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地方自治体のオープン化を評価(多くの自治体で目標未達成)国の業務システム最適化は、刷新可能性調査、最適化計画を踏まえ推進されてきましたが、最適化は二の次で、オープン化するだけと言っても過言ではない状況です。今後、新たな最適化(これまでできなかった本来の最適化)に取り組む状況が見受けられます。
一方、地方自治体においては、この5年間でオープン システムに移行した自治体も多くなってきています(全面・部分)。そこで、公開情報、研究会・セミナーなどでの事例紹介、実地ヒアリングに基づくオープン化状況と現状を整理してみました。オープン化後の評価では、多くの地方自治体で目標を達成しておらず、職員への負荷増大や住民サービスへの一部低下を招いている状況も見受けられました。 本レポートでは、地方自治体のオープン化計画策定、システム調達、運用・保守の分類で実態報告と目標達成の解決策を提示いたします。 1.業務システムの最適化動向(オープン システムによる) 業務システム最適化計画は、以下の3分類に整理してみました。 (1)全体最適化(例) すべての業務システムを対象に共通化、統合化、連携化するシステム共通(連携・統合)基盤を構築し、この基盤の上に業務システムを運用する事例であります。ここでいうシステム共通基盤としては、これまでの「福岡県電子自治体共通基盤」や「HARP:自治体の共通プラットホーム」がありましたが、最近は「地域情報プラットフォーム標準仕様」を調達仕様として採用されているケースが多く見受けられます。この例は、中核市レベル以上の人口規模の自治体での先行取り組みであります。 (2)レガシー システム(汎用機による基幹業務システム)以外の業務システム統合(例) 情報システムが広範囲に導入推進されてきたことにより、IT コスト全体のレガシー システムのコスト比率が30%〜40%になってきています。レガシー システム以外の多くは、情報システム部門が関与せず利用部門が独自で導入しています(システムの規模として小規模が多い)。利用部門による独自導入によりサーバーの乱立と共に運用の非効率を招いております。この例は政令市での取り組みであります。 (3)単純なオープン システムのパッケージ導入(例) レガシー システムを全面的にオープン システムへ移行する事例であり、先行事例として一番多い事例であります。この例は人口10万人〜40万人規模の地方自治体で、レガシー システムを独自仕様で構築してきた地方自治体に多く見受けられます。 2.オープン化による問題点と解決方策 前記しました3分類の事例から筆者が問題であると評価した事例について、問題点と解決方策を述べます。 (1)過大評価されている地域情報プラットフォーム標準仕様 近年、全体最適を実現する上で、縦割りの業務システムを横串で連携・統合する仕組みとなるシステム共通基盤の調達事例が多くなってきています。 そこで、調達仕様に「地域情報プラットフォーム標準仕様」準拠との一文が記載されている調達仕様書を見かけます。調達仕様書で、この一文だけを記載している場合は、地域情報プラットフォームを過大評価している場合であります。 解決策としては、筆者の意見より実際に取り組んでいる地方自治体の方の言葉をお借りします。必要とするシステム共通基盤の要件として、地域情報プラットフォームの標準仕様では不足する要件(機能)があり、追加の調達仕様と独自調達仕様を作成した、とのことです。地域情報プラットフォームを良く理解されている発言でした。 (2)地方自治に知見のないコンサルタントが作成した実現不可能な最適化計画 地方自治体の業務は、多岐に渡ることから業務知識、運用などを理解することは、並大抵のことではありません。近年、最適化計画策定などをコンサルタント専門会社へ委託するケースが多く見受けられます。実地ヒアリングでよく聞くことが、コンサルからの報告書は上層部に評価が高い(報告書の体裁が良く、理想論となっている)が実現不可能な内容(理想と現実のギャップが大き過ぎる)になっているとのことです。 特に、業務を間違って知ったかぶりするコンサルタントも見受けられます。カッコ良い報告書内容をもとに、首長からのトップダウンで一方的なオープン化実施は、無謀であるといえます。 解決策としては、担当部署に責任と権限を与え首長の IT 戦略方針を達成していくことであり、達成のための手段、方法(戦術)を担当部署に任せることであります。数少ない最適化実施自治体においては、業務担当部署と情報システム担当部署に責任を持った職員がリーダーシップを発揮し、担当部署内の職員を意識改革しています。 (3)業務システム単位の調達による過剰マルチベンダー化 実際、筆者がヒアリングした地方自治体事例でありますが、業務システム単位の調達により10以上のマルチベンダー化になってしまい、サーバーなどの乱立と保守改修における随意契約で IT コスト削減が図れていないとのことです。 解決策としては、住民情報系(住基関連、税関連、保険関連、福祉関連)を2〜3の調達単位とすることであります(パッケージ ベンダーも業務により得意・不得意があるので1社のみは難しいと思います)。 3.最後に 今回のレポートは、研究会や地方自治体への実地ヒアリングなどで、よく相談されるテーマであることから執筆することにいたしました。なお、執筆者の偏見と思われる記述があるかもしれませんが、率直な意見としてレポートしました。 著者:森山 勉 日本ユニシス株式会社 第三企画部 シニアコンサルタント 関連記事
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