オンラインサービスの提供手段の改善のために講じた措置 オンライン利用ができる公衆端末や公共施設へのパソコン設置が最も多く340団体(18.8) 3.オンライン利用のメリットの拡大のために講じた措置 24時間365日のサービス提供が最も多く524団体(28.9%) 4.オンライン手続の広報・普及の強化のために講じた措置 広報媒体による住民への周知が最も多く663団体(36.6%) 以上がオンライン利用促進に向けた市町村の主な取り組みでありますが、国の法制度面からの抜本的対応が必要であります。 申請・届出等手続のオンライン化については、これまで筆者が機会があることに提言してきましたように、効果が見込まれる手続き(手続頻度が多い)、簡易な本人確認手段、添付書類の簡略化を積極的に取り入れる必要があります。 著者:森山 勉 日本ユニシス株式会社 官公庁事業部 公共ビジネス部 シニアコンサルタント 関連テーマ
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