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2003年10月8日 00:00

P2P とビジネスの関係:組織の壁を超える?

前回のコラムでは、 個人を軸にしたビジネススタイルの変化についてご紹介しましたが、 今回はもっと企業のビジネススタイルを中心に考えてみることにしましょう。

P2P の特性を活かすと、 単純に個人に情報のコントロール権を与えることができるだけでなく、 企業組織の情報共有に対してもより柔軟に対応できるのです。  

■クロスファンクショナルチーム

カルロス・ゴーンは、 今やビジネスの世界では知らない人がいないと言っても良いカリスマ経営者でしょう。

このゴーン社長が日産リバイバルプランにおいて力をいれていたものの一つが、 クロスファンクショナルチームです。

従来の縦割り組織に横軸を通した形でプロジェクトチームを発足させ、 組織全体の問題点を抽出したり、 改善策を検討したりといったスタイルは、 縦割り型組織の弊害で硬直してしまった組織を蘇らせるのに、 非常に効果があると言われています。

縦割り型組織においては、 組織のメンバーはどうしても、 企業全体よりも自分の所属する組織自体のメリットを優先してしまいがちです。 それに対して、 クロスファンクショナルチームでは各組織の代表者が集まり、 企業に対するメリットにフォーカスした議論ができるので、 ドラスティックな方向転換を行う際には非常に有効です。

■企業単位でのシステム構築による弊害

ところが、このようなチームの情報共有をサポートする仕組みとしては、 これまでのサーバー型の情報共有システムではあまり効率的ではありませんでした。

サーバー型のシステムは、基本的にまず第一に設計が必要となります。 そのサーバにアクセスする人数、 アクセスする組織の場所、 ネットワーク構成など、 必要な項目を元にシステム担当が最適なシステムを構築していきます。

また、ロータス・ノーツのようなシステムで良く問題になるのが、 新しい情報共有の単位が発生した時に、 システム担当の設定などの作業が発生する点です。

そのため、 先ほどのクロスファンクショナルチームのような短期のプロジェクトや、 メンバーが頻繁に入れ替わるプロジェクトになると、 そのフォローはかなり面倒な作業になってしまいます。

これらは結局、 情報共有の場を構成する考え方で、 固定的な組織をイメージしているために起こる問題です。

また、サーバー型のシステムの場合、 違う拠点にいるメンバーがサーバーに接続できなかったり、 逆にサーバーに接続できるプロジェクト外の他の社員に情報が見えてしまったり、 という物理的な問題も発生してしまうのです。

そのため、現実的にはほとんどの企業横断型のプロジェクトは、 単純にEメールや電話、実際の会議など、 旧来の手段で運営されているというのが実態だと言われています。

■プロジェクト単位でシステム構築

これまでのコラムでもご紹介してきたように、 P2P 型のツールはインターネット経由で簡単に情報を共有できます。 そのため、クロスファンクショナルチームのようなプロジェクト型のビジネススタイルをサポートするのに非常に有効です。

情報のコントロール権が個人レベルに落ちているわけですから、 チームリーダーやプロジェクトマネージャが必要に応じて、 情報共有の単位や情報を共有するメンバーを選択できるわけです。

これまでの情報共有システムは、 会社のシステム担当が中心となって運営するのが当然とされていました。 ただよくよく考えてみると、 情報共有システムはコミュニケーションを支援する電話や FAX、 ホワイトボードなどの代替品にあたるものですよね。

P2P 型の情報共有の仕組みのような、 社員が必要に応じて柔軟に情報共有の仕組みを運営していくことができるツールを利用することにより、 クロスファンクショナルチームのようなプロジェクト単位での情報共有が簡単にできるようになります。

これにより、企業の組織のあり方も、 これまでのような縦割り型のものからよりプロジェクト単位のものへと、 ビジネススタイルの変化に加速度がつくかもしれません。

(執筆:徳力 基彦)


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