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2003年11月26日 00:00

P2P とビジネスの関係:中心の無い組織って?(下)NPO の可能性

前回より続く)

■組織のためではなく、目的のために働く組織 NPO

NPO とは直訳の「非営利組織」という言葉が示すように、 利益を追求することを目的としない組織です。

企業というのは基本的には「利益」を出すことを目的に運営されています。 もちろん社会に貢献している企業もたくさんありますが、 本質的には株主に資本を出してもらい、 株主に対して利益を還元することが究極的な目的です。

これは自営業の会社であろうが、 従業員が10万人の大企業であろうが同じです。 利益を出さなければ、経営陣は株主に職を追われますし、 従業員をリストラしなければなりません。 これは利益を目的としている限り、 ある意味当たり前のことです。

もちろん NPO も利益を出さなくて良いというわけではありませんが、 NPO の存在目的は利益を出すことではなく、 その組織が設立された目的自体にあります。

これは実は非常に大きな違いです。

企業においては、 従業員はどうしても、 企業が「利益」を出すために雇っている人という色合いが強くなります。 利益を出さなければ自分の責任が問われるわけですから、 利益を出すために様々な不正が発生してしまうことも、 ある意味自然と言えるかもしれません。

これに対し NPO はあくまで「目的」のために存在します。 もちろん、 資金を維持できなければ組織として存在できなくなりますが、 そこで働く人たちのモチベーションは、 この「目的」をともに達成するという使命のもとにあります。

■組織力のハンデを IT 技術で超える

もちろん現在存在する NPO が組織的に企業を超えているかというと、 そんなことはまだまだないのが現状です。 資金的にも人材的にも課題はありますし、 そのような「目的」を共有している人々が交流する手段もまだ限られています。

しかし、インターネットを中心とする IT 技術の発展は、 そのような現状を大きく変える可能性を秘めており、 特に P2P というコンセプトは、 この NPO 的な組織に合っていると言われています。

サーバー型のような中央集権的なシステムは、 どうしてもサーバー自体の管理や費用の分担などの面で、 NPO のようなフラットな集団に適応しづらいのが現状です。

P2P は、Person to Person や People to People と呼ばれることもあり、 NPO のようなボトムアップ型のアプローチに非常に適しているのです。 もし、NPO が大企業と同様に IT 技術の恩恵を受けることができれば、 企業と同様の役割を一部で置き換えていくことがあり得るかもしれません。

そんなことはあり得ないですって?

考えてみてください。 同じ給料で、 「利益」と「目的」のどちらのためにあなたは毎日働きたいですか?

同じ価格で「利益」のためのサービスと「目的」のためのサービス、 どちらのサービスをあなたは受けたいですか?

利益を追求する企業のほうが効率的になるという議論もありますが、 さてさて誰も50年後のことは分かりませんよね?

(執筆:徳力 基彦)


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